- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041053621
作品紹介・あらすじ
「人間が自分で生み出すものは、何ひとつない――ひとつの意見でさえも、ひとつの考えでさえも、生み出すことはできないのだ」
人間は機械であると主張する老人と、人間の良心を信じる若者。
自己犠牲や母の愛などを例にあげて反駁する若者に、老人は人間の行動はすべて自己満足の結果に過ぎないと巧みな説話で導いてゆく。
アメリカ文学の巨匠トウェインならではのユーモアと鋭い洞察で人間の真理を暴く、最晩年の傑作。
解説・金原瑞人
感想・レビュー・書評
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自分の直感と合ってた
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本編も面白いが、訳者あとがきにドキッとさせられた。『反応しない練習』(草薙龍瞬)を思い出しながら読んだ。
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明治維新以降濃厚な関係を持つようになった米国
この米国と古くからの関係国中国との関係で憎らしいほど複雑化した、第二次世界大戦。僕の時代認識は最近の事象含みで嫌悪米国へと及ぶ、そのような時節に本書と出会い心が解き解された◎米国は政府と人民をある程度分離して考える必要がある。と。そのような書き出しで始めた本書感想は、濃厚な禅問答と良質な瞑想レクチャーを受けたかのような内容により一層のトゥエイン作品への興味関心を引き立てた。と言うものである。訳者大久保博氏、解説金原瑞人氏に感謝◎ -
あらゆる価値観、なにより人間の存在や尊厳に対する挑戦的な主張が展開される。
「人間はただの機械である」
鋭い洞察により人間の真理を悲観的に捉えているけれど、きっとトウェインが人間に希望をもっていたからこその結論なんだろうな…。