明日も一日きみを見てる

著者 :
  • KADOKAWA
4.12
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本棚登録 : 574
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041109922

作品紹介・あらすじ

トトの存在が、私の日々の、あるいは私のしあわせ感の、基点になったのだと思う。(あとがきより)

集合住宅から一軒家に引っ越しをした角田さん。
外猫とのはじめての遭遇と脱走事件、虫取り事件にハゲ事件。
アクシデントは絶えないが、猫との暮らしそのものには、パンデミックのなかでも変わらない単調さがある。
ごはんを用意したりおやつをあげたり、腹に乗せたり顔マッサージをしたり。
猫との静かな日常のくり返しがずっと続いていくことを、全世界の全ての猫の幸福を願ってやまない、愛情あふれるエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • ときどき"ネコ"みたいな事をするトトが愛らしい。
    写真がいっぱいで、トトだけでなく角田さんちの庭にやって来る外猫の"とら"や"トラ男"も写っている。

    トトが角田さんちに来たときはマンションで、部屋と空と鳥しか見たことがなかった。
    一軒家に引っ越して、庭やいろんな虫や外猫やタヌキなど、今まで知らなかった世界を見るようになる。
    そしてある日、一瞬の隙をついてトトが初めて家の外に出て行ってしまう。
    「どうしよう、どうしよう」いろんな悪いことが脳裏を巡る。
    たいへんなことになったとパニックになった角田さん。
    どうなったかはレビューには書かない。読んでのお楽しみ♪

    「猫が30歳まで生きる日 治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見」の著者である宮崎徹さん。
    角田さんは、猫の腎臓病の治療薬を研究している宮崎徹先生に研究支援の寄付金を送っている。
    予想以上に寄付金が集まったようで、宮崎先生は東大を退職し、猫の腎臓病研究に専門的に取り組んでいることが書かれていた。
    猫を愛する人々の力は凄いと感じた。

    角田さん曰く、「今日と同じような明日が来るのがいい。それはトトがいつまでも当たり前のようにここにいるということ。」
    この気持ち、わかります。

  • 表紙のトトちゃんの顔のアップを見ただけでもうメロメロ。
    角田さん家の飼い猫トトちゃんにまつわるエッセイ本。第二弾の今作も、トトちゃん愛に溢れている。

    なまえ:トト(おんなのこ) 
    年レイ:10さい
    とくちょう:首輪をしていません。じっとりと目を細めています

    こんなトトちゃんの写真つきポスターをもらえたら、ぜひ部屋に飾っておきたい。

    ちょっびり臆病なトトちゃん。角田さんが虫捕まえて!と頼んでも「無理ー」と即答。その苦手な虫をようやく克服し、虫を捕まえた時の「ヌオオオオー」と野太い声で鳴くドヤ顔のトトちゃんを想像するだけでニンマリしてしまう。
    角田さんに叱られた時のトトちゃんのふてぶてしさにも、甘えているところを見られたくないクールさにも、ニンマリ。
    もうトトちゃんのやることなすこと全てが愛しく思えてしまう。

    仔猫のイメージの強かったトトちゃんも、とうとう中年の域に。。病気など心配なことも年々増えてきてこちらも心がゾワゾワしてしまう。
    トトちゃん、どうかずっと長生きしてね。

  • 本文は猫飼いあるあると可愛い写真。
    あとがきがとても良かった。

    『一匹の猫と出会うと、人は全世界の猫の幸福を願うようになる、と私は思っている。』

    本当にその通り!
    うちに猫が来てから野良猫のことも良く考えるようになった。
    自分ちの猫だけじゃなく、猫みんなの幸せを願うようになった。そう思わされるのは猫の持つ不思議な力なんだと思う。
    私は猫にたくさんのことを教えてもらっている。

  • 外猫とのはじめての遭遇と脱走事件、
    虫取り事件にハゲ事件
    アクシデントは絶えないが
    猫との暮らしそのものには
    コロナ禍のなか 穏やかな日常ですね
    叱られてるトトちゃんの写真
    最高です
    先生も下にかかれてますが
    ほんまに 早く終わんないかなぁって
    顔ですよね 笑える

  • 角田さんとトトの距離感が大好きです。
    孫になったり子供になったりしない。
    大切な猫として接しておられる。
    トトの他に家にやってくるとら男やとらちゃんと角田さんのやり取りも微笑ましい。
    猫の習性、明るい部屋では眠れないとか腎臓病になりやすいなどの習性や腎臓病になりやすいこともわかった。
    そして腎臓病から猫を救うべく、研究を続けられている人がおられることなど、勉強になる。
    そしてトト。
    すごい!!
    トトすごい‼️
    すごい猫ちゃん‼️
    猫はみな、すごい。
    だって、みんなを夢中にできるから。



  • 前作が大好きだったので、この続編も楽しみにしていました。結果、相変わらず猫愛に溢れていて最高でした!
    トトちゃん可愛いな、うちの子とちょっと似てるな、と思いながら読み進めました。
    窓際に置いてある絨毯がギャッベだったのと、キャットタワーが前から欲しかった商品だったのが羨ましかったです(笑)ガリガリボウル、うちの子も使ってくれるかなぁ…ダメかなぁ(猫飼いあるあるの思考)
    とにかく、楽しい一冊でした♪

  • 「明日も一日きみを見てる」 角田 光代[文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322009000358/

    小説 野性時代
    https://yaseijidainote.kadobun.jp/

    (「小説 野性時代」で連載中の大人気エッセイをnoteでも特別公開! 毎月22日(にゃんにゃんの日)に更新予定です。お楽しみに!) ←知らなかった、、、

  • T図書館本

    トトちゃんにまつわるエッセイ。
    猫好きあるある。
    虫とってきたり、生ハム禁止令だったり、
    同じだわ〜と、深く共感。
    何よりもうちの猫とトトちゃんがそっくりで嬉しくもあり。

  • トト、可愛すぎる!ネコ好きは人のネコまで好きになる、角田氏の言うとおり!
    途中の写真がまたブサイクだったり、美しかったり。
    終始穏やかそうなトトの雄叫びや病気ストレスなどタメになりつつ笑える。
    またネコは未来を憂えることができないらしいと聞き、始めて自分に言い聞かせながら外出先から気にしてもしないようにする、愛深き角田氏。家の人って言い方のかわいい。コロナ禍の時にも触れ、2人揃っているのを喜ぶトトもとてもかわいい。
    全てが可愛い1冊!

  • 『今日も一日きみを見てた』の続きと言えるエッセイです。

    ああ、大きくなっても、トトちゃん可愛い…
    読み終わってから、胸に暖かなほわほわした気持ちが広がる感じでした。
    角田さんご夫妻の、軽妙かつ愛情に満ちた語り口から、じっとりした愛情を見せつけるトトちゃんの様子が目に浮かぶようでした。
    同時に、数々の事件で、角田さんの不安な気持ちを追体験するようで、涙が出そうにもなりました。

    あとがきにあった、激動の世の中にあって、
    「…トトと過ごす時間だけはしずまりかえっている」
    変わっていく日々のなかで、「猫のいるしずけさ」、それこそが幸福だと、祈るように綴られていて…噛み締めるような同感と、今はもう亡き猫たちに対する郷愁に似た感慨が湧きました。

    「世界中の全猫が、今日も明日も幸福でありますように」

    …帯に書かれている言葉は、多分、猫好きの共通の祈りのような気がします。
    ふとした時に、何度でも読み返してはほわほわしたくなる本です。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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