- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041053850
作品紹介・あらすじ
瀧本灯子には絵しかなかった。
小学一年生で美術教室に通い始めてからは、
寝食も忘れてアトリエで感情の赴くまま創作に打ち込む毎日。
そんな彼女の世界に南條遥都という少年が現れた。
自分にはない技術を持つ遥都を認め、
次第に彼にだけは心を開きはじめる。
しかし嵐の夜、美大生になった二人のいるアトリエを土砂崩れが襲い――。
妬む人、託す人、助ける人、ともに歩む人。
二人の若き天才を取り巻く喜びと絶望を描いた、
恋愛小説の名手による新時代の愛の物語。
感想・レビュー・書評
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本男さんおススメの恋愛読めなくても読めるよ恋愛本。
これは恋愛本だったのか!?
っていう感想でした。笑笑
いや、面白いような面白くないような。
なんだかなんだろうな、恋愛オチみたいな。
え!なに!?恋愛だったの!?この過程!?
みたいな。
恋愛のあのドキドキ、ツンデレ、すれ違い、焦らしみたいなの全部すっ飛んで、ラストの恋愛オチ。みたいな感じ。
そうだね、恋愛読めない人でも読めるなこれは。
だって、最後まで恋愛してたの!?この人たち!?っていうレベルだったからね。
そう言う意味では新しいけど、恋愛本の良さみたいのは丸っとない気もするし、ミステリーとも違うし、ヒューマンストーリーにも及ばずで。
なんだかな。なんなんだかな。って本でした。 -
自らの感性と個性が、他とまじりあわない圧倒的な天才と、より現実的な感性をそなえた努力派の秀才とのストーリーというものを描いてみたくなる気はわかる。エピソードの一つ一つはとても面白く描かれているものの、そういう一般的な物語の枠組みをこえて、作者としてどういう部分をつきつめたいのかというのはちょっと伝わらずじまいだった気がする。人物をまだ十分つかみ切れていない感じがした。
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綾崎さんぽいなー!でも、濃縮しようとしたのか、話自体はやや短いというか、なんか削ぎ落としきった感じもあって、もう少しもの足りんかったような?
でも、さすがでさらさら読めたわなー -
設定や名前がいかにもライトノベル臭くて、ましてやタイトルがこんな感じでは、それこそ正真正銘のライトノベルだろうと思っていたところ、「筆致力のあるライトノベル」みたいな印象だった。ライトノベルの定義はよく分からないけど。ただ、美術
特に絵画に疎い自分にも分かる程度に専門的に書かれており、恋愛の経緯についてはどうでも良いものの、それぞれの人生の波乱万丈さはなかなか読んでいて面白かった。おそらく最終的なメインは二人の恋模様なのだろうが、ラストが軽薄。そこを補ってあまりある過程ですが。 -
天才的な内容。一筋縄ではいかない。
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ラストまで読むと想像以上に愛が重たくて頭を抱えてしまった。
妹のキャラの掘り下げは意外と悪なく感じた -
「第一部 関根実嘉の貫くも残酷な終生」
神童が凡人になる時。
どれだけ凄いと言われようと小さな空間に留まっている限り、井の中の蛙状態であり世界に出た時初めて自分の無力差を知るのだろうな。
彼女は自分を責めていたが、アトリエに居たのは本人達の責任でもあるからな。
「第二部 南篠梢の曖昧で凡庸は恋物語」
災害により失われた宝。
何を考えているか相手に悟らせない彼は、どれだけ自分を殺し心の中を覗かせない様に生きてきたのか考えただけで苦しくなるな。
当初アトリエに来た時よりも、彼女は人と関わる事に対して大きく成長したな。
「第三部 高垣恵介の不合理で不名誉な冒険」
自分より弱者の元でなら。
彼の考え方も分からなくないが、ただその相手として選んだのが病人というのは何処か間違っているように感じたが弱者なりの戦い方なのかもな。
彼は彼女に対し何を思っているのか全く理解出来ないが、何か思う事があるからこそ突き放したのだろうな。
「第四部 ある恋のない愛の物語」
失ってから当たり前に気付く。
五体満足で自由だったからこそ描けた絵ではあったが、あの時の審査員の方の言葉はあながち間違いでは無くあの頃の彼女を言い当てていたのかもしれないな。
突き放す様な態度ばかりとる彼だったが、全ては彼女を知っているからこその言動だったのかもしれないな。 -
アトリエ講師の関根美嘉を中心に、絵を描くことに魅せられた人々が織りなす物語。
どんな物語かな、ミステリーかな、と読んでいたけれど、意外と恋愛もの。けっこう難しい感じ。