杜子春 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061763

作品紹介・あらすじ

人間らしさを問う「杜子春」、梅毒に冒された15歳の南京の娼婦を描く「南京の基督」他、姉妹と従兄の三角関係を叙情とともに描く「秋」など、大正9年の作品計17編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 全体を通して見てみると、最初にお金持ちになって落ちぶれたのも、二度目の凋落も、地獄でのいたぶられにしても彼の体験した全てがマヤカシで全部あの仙人様の手の上で起こっている事のように思えて来ますね。人としての本当の幸せとか、人生における生きる目的ってことを教えようとしているのかな…面白かったけど、やたら金銭を与える仙人の目的って何?人を誑かして何やってんだいって笑笑

  • 杜子春
    お金がなくなれば離れていってしまう人たち。そんな虚しさはいつの時代でもあると思います。
    大切なものに気付いた杜子春の最後の決断、すごく良かったです。

  • 大正の”世にも奇妙な物語”ですね。
    中国の原作と最後ののテイストを変えてるらしく、”人の心”を大事にした芥川版、とても良いです

  • 表題作をなんとなく読みたくなって朝の4:30から起きて読んだ。感動した。何度でも感動できる話なのだった。

  • 金や権力に群がる薄情者と親子愛の対比が残酷。
    辛い時、どん底な気分な時に寄り添ってくれる人を大事にしたいし、そういう人になりたいです。

  • お母さん大事。

  • 収録作品は、『秋』『黒衣聖母』『或敵討の話』『女』『素戔嗚命』『老いたる素戔嗚命』『南京の基督』『杜子春』『捨児』『影』『お律と子等と』『沼』『寒山拾得』『東洋の秋』『一つの作が出来上るまで』『文章と言葉と』『漢文漢詩の面白味』
    また最後には同時代人の批評も載っている。

    『素戔嗚命』は長いせいか、よく覚えている。正直、素戔嗚命に感情移入はできなかった。というか性格が悪いと思った。特に娘と娘の彼氏に対して。

    『南京の基督』では、名状しがたい気持ち悪さを感じた。良さが分からなかった。

    『杜子春』はある程度話は知っていたが、読んでみても面白かった。人間の真理をついているように感じた。

  • 教科書以外で初めて芥川を読んだ。なんとなくとっつきづらい印象があったのだけど、案外面白い。

  • 表題作「杜子春」は幼い頃に読んだ記憶はありますが、今読むとより胸にくるものがありました。子供のころより、両親の死を近く感じるからかもしれません。

    他の話で印象的だったのは「南京の基督」と「影」。あとは随筆も楽しく読みました。

    「南京の基督」は娼婦、娼館が題材なわりにさすが芥川!と言わざるを得ない美しい文章で感嘆しました。夢物語のようで背景には暗澹たる現実が広がっている、でもそれに娼婦は気づくことなく朗らかに笑っているその対比がよかったです。

    「影」が印象に残ったのは、私自身が乱歩が好きで、ミステリ小説に惹かれたからです。
    ミステリとしては、あまり出来がいいとは言えないかもしれませんが…芥川が書くミステリという新鮮さがよかったです。

  • 南京の基督
    幸せとはなんなのか
    杜子春
    流石としか言いようがない

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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