霧笛荘夜話 新装版 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 260
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041063194

作品紹介・あらすじ

とある港町、運河のほとりの古アパート「霧笛荘」。誰もが初めは不幸に追い立てられ、行き場を失ってここにたどり着く。だが、霧笛荘での暮らしの中で、住人たちはそれぞれに人生の真実に気付き始める――。

感想・レビュー・書評

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  • 2008年くらい?に文庫版で読んだ。
    とても雰囲気がある。
    やむにやまれぬ事情で、もしくは自ら進んで、ドロップアウトした人生を、舞台設定である霧笛荘の古いステンドグラスと港の人の多さと縁の薄さみたいなものが綺麗に装飾してくれてる。

  • 最後の話がとても良い。
    地上げ屋にも動かされないちょっと変わった人の住む霧笛荘の住人の話。
    どれもありそうで、人生どこでどうなるか分からないと思わせる。
    多分、人から500万で簡単に動くと思われていたのに、みんな誰一人として首を振らなかった。
    そんな住まい、今もあったらステキだろうな。

  • 住人それぞれの話は哀しくて読み始めたこと後悔したけど、良かった締めの話が明るくしてくれた。でも、明るい時期に時間が戻って終わってるんだけどね。

  • 港にほど近い場所に建つ霧笛荘。老婆大家が語るかつて各部屋に住んでいた住人たちの物語短編集。

  • 軽い浅田次郎もいいね。
    胸いっぱいになったり、涙が溢れることはないが、ダメな人間たちが、本当の人間の幸せに気づいているというのは、そうなんだろうと思う。

  • 霧笛荘は港町の運河のほとりにあるおんぼろアパート。
    部屋数が6つ、半地下・中2階という不思議な構造で
    保証人も敷金礼金も不要。
    纏足の老女・太太が大家。
    人生に行き詰った過去に曰くのある人たちが住んでいる。

    最初の1話だけなら?「(ーヘー;)ん…って思ったけど
    続けて読むうちになんか切ないって言うか哀しいって言うか…
    部屋の数だけ人生色々だね。
    傍から見ればどん詰まりの人生に見えるけど、
    その人じゃないと分からないモノや優しさがある。
    不器用だけど自分に正直なアパートの住人たちの連作短編。

  • 読んでるうちにいつの時の話をしているのかふとわからなくなり、眉子が死んでからの話のはずなのに地上げの時はまだ生きている。物語の初めから眉子とカオルになるまでが何だか雰囲気が違い過ぎてびっくりでした。

  • 相変わらずの浅田節。
    マジで号泣。ダメだなぁ。
    浅田さんって、人間の良いところにもダメなところにも等しく光をあてて、「ダメなところも長所になるからね」って言ってくれてる気がして。
    たぶんそこがツボなんだろうなぁ。

    今の世の中、ダメなものはダメで徹底的につぶしにかかる風潮だけど、浅田作品は救いになります。
    そして只のお涙頂戴ストーリーにしないところも大好き。
    ハッピーエンドっぽいバッドエンドなところとか。
    要はツボなんですきっと。

  • 部屋の数だけ物語があり、それぞれが泣かせるね~。
    最後の方が俗っぽい感じがしたね。

  • 1回読んでたわー。
    やーらーれーたー。

    「新装版」て見たときにムム・・・って思ったんだよな。
    でも、まさか、と。
    おそるべし「新装版」マジック。

    しかも、半分ぐらい読んで気づくという。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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