今日も町の隅で (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 322
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041134009

作品紹介・あらすじ

同級生の長野くんに誘われて野球観戦に来た愛里。二人の前には大声でヤジを飛ばす男がいて……「梅雨明けヤジオ」
バンドでリードギターを降格された悠太が初デートで訪れたのは“ツリー”ではなく“タワー”だった「逆にタワー」
思いもよらない偶然を重ねて出会った駿作と那美は、その時が来るのを待つ「君を待つ」
ほか全10編を収録。
11歳から42歳、それぞれの「選択」に向き合う男女を描いた、著者初の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • ☆4

    それぞれの「選択」に向き合う、11歳から42歳の男女を描いた10編の短編集。

    決して大した事は起こらず、今日も町の隅で起こっているであろう「ありふれた日常」を描いた短編集なのですが、読むとほっこり温かい気持ちになれて...そっと背中を押してくれるような「10の物語」に癒されました❁⃘*.゚

    小野寺史宣さんの作品ではお馴染みの「みつば」が舞台となっているので、他の作品に登場する人物やお店などが出てきて、そちらも楽しめました!

  • この小説を読み終わった後、別の本のフレーズを思い出しました。

    ”「幸福は、状況の編集能力・解釈能力によって構成されるもの」と考えているの。”
    (by 愛は毒か 毒が愛か)

    まさにコレ、なのです!

    この小説に出てくるストーリーは、普通の人のほんのちょっとした日常生活なのです。
    (ほんのちょっととしたのは、普段の生活に毛が生えたくらいの出来事だからです)
    日記に書くか書かないか、判断に迷うくらいのレベルと言えば伝わりやすいかなぁ。
    が、しかし。
    読んでみると、どれもこれも特別感があるんですよね~。
    この特別感って何だろうと考えた時に、思い出したのが先のフレーズです。
    大したことのない日常も編集能力・解釈能力次第でいかほどにも特別なモノになるって事なんじゃないかな、と気づきました。
    なんで自分の人生ってこんなにもつまらないんだろう……、と思う時間があるのであれば、編集能力・解釈能力を身につけ、自分の人生に特別感を持たせる方に舵を切った方がお得感がありますね。(自分でコントロールしている感があるので、充実感もついてくるかもしれない)

    この小説に書かれているような「幸せ」は自らプロデュースして作っていくものなのかもしれません。

    目の覚めるような何かが起きるわけではないので、心穏やかな状態のまま読めました。(たまにはいいね、こういうのも)

  • 小野寺さん作品、読了15冊目(^^)
    みつばを舞台にした短編10本。

    「本日も教官なり」に出てきたソーアンの冬香さんと息子の幹矢の物語があったり、フォーリーフ四葉が出てきたりと、相変わらず他の作品読んでると得られるお得感満載(笑)

    たくさんホッコリできました(^^)

    小野寺さん作品の好きなところを言い合ったり、登場人物の相関図を作るための「小野寺史宜さんサークル」現在メンバー3名です!
    メンバー募集中です♫

  • 小野寺さんの短編、初読みです。読みやすかったです。小野寺さんの作品は、他の作品と繋がってるところが魅力で、この本も要所要所に「あ!」となるところがあります。それが面白い。
    タイトル通り、日常のどこかで起こっていそうなストーリー。フィクションだけど、親近感の持てる話で、面白かったです。

  • 282ページ
    1700円
    8月24日〜8月25日

    みつば町で暮らす人々のちょっと心暖まる10の短編集。親が離婚することや引っ越しすることなどの共通項がどの話にもある。

    短編集だから一つ一つが短くて読みやすい。文体も読みやすく、すーっと入ってきた。

  • 小説すばる2018年4月号梅雨明けヤジオ、2016年1月号逆にタワー、2012年8月号冬の女子部長、書き下ろしチャリクラッシュ・アフタヌーン、2015年7月号君を待つ、書き下ろしリトル・トリマー・ガール、2017年3月号ハグは十五秒、2016年10月号ハナダソフ、2018年9月号カートおじさん、2017年10月号十キロ空走る、の10の短編を2020年2月KADOKAWA刊。2023年2月書店員の沢田史郎さんの解説をつけて角川文庫化。蜜葉市で起こる出来事。郵便屋さんシリーズのノリたっぷりで、まるで番外編のようなどうということのない、でもとても面白いストーリーが楽しい。

  • 小野寺さんは本当に日常を切り取るのが上手いなぁ。
    端から見たら何の変哲もない日常なのに、小野寺さんの手にかかれば、たちまち味わいのある誰かの日常へと変化する。
    そんな風に思わせてくれる短編集でした。

    お気に入りは、
    *冬の女子部長
    *君を待つ
    *ハグは十五秒
    *カートおじさん

    小さなものから大きなものまで、日常的に幾度となく迫られる選択の数々。その大小に関わらず感情は揺れ動くもの。
    そんな登場人物たちの様子が描かれていました。
    転校生に翻弄される小学生から妻の浮気を疑う夫…と、世代もシチュエーションも様々でそっと見守るような気持ちで読み終えました。
    軽い読み心地で隙間時間にもピッタリ!
    ちょこちょこ楽しみました。

  • 面白かったです。
    「ハグは十五秒」が好きな感じ。

  • 1つの町で生きる様々な人々の日常を描いた小説でした。まるでアジサイの花が小さな花々が集まって、大きなアジサイという花になる様に、人々が日常生活の中で、それぞれの小さな心の花を咲かせ、その集合体が「今日も町の隅で」というアジサイの花となって、私達読者を静かに楽しませてくれる…といった感じの印象を受ける穏やかな小説でした。

  • 10篇の短編集。共通しているのは「みつば」という町が舞台であること。そしてそれぞれのお話は11歳から42歳と幅広い男女が主人公だけど、大きな事件が起きるわけではないので、気付いたら1つのお話が終わっていた!という印象です。なのでこれまで読んだ小野寺作品と比べると少し物足りなさを感じてしまいました。でも『君を待つ』は良かったです。電車に乗り遅れてツイてないと思ったのも束の間、事故を逃れた上に、その後偶然の出会いが待っているなんて…。私もツイてないと思っても、イヤイヤこれはツイてるのかも?と前向きに考えよう!

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著者プロフィール

一九六八年千葉県生まれ。二〇〇八年『ROCKER』で第三回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞し同作で単行本デビュー。著書に「みつばの郵便屋さん」シリーズ、『ひと』『ミニシアターの六人』『レジデンス』『タクジョ!』『銀座に住むのはまだ早い』『君に光射す』などがある。

「2023年 『片見里荒川コネクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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