君を描けば嘘になる

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053850

作品紹介・あらすじ

瀧本灯子には絵しかなかった。
小学一年生で美術教室に通い始めてからは、
寝食も忘れてアトリエで感情の赴くまま創作に打ち込む毎日。
そんな彼女の世界に南條遥都という少年が現れた。
自分にはない技術を持つ遥都を認め、
次第に彼にだけは心を開きはじめる。
しかし嵐の夜、美大生になった二人のいるアトリエを土砂崩れが襲い――。

妬む人、託す人、助ける人、ともに歩む人。
二人の若き天才を取り巻く喜びと絶望を描いた、
恋愛小説の名手による新時代の愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 絵画の世界、芸術の世界は、大変だなぁ。
    とは言え、それはどの分野でも言えることなんでしょうが、才能と技術と努力と、そしてそれを活かすタイミング、人との出会いが大事だなあ。

    右手を失わなければならなかったのか。
    でも自分の大切なものや人、世界とのかかわり方に目覚めた灯子。遥都の灯子への愛。才能に溢れた2人の話と思いきや、プロローグと4部構成、エピローグ、2人の画家を取り巻く人たちの視点で描かれていた。
    予想の作展開になったので、ちょっと物足りないかなぁって言う感じでした。芸術の秋、絵画教室に興味を持ちますね。

  • 本男さんおススメの恋愛読めなくても読めるよ恋愛本。

    これは恋愛本だったのか!?

    っていう感想でした。笑笑
    いや、面白いような面白くないような。
    なんだかなんだろうな、恋愛オチみたいな。
    え!なに!?恋愛だったの!?この過程!?
    みたいな。

    恋愛のあのドキドキ、ツンデレ、すれ違い、焦らしみたいなの全部すっ飛んで、ラストの恋愛オチ。みたいな感じ。

    そうだね、恋愛読めない人でも読めるなこれは。

    だって、最後まで恋愛してたの!?この人たち!?っていうレベルだったからね。

    そう言う意味では新しいけど、恋愛本の良さみたいのは丸っとない気もするし、ミステリーとも違うし、ヒューマンストーリーにも及ばずで。

    なんだかな。なんなんだかな。って本でした。

  • 自らの感性と個性が、他とまじりあわない圧倒的な天才と、より現実的な感性をそなえた努力派の秀才とのストーリーというものを描いてみたくなる気はわかる。エピソードの一つ一つはとても面白く描かれているものの、そういう一般的な物語の枠組みをこえて、作者としてどういう部分をつきつめたいのかというのはちょっと伝わらずじまいだった気がする。人物をまだ十分つかみ切れていない感じがした。

  • 綾崎さんぽいなー!でも、濃縮しようとしたのか、話自体はやや短いというか、なんか削ぎ落としきった感じもあって、もう少しもの足りんかったような?
    でも、さすがでさらさら読めたわなー

  • 設定や名前がいかにもライトノベル臭くて、ましてやタイトルがこんな感じでは、それこそ正真正銘のライトノベルだろうと思っていたところ、「筆致力のあるライトノベル」みたいな印象だった。ライトノベルの定義はよく分からないけど。ただ、美術
    特に絵画に疎い自分にも分かる程度に専門的に書かれており、恋愛の経緯についてはどうでも良いものの、それぞれの人生の波乱万丈さはなかなか読んでいて面白かった。おそらく最終的なメインは二人の恋模様なのだろうが、ラストが軽薄。そこを補ってあまりある過程ですが。

  • ちょっとちょっと、綾崎さんこれはずるくない?
    こんなの書いちゃうのずるくない!!

    ラストまで読んでタイトル(表紙)見ると、震えるんですけど!!

    遥都よ、きみは、9歳で人生の青写真描いちゃったのかよ。すごい強烈な愛情。

    天才がひとり登場する物語は数多くあるけれど、ふたり登場するものは多くない。
    しかもこんな形で愛を育むふたりの天才なんて見たこともない。遥都のわかりにくい愛情も、灯子の真っ直ぐ過ぎて誰もついてこれない愛も、見たことがない。でもこれって間違いなく愛の物語ですよ。

    灯子の「いつだって遥都は正しいから、私は考えなくていい」ってスタンスに目から鱗でした。信頼という言葉をこんな風に表現できるものなのか、と。
    灯子みたいな女の子はたぶん女性には描けない。綾崎さんだから描ける女の子だなぁ。

    彼女が大事なものを失ったときだって、彼はなにひとつ諦めてないし、それどころか新しいこと始めてるし、それすらひた隠しにするし、ほんと器用なくせにそこだけ究極の不器用かよ!とひとりツッコミをいれてしまったよ。

    そして個人的にはミュシャが大好きで、17年4月に六本木にミュシャ展を観に行っていたので、そうか、あの場所に実嘉先生も灯子も居たのかと思うとなんだか妙にハートにきてしまって、泣けてしまう。
    あのスラブ叙事詩を、同じものを見れてよかった。

    ふたりの未来が明るいものでありますように。
    なんて心配も杞憂かな。だって無敵の遥都がいるんだし、あいつなんだってどうにかするよな、きっと!笑

  • 天才的な内容。一筋縄ではいかない。

  • ラストまで読むと想像以上に愛が重たくて頭を抱えてしまった。
    妹のキャラの掘り下げは意外と悪なく感じた

  • 「第一部 関根実嘉の貫くも残酷な終生」
    神童が凡人になる時。
    どれだけ凄いと言われようと小さな空間に留まっている限り、井の中の蛙状態であり世界に出た時初めて自分の無力差を知るのだろうな。
    彼女は自分を責めていたが、アトリエに居たのは本人達の責任でもあるからな。

    「第二部 南篠梢の曖昧で凡庸は恋物語」
    災害により失われた宝。
    何を考えているか相手に悟らせない彼は、どれだけ自分を殺し心の中を覗かせない様に生きてきたのか考えただけで苦しくなるな。
    当初アトリエに来た時よりも、彼女は人と関わる事に対して大きく成長したな。

    「第三部 高垣恵介の不合理で不名誉な冒険」
    自分より弱者の元でなら。
    彼の考え方も分からなくないが、ただその相手として選んだのが病人というのは何処か間違っているように感じたが弱者なりの戦い方なのかもな。
    彼は彼女に対し何を思っているのか全く理解出来ないが、何か思う事があるからこそ突き放したのだろうな。

    「第四部 ある恋のない愛の物語」
    失ってから当たり前に気付く。
    五体満足で自由だったからこそ描けた絵ではあったが、あの時の審査員の方の言葉はあながち間違いでは無くあの頃の彼女を言い当てていたのかもしれないな。
    突き放す様な態度ばかりとる彼だったが、全ては彼女を知っているからこその言動だったのかもしれないな。

  • アトリエ講師の関根美嘉を中心に、絵を描くことに魅せられた人々が織りなす物語。

    どんな物語かな、ミステリーかな、と読んでいたけれど、意外と恋愛もの。けっこう難しい感じ。

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著者プロフィール

2009年に第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)でデビュー。「花鳥風月」シリーズ、「ノーブルチルドレン」シリーズなど、メディアワークス文庫にて人気シリーズを多数刊行するほか「命の後で咲いた花」などの単行本も刊行。講談社タイガでも「君と時計と」シリーズ(全4巻)を刊行。恋愛青春小説の書き手として10代20代女性読者から多くの支持を集めている。

「2021年 『セレストブルーの誓約 市条高校サッカー部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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