- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041087510
作品紹介・あらすじ
68万人を超える入場者数。最長3時間半待ちの大行列。
記録破りの大ヒットとなった美術展「怖い絵」展。
いったい何が、そこまで人々を「恐怖」に駆り立てたのか?
名画に隠された物語・背景・人間の闇を、当該監修を務めた中野京子が
再び、深く濃く解説!
社会現象を巻き起こした、異色の美術展の「恐怖」と「興奮」がよみがえる!
感想・レビュー・書評
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2017年に兵庫と上野で「怖い絵展」が開催されました。
表紙はその「顔」となったドラローシュ作『レディ・ジェーン・グレイの処刑』。
〈極悪非道のわたし(中野京子さん)は、「ジェーンが来ないなら『怖い絵』展はやらない」と告げ、追いつめられた藤本さん(怖い絵展の提案者)は、もし借りられなかったら霧のロンドンに失踪しようと思ったという〉
数々の奇跡がおこり、また苦難を乗り越え、ジェーンは来日しました。
そして怖い絵展は大成功となりました。
え?私?
行きませんでした…。
中野京子さんの本はすでに32冊読みました。
そのうち「怖い絵」と表紙に書かれているものは8冊。
実は中野京子さんの本を読んで
ヨーロッパの美術館に行きたくなりました。
大決心して生まれて初めてパスポートを作り
長期休暇をとり数回渡欧したのです。
オーストリア、イタリア、フランス、スペイン。
すごく感動しました。
中野京子さんのおかげです。
でもそうしたら、「一点豪華主義で超満員でゆっくり見られない日本の美術館」に行くのが嫌になってしまったのです。
こういうこと言うと皆に嫌われそうですよね。
中野京子さんのせいです。
この本を読んで、とても面白かったので
「やっぱり、頑張って行けばよかったなあ」
と後悔しているところです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
学生の時に「怖い絵」を読んで大層面白かった記憶がある。その後ちゃんとシリーズを読み進めていれば、2017年の展覧会にも行けたかも…。この人の書き方は、時代に翻弄されて酷い目にあった女性に同情的で、こちらも共感しやすい。
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憐憫をもって美化し書き止められた絵が怖い。
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「怖い絵」展に行けなかったため読んでみた。
中野信子さんの著書を読んだのは本作が初めてだったが、
非常に読みやすく、構成も面白く、すっかりファンになりました。 -
絵の見方の勉強になります!
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2017年開催の「怖い絵」展に展示された作品をより詳しく解説する。見た人は図録を読みたくなるし、見てない人も楽しめる。
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巻頭、アドルフ・モッサ『彼女(エル)』に目を奪われる。ファム・ファタル主眼の画集に外せない名画。モッサが21世紀日本に生まれていたら pixiv 人気絵師になっていたに違いない。
「怖い絵」というのはアプリオリもしくはアポステリオリに恐怖を訴える絵を指すのだろう。「エレベーターが開いたら怪物がいた」ではなく「エレベーターで乗り合わせた婦人がずーっと後ろを向いたまま振り返らない」という。
巻末「『怖い絵』展のできるまで」も興味深い内容だった。混雑する中、人の肩越しに絵画を鑑賞するのは御免だが、音声ガイドだけでも聴きたかった。 -
絵は一瞬で見終わるかもしれないけど、じっくり細部まで見ることで読み解く面白さが絵にはある。
本書は絵を見る中での読み解きの興味深さや必ずしも1つではない作者や絵の登場人物の意図を「怖い」という観点から分かりやすく伝えてくれる。
ぜひ本物を見てその意味するところを自分でも探ってみたいところ。 -
観に行ったのが懐かしく、『レディ・ジェーン・グレイの処刑』の迫力が忘れられず…また展覧会やってほしいと願う
モッサ、ホガースも印象的だったのでこれみた!と思い出したり
展覧会が出来るまでの紆余曲折を書かれたあとがき、本当に開催まで苦労されたのだろうけれど軽妙な語り口なのでとても興味深く楽しく読めた -
怖い絵展いきたかったなぁ