或阿呆の一生,侏儒の言葉 (角川文庫 緑 33-10)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041033104

感想・レビュー・書評

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  • 芥川の晩年の短編集。短いセンテンスの中に研ぎ澄まされた緊張感を湛えるこの作家の真骨頂。高校生以来何度も読み返してきた本。特に『歯車』における、主人公の感じる不安感は、そのままパロディーとして自分の文章に使わせてもらっている

  • 大学に落ちて浪人中に「歯車」を読んで、ぞっとした覚えがある。
    当時は読んでいると芥川が抱えていた不安のようなものを追体験するような感じになり、だいぶ心を揺さぶられるような感じがあった。

  • 『侏儒の言葉』、何度読んでも飽きない。

  • 300
    昭和二年七月二四日、芥川は自宅で致死量の睡眠薬を仰ぎ、三五年の生涯をおえた。本巻収録の「或阿呆の一生」「歯車」等はいずれもその遺稿。自らの末期を意識した凄絶な心象と病的に研ぎ澄まされた神経は、一種異様な美を生んで読者の心を打つ。ほかに遺書「或旧友へ送る手記」最後の評論「西方の人」箴言集「侏儒の言葉」等を収録。
    たね子の憂鬱・古千屋・冬・手紙・三つの窓・歯車・闇中問答・夢・或阿呆の一生・本所両国・機関車を見ながら・凶・鵠沼雑記・或旧友へ送る手記・侏儒の言葉・十本の針・西方の人・続西方の人

  • 芥川の死の直前に書かれた未発表作品や遺書の一部が収録されている。しかしながら全体的に力がない。死を覚悟した人間の書いた物とは思えなかった。同じ様な心境で書かれたであろう太宰治の「人間失格」などは、読んでいて死や生に対する恐ろしいほどの思いを感じたが、この芥川の文章からは、全くそう言った物が感じられなかった。元から力強い作風では無いが、なんと言うか文章が腐抜けている。読んでいて女々しい感じがした。加えて文章としても物語としても、けして面白くはない。まるで抜け殻の様に思った。これが、あの芥川龍之介の作品か? 結果、斜め読みで終わらせてしまった。
    読後、少し調べてみたが、遺書の中に「唯ぼんやりした不安」と言う理由が書かれていたらしい。まさにその通りの内容だった様に思う。

  • 中2の時ちょーハマった
    わたしの人格の4割はこの本でできてる

  • 「侏儒の言葉」が好きだ。世界をナナメに見る視点が身に付くように思う。唯一の欠点は「ナナメになったきり元に戻らない」ということだが、それもまた一興か。

  • 晩年、芥川、狂気、天才

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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