緑の我が家 Home,Green Home (角川文庫)
- KADOKAWA (2022年10月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041127506
作品紹介・あらすじ
その路地にさしかかったとたん、ひどく嫌な気分がした。
どういうこともない書店街の一郭。一見見落としそうな路地の突き当りに緑の扉、ハイツ・クリーンホームはあった。
父親の再婚を機に、高校生の荒川浩志はひとり暮らしをすることになった。ハイツ・グリーンホーム、九号室──それは、近隣でも有名な幽霊アパートだった。引っ越した当日、からっぽのはずの郵便受けには、小さい丸い白いものがひとつ、入っていた。プカプラした手触りの、人形の首だった――。「出ていったほうがいいよ」不愉快な隣人の言葉の真意は? 幽霊を信じない浩志ですら感じる「ひどく嫌な気分」の正体とは? 小野不由美の家ホラーの原点とも言える本格ホラー小説。
感想・レビュー・書評
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1990年11月朝日ソノラマ刊行のパンプキン文庫グリーンホームの亡霊たちを改題加筆修正し2015年8月講談社X文庫ホワイトハート版緑の我が家刊行。更に加筆修正し、2022年10月角川文庫化。怖くて優しいという紹介の通りの話で、消えた記憶を取り戻すミステリアスな展開と不気味な事件が織りなす世界はドキドキ感いっぱいでした。主人公が高校生というのも展開に説得力があります。良くできたホラーです。
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面白かった!怖かったけど優しさと温かさがあり悲しくもありで一気読みです。
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小野不由美の初期のホラー小説。
どんよりとした気味が悪いはじまり。
後半は真相が気になり一気読み。
一番怖いのは人間ってこと。
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「ゴーストハント」と同時期に書かれた、著者初期のライトで読みやすいホラーミステリー。4度目の文庫化で加筆修正はされているようだけれど、「残穢」などその後の家系怪談の原型的な作品。アパートに出没し、チョークで奇怪な落書きを繰り返す子供が怖かった。
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終始不気味で嫌な感じのマンション…
引っ越してきたのは高校生の男の子
なんか気持ち悪いなーと思いながら読み進めて、しかし普通にホラーを読んでいたはずなのに後半にはやるせない様な優しいような、切ないお話になっていて最後まで一気読みでした!
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さらりと読めた。ホラーなのに読後感爽やかな感じで、なんか納得いかないw
生きてる人間が一番怖い、とは話の中にも出てきたけど、忘れていた記憶か押し寄せ、自分自身が一番恐ろしいという状況になる。隣人が物理的に殺しにかかってくるよりもホラーだった。
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あー、怖かった…
読んでいてかなり恐怖を感じるんだけど、その恐怖が色んな方向性に伸びて、読後感情が疲れました。
「残穢」などもそうですが、安心できるはずの家が怪異に見舞われるって本当怖い。
家が安心できないって個人的に何より一番怖いことだと思う。
2つの異なる理由で 安心できない家 がクロスして、主人公を追い詰めながら、大事な物を得て、同時に失う、そんな話だったと思います。
(ネタバレにしたくなくてすごい曖昧になっちゃったけど)
17歳の主人公、かつての同級生、若い心の不安定さ。なるほど「緑の我が家」か、というような解釈を個人的にしました。
薄めの本ですが、読みやすいし怖いし、でも読む人によってきっと受け取る恐怖がそれぞれ違うんだろうなと思える作品でした… -
初期の名編とのことですが、ライトノベルに馴染みがないので、主人公の男の子の言動がいちいち非現実的だなあと思いなかなか入り込めませんでした。ただし構成は色褪せないものがありました。
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ライトな文章と面白さで、一気読み必至です。
しっかりホラーなんだけど、それだけでなく今の時代にも当てはまる社会問題が関係していて、小野先生さすがだな、と思う。
厳しく、でも温かさもある、ホラーらしからぬ不思議な読後感。辛くて、久々に読書で泣きました。