約束の森

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.80
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本棚登録 : 248
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101209

作品紹介・あらすじ

警視庁公安部に属していた奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くし、退職を決めた。以降、人知れず孤独に暮らしていたが、かつての上司から北の寂れた土地でモウテルの管理人を務めてほしいと依頼され、任地に向かう。そこで待っていたのは、見知らぬ若い男女と傷ついた一匹の番犬だった…。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。気合いを入れて読むだけの厚さがあったのですが読み始めてみるとスルスルと読め最後はページをめくる手が止まりませんでした▫️初対面で家族を演じなくてはいけない3人と一匹の関係がいろいろな事で変わっていく姿はそれぞれの心の内も書かれており分かり易く読んでいて心地良かったです。しかし、3人に迫る者が何であるのか、周りの人間も果たして味方なのかが分からなくハラハラしました。最後にそれぞれ活躍する姿が格好良く誰も死ななくて本当に良かったです。(途中で、もしや隼人が!いや、赤城か!侑也か?マクナイトー!とドキドキ)マクナイトが格好良く短い尻尾を振る可愛さにきゅん。

  • いろいろな機関や人間関係がごちゃごちゃしていてわかりづらかった。マクナイトはカッコよかった。

  • ハードボイルドだけどアクションばかりじゃない、
    人と人とのつながり、人と動物との絆を、
    これでもかというほど感じられる作品でした。

    元警察官の奥野侑也は、妻を殺人事件で亡くして退職し、
    孤独に暮らしていたが、かつての上司から頼まれて
    北のさびれた土地でモウテルの管理人を務めます。
    そして、内密な命令をうけ、
    そこで2人の若い男女と家族を装いながら、暮らし始めました。
    暗い過去がありそうな娘役のふみと息子役の隼人。
    ふみが連れて来た白いオウムのどんちゃん。
    そして侑也が頼まれてひきとった
    心も身体も傷ついたドーベルマンのマクナイトも一緒に生活をはじめ、
    傷心の偽装一家の毎日が平穏に流れていくなか、
    ある事件がおこります・・・。

    主人公の侑也とドーベルマンのマクナイト。
    人間に裏切られた大型犬の心を
    傷心の孤独な男が寄り添うことで、掴んでいきます。
    人と動物の繋がりってこうなんだ、と思いました。
    人の命令に忠実な警察犬になり損ねたマクナイトですが、
    実は本気をだせば、
    人を守ることには絶対の強さがある優秀な犬でした。
    その素質を見抜けた侑也だからこそ、
    マクナイトも徐々に心を開いていったのでしょう。

    ふみと隼人も同様です。
    お互いの心の傷をぶちまけたとき、
    家族以上の絆が結ばれのだと思いました。

    どちらかというとネコ派の私ですが、
    犬ってこんなにも、忠実で、寂しがり屋なんだとほろりとしました。
    犬好きの方にはぜひ読んでもらいたいと思います。

  • ひさしぶりにハードボイルド読みました。
    守りたい者のために必死に生きる。
    切ないと爽快がミックスした物語。

  • 他人同士が、家族のふりをして一緒に暮らしていくことで、本当の家族のようになっていくのが心暖まりました。ストリート・オブ・ファイヤーのところが好きです。

  • 犬とおとうちゃんが頑張る話。お話のバランスがよく、あきないで読んでしまいました。

  •  おとり捜査に協力するため集まった3人。父役、娘役そして弟役。はじめはお互いに心を開かず棘のある関係だったが、一匹の犬マクナイトを中心にお互いが打ち解けあう。マクナイトは虐待を受けていたところを父役の侑也に助け出され、徐々に侑也に心を開くようになる。しかし実は心を閉ざしていたのは侑也で、マクナイトが凍っていた心を融かしたのではないかと思う。
     やがて繰り広げられる銃撃戦。これぞハードボイルドという内容と家族の絆・やさしさで物語は進む。おすすめ。

  • (※選択肢に文庫しか出てこなかったのでこちらで登録していますが、実際は新書で読んでいます)
    文句なしにおもしろかった。
    寄せ集め家族はこの作者にはつきものですが、これは一つの完成形だと思います。祖父母父母姉弟に犬のマクナイトと鳥のどんちゃんまでついてくる。完璧。しかも全員他人、ほぼ初対面…このばらばらの面子がいったいどうなるのか、はらはらし通しです。
    始まりは剣呑でしたが、思いの外穏やかに日常が進み、中盤最大の事件はふみのおかず少ない事件。なんでこんなにうまいのか、と思うくらい自然に、三人が一度思い切りぶつかって、その後一つの階段を一緒に昇り始めたのが伝わってきました。でも結局頼りになるのは犬と鳥…(笑)
    計画通りのドンパチがとうとう始まったときも、ふみの最大の危機を救ったのはどんちゃん、全体的にいちばん活躍したのはマクナイト。
    特にマクナイト…なーんだこの本の主人公はマクナイトだったのかーと思うくらいかっこいいです! 赤城とのやりとりではその潔さに号泣、奥野とふみと逃げるシーンはもう泣きっぱなしでした…。vWDのことを知らなかったので、最後までこわくてたまらなかった。やっと幸せになれたのに…犬好きにはマクナイトがらみのシーンはかなりつらいところが多いです。
    あと、ショックvsふみとか隼人vsブリット(ソードかな)の場面の石崎さんの扱いとか、今回かなり15禁な描写が多いので飲み食いしながら読むのはやめましょう。
    最後のシーンは隼人・ふみと一緒に子供に返って嗚咽します(笑)
    おすすめも書ききれない、時間を作って一気に読んでほしい一冊です。

  • ハードボイルドはあまり読まないが、これは犬が重要な役割をしており、充分に楽しめた。ただ、人間関係が複雑でちょっと分かりにくいところがあったのが残念。でも終わり方も爽やかでよかった。

  • 2月-8。4.0点。
    元警察犬指導の主人公。
    公安の元上司の紹介で、任務に。敵の娘と、陸自上がりの義手の男。
    奇妙な生活に、元警察犬が舞い込む。
    闇闘犬やらが絡みつき、ある筋から襲撃が。
    相変わらずのハードボイルド。ただ、今作は犬とか、オウムとか、
    動物も出てきて、柔らかい印象。
    面白い。

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著者プロフィール

1970年、岩手県花巻市生まれ。99年、『愛こそすべて、と愚か者は言った』で第三回新潮ミステリー倶楽部賞・高見浩特別賞を受賞。他の著書に『償いの椅子』『天国の扉』『ライオンの冬』などがある。

「2012年 『握りしめた欠片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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