- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041074336
作品紹介・あらすじ
妖怪が出現して暫くすると、相互監視や娯楽施設の閉鎖がはじまり、日本中が殺伐とした空気に支配されていった。「怪」関係者の一部は政府によって捕らえられてしまう。妖怪関係者は奪還を試みるが……。
感想・レビュー・書評
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基本的には実名妖怪馬鹿小説なので、素直に「ああ、こんな
人が出てる〜」とか「このキャラクターまで出すのか!」と
わいわい楽しむも良し。京極夏彦らしい蘊蓄や「怪」界隈の
あれこれを堪能するも良し。期待を裏切らない楽しい作品に
仕上がっている。
ただ最後の結末がちょっと不親切だなぁと感じるところと
発端の発端が何だったのかよくわからない点が少し残念。
途中日本がどんどんすさんでいく様が今のコロナ禍の世界を
写し取っているようで妙に悲しい気持ちになった。京極は
予言者だとは言わないが、こんな時期でなければ手放しで
馬鹿をもっと素直に楽しむことができたのになぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
富士山麓にて、妖怪と創作者達を討伐せんと戦争が起きる。
諸悪の根源はダイモンであり、人間から余裕を奪わんがために妖怪を否定していたのだと見定め、作家達は呼ぶ子石を使ってなんでもありの百鬼夜行を繰り広げる。
かくして魔人・加藤保憲の悪事は防がれ、国家転覆は免れるが、その先には思わぬ結末が待ち受けていた……。
登場人物が多いこともあり、とにかく賑やかだった。正に百鬼夜行。
レオ☆若葉と榎木津平太郎もさることながら、平山夢明氏のキャラが濃すぎて、この人もまた妖怪の範疇に入りそうな気がしてしまう。 -
邪神様の姿かたちがいまいち想像できなかったので、表紙で「おおー」と思いました。こんなでろでろしたものが、頭に乗ってるとかないわー(笑)。
平太郎が礼二郎の親戚なんだろうなーと、出てきたときに分かっていたのにもかかわらず、フィクションだと気づけない間抜けさでした。あれだけ、現実を出されていたにも関わらず、最後まで違和感を覚えなかったです。
京極さんが、どれだけ水木先生を偉大に思って愛しているのかが分かりました。 -
いやー、単純な感想ではあるけれどおもしろかった!!
京極作品では、あまりない事なんどけど電車の中で不覚にも吹き出してしまうという・・・。
でも、妖怪に隠された社会人風刺には考えなければいけないことがたくさんあります。