逢魔宿り

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 383
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098882

作品紹介・あらすじ

ホラー作家の「僕」に、デザイナーの松尾は昔ある四阿で出会った奇妙な一家の話を語る。山小屋での恐怖体験、障子に映る異常な影絵、宿直中の学校での異変。一家が怪異譚を語るたび、近隣で不可解な事件が起き……。

感想・レビュー・書評

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  • まだ読みたいホラーの一冊。

    五編のホラー、これぞホラー、っていう感じ。

    秋の陽が差す暖かい時間に読んでいるにもかかわらず背筋が寒くなるのはなぜ?鳥肌が立つのはなぜ?な時間。

    ヒタヒタ迫る怪異に心はジリジリ後退り。

    中でも「お籠りの家」の時代設定と風習を絡めた恐怖のブレンドが最高の味わい。

    表題作「逢魔宿り」は雨のあずまやでの勝手に語られる語り、次第に気持ち悪さに取り憑かれていくその感覚が絶妙。
    まさに読み手の心にも“あまやどり”されたような恐怖。
    なのにまだ読みたい気分にさせられる…これって最高。

  • 怪談話に目がないホラー&ミステリ作家の「三津田信三」が知人から聞いた、という体裁で語られる怪談集。各話の閉じ方の理不尽さ曖昧さが正に怪談。得体の知れない闇がじわじわとすぐ後ろまで迫ってくる語りが上手くて本当寒気が来る。各話の冒頭で三津田さん自身の父親や前職の思い出が語られたり最終話ではコロナで海外イベントが中止になったのをきっかけに話の語り手に会いに行ったりと現実を彷彿とさせるエピソードがさらに怪談の闇を身近に感じさせて寒気倍増。夜中の宗教施設のオブジェ群に潜む「ある施設の夜警」祖母の代わりに香典を届けるお使いを頼まれた孫娘に降り掛かる「よびにくるもの」が好み。「お籠りの家」もそうだけど理由の判らないルールは怪談の華だ。

  • 「お籠りの家」が好み
    1.七日間七歳まで山奥の家でお籠り
    2.決して垣根の外に出ない
    3.絶対本名を名乗ってはならない
    頼み綱は,魔除けの菅笠,山刀と…
    魔物が家屋まで入り込み蚊帳越しに迫る恐怖

  • これは本当にあった話なのか?それとも創作なのか?
    創作だったらすごいなと思う。本当の話と思えてしまうから。

  • ホラー好きにはたまらない読みやすい短編集。これくらいの分量ちょうどいい。
    魔物に呼ばれても話したり返事をしてはいけないことを学べる良い本。

  • 三津田信三氏の本は初めて読みますが、怖面白いですね!
    ドキドキしながらページをめくりました
    作者が聞いた話を小説化するという
    話の進め方でしたが、4作終わって最後の5作目
    読者に
    あなたも聞きましたよね・・・
    的な含みを持たせた感じでしょうか

    怖いですねぇ・・
    そして上手い!
    あずまや しばらく入れないな・・

  • 著者が聞いた話と体験した話というメタフィクションなホラー短編集。
    ”何か”がじわじわと迫ってきて怖い、という話が多いが、「予告画」はちょっと変わった趣向で面白かった。作中で言及された『原色子どもの絵診断事典』などの本は実在なので、ちょっと読んでみたい。

  • 作者が他人から聞いた話を小説化したという形式の怪異譚集。恐ろしい“何か”に襲われる恐怖。最後の表題作『逢魔宿り』の中には、同じ作者の『ついてくるもの』に収録されている『八幡藪知らず』に関係すると思われる話も語られたので、更に怖い印象を受けた。関係の無い様に感じる短編が、最後に一つにつながり、さらなる恐怖を齎す、最恐の連作短編集。

  • 怖かった~

  • 実話なのかフィクションなのか、いつもこの微妙な具合がたまらない。
    蒐集した怪異譚の短編集。「予告画」が面白かった。

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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