育休刑事 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 431
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041115138

作品紹介・あらすじ

事件現場に赤ちゃん出動!? 育児も謎解きも全力の新感覚本格ミステリ!

捜査一課の巡査部長、事件に遭遇しましたが育休中であります! 男性刑事として初めての1年間の育児休暇中、生後3ヶ月の息子を連れているのに、トラブル体質の姉のせいで今日も事件に巻き込まれ―!?

感想・レビュー・書評

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  • 三児の父なので、タイトルが気になって購入した。

    蓮くんが可愛く、いいおじさんがニヤニヤしながら読んでいた。まあうちの子の方が可愛いですけどね。(親バカ)

    本の紹介では「本格ミステリ」と紹介されていた。
    確かにトリックの謎解きが中心ではあるのだけど、語り口は軽妙で諧謔的でもあり、その意味ではユーモアミステリのようだった。似鳥先生は同年代あるが、文章の端々にガンダムとかジブリのオマージュがあってクスリとさせられる。
    一方で、育児をしていく上で制度的な難しさとか、男性が育児に関わっていくことに対する偏見とかも描かれていて社会派の要素も感じられた。
    沙樹さんの正体では叙述トリックまで使われており、ミステリの面白さがてんこ盛りである。

    3つの事件が扱われているが、いずれも赤ちゃんが解決の手がかりになっており、そのせいか全体的に平和な印象がある。
    パパは子供のヒーローになりたいし、にっこり「パパ」とか云われたら泣いちゃうよね。
    ハルと沙樹さんの馴れ初めや蓮くんの誕生の物語も気になり、エピソードゼロみたいな感じで書かれないかな~と思った。

  • 赤ん坊を事件現場に連れていきすぎの是非は置いておいて、育児小説として一つのジャンルを築いたんではないでしょうか。育休という制度に一石を投じる小説になったと思います。

  • これは...やられた(^ ^; 絶対に映像化不可能、文学ならではの大掛かりな叙述トリック(^ ^; いや〜、見事に引っ掛けられましたわ(^ ^;

    登場人物が、みな魅力的である。設定的にはある意味ファンタジーっぽいと言えなくもないが、エンタメに徹した作品と思って読むとその設定が活きてくる。変人は変人なりに、家庭人は家庭人として、冷徹な「AI課長」だってそれぞれの役割をきちんと果たし、それぞれの「見せ場」があり、ちゃんと魅力的なキャラとして成立している。ちなみにこの「強烈なお姉ちゃん」は、どこかで出会ったことがあるような気がするが...?(^ ^; 「5分間ミステリ」みたいなのに登場してたのかしらん(^ ^;

    とにかく何を書いてもネタバレになりそうな本作(^ ^; 絶対後悔はさせないから、ぜひ読め、とだけ記して、私の挨拶と代えさせていただきます m(_ _)m

  • 育休をとった刑事が、事件に巻き込まれ解決していく話。
    全3話。全部面白かった。
    とくに、お外に出たらご挨拶が面白かった。
    育児に関することを取り入れながら、解決していく新しいミステリー。
    続編も読みたい。

  • 育休を取得中の刑事が主人公。
    息子の蓮くんと出かけ先で事件に巻き込まれ、上司に育休中なのに仕事に駆り出され、協力され。
    と、育休であることを前提にした小説だろうなとの推測を上回る、ミステリー要素。
    似鳥氏が作者であることから、ただの小説ではないと思っていたが。笑

    赤ちゃんを交えた捜査や育児絡みの推察は斬新で新しく、
    育児の「知らなかった!」が度々出現するため、
    もはや子育てついての理解を深める本でもあった。
    世の育児に関わる人は本当に大変なんだな!

  • ここ最近で一番面白かった。
    男性の育児、ジェンダーのあり方など今となっては理解が進んできたのだとは思うけど、構想の時点ではどうだったのだろう。先進的だったのかな。

    私も育休をとった経験があり、育児の描写などに共感しながら読んでいた。妻のあり方・夫のあり方、性別による役割などに偏見等は持っていないつもりであったが、三章を読み進めていくうちに、そんなものは幻想だったのだと思った。作者から「この仕掛けには気づかなかったでしょう」と言われたみたいだった。

    自分もまだまだ固定観念に縛られているのだと感じた

  • サイコパスなお姉ちゃんがキャラ濃くて好きです笑
    コメディ強めなほっこりアクションミステリーって感じです。
    面白かった〜

  • 3つのお話からなる連作小説。
    全編を通して言えるのは育児あるあるが面白かった。なかなか育てた経験のある人でないと分からない。本当はそうでない世の中に早くなって欲しいところだけど。
    ミステリーとしては1つ目の話は少し陳腐な感じがしたけれども読み進めていくうちに3作目には引き込まれていた。伏線がそういうことだったかー!と面白かった。続きがあるようなので読みたいと思います。

  • ちょうど今、自分が育休中という身であるために気になった本で読んでみた。
    さらに、読んでてびっくりしたのは自分の子と同じ名前と同じような月齢だったこと。
    なので、とても親近感のあるお話でした(笑)

    育児も2人目なので、育児の話も『そう、そう』ととても共感でき、事件も先が気になるストーリーで面白かった。
    2作目もこれから読みたいと思います。

  • とても面白かった。
    まず、育児の描写がリアルすぎる。著者の経験が反映されているからというのもあるが、これを文章で表現できるのがすごい。
    そして、ミステリー部分がちゃんと事件として深刻さがあって面白い上に赤ちゃんとの関わりがある。
    そして、全体的に文章力があり読みやすい。
    注釈がたくさんついているのが新鮮で、しかもユーモアがあってクスッと笑えるところが多い。
    それから赤ちゃんがとにかく可愛い。文章でも可愛さが伝わってくる。
    次回作や、似鳥鶏さんの他の作品も読んでみたい。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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