サリン事件死刑囚 中川智正との対話

  • KADOKAWA
3.96
  • (16)
  • (17)
  • (13)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 228
感想 : 25
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029701

作品紹介・あらすじ

松本サリン事件・東京地下鉄サリン事件では日本の警察に協力し、事件解明のきっかけを作った世界的毒物学者。
彼は事件の中心人物で、2018年7月に死刑となった中川智正と15回に及ぶ面会を重ね、その事件の全容を明らかにした。
中川氏との約束に基づき、このたび緊急刊行。

第1章 サリン事件解決に協力する
第2章 オウムのテロへの道のり
第3章 中川死刑囚との面会
第4章 中川死刑囚の獄中での生活
第5章 オウムの生物兵器の責任者、遠藤誠一
第6章 オウムの化学兵器の中心人物、土谷正実
第7章 麻原の主治医、中川智正
第8章 3人の逃走犯
第9章 中川死刑囚が語るオウム信者の人物像
第10章 上九一色村とサリン被害者の現在
第11章 オウム事件から学ぶ、将来への備え
第12章 中川氏最後のアクティビティ

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 7月にオウム死刑囚13人の死刑が執行されました。
    この本は、そのうちの一人中川智正と文通および15回の面会をおこなったアンソニー・トゥー教授が書いたもの。
    教授は毒性学および生物兵器・化学兵器の専門家で、サリン事件の解決に貢献したと同時に、じつは皮肉にもVX製造のヒントも与えてしまった人。
    でも、わかりやすく、とても面白い本。

    〈マインドコントロールは実に恐ろしいものだとつくづく思った。
    医大を卒業した優秀な青年が、高校しか出ていない麻原になぜひざまずくようになったのか、私は不思議に思った。
    優秀で前途有望だった若者が、麻原に会ったために罪を犯し、死刑にならざるをえなくなったことは悲劇である。〉
    〈彼(サリンを製造した土谷)の入信に反対した両親は土谷を監禁して、オウムとの関係を断ち切ろうとした。
    しかしそれを察知したオウムは監禁された土谷を取り戻した。〉
    〈土谷は両親との関係が悪く面会はなかった。
    オウム真理教家族の会の会長である永岡弘行氏が土谷に面会したとき、土谷は今までのことを後悔している、両親にも会いたいと話した。
    永岡氏のご夫人がその旨を土谷の母に伝えたが、母親は会いたくないと言ったそうである。
    (土谷は)昔からの知り合いの大石氏とは面会も文通もあった。
    大石氏との文通は全部で230通にも達した。
    同じことを土谷は大石氏に話したが、土谷の母はやはり会わないと言ったそうである。
    胸の痛む話である。〉

    もともと悪いのは麻原一人であって、他の人たちはマインドコントロールされているだけだと私は思っています。
    ヨガをやりたくて入っただけなのに、加害者になってしまった彼ら。
    被害にあわれたかたたちと同じ位にかわいそうに思ってしまう私です。

    でも、ほんとうにどうしてここまで暴走してしまったのでしょう?
    それはこの本だけでなくいろいろ読んでみないとわからないのでしょうね。

    ただ、土谷の親の件では、たとえ勘当したのであっても、会ってあげられなかったのかなと。
    彼の土台をつくったのは親なのだから、彼だけを責めるのはおかしいのではないか。
    最近「三田佳子さんの息子さんが4度目の逮捕」というニュースが流れていますが、「もう大人なんだから親は関係ない」とはとても言えないと私は思うのです。

    〈私は時々日本の弁護士から相談を受けることがある。
    今までにサリン事件、VX事件、和歌山のヒ素カレー事件、京都の連続青酸(シアン)殺人事件、帝銀事件などで多くの弁護士と会う機会があった。
    その都度、私は麻原の裁判について彼らの意見をも聞いたりした。
    日本の国民は皆麻原は悪い奴だ、早く死刑にしろというが、弁護士達の意見は必ずしもそうではなかった。
    彼らの意見をまとめてみるとこうなる。
    「政府は早く死刑判決にしたいので一審で技術的な点を利用してさっさと死刑判決にしてしまった。
    麻原に十分な弁護の機会を与えていない。
    オウムの被告はみな自分の刑を軽くしてもらいたいので、全ては麻原や村井の命令でしたと言っている。村井は殺されてしまったので、死人に口なしで多くの被告はみな村井の責任にしている」〉

    ここ、大変驚きました!
    どうしたらこんな考え方ができるのか?!
    誰か、私にわかりやすく説明してください。

    〈中川氏が言うように、死刑と無期の間に明確な線引きはない。罪状、裁判官、検事、証拠、本人の話し方の上手下手、弁護士の能力、そして大事な要素は「運」であると思う。〉

    今後自分が、こういう問題にぜったいに関わらないとは断定できないので、記録しておきました。

  • 地下鉄サリン事件は何より衝撃的だった。日本人の記憶に共有された事件として、誰もがあのときに自分はどういうことをしていたと語り合うことができるほど、大きく日本現代史に刻まれている。
    そして事件発生後20年以上経った2018年7月、オウム真理教教祖麻原彰晃を含む13人の死刑が執行された。本書の主役である中川智正もその一人であった。ここに書かれている内容の一部は、彼の死刑後であれば公開してもよいとされたものであり、皮肉なことに望まない彼の死刑執行が本書刊行のきっかけとなったのである。

    著者アンソニー・トゥー(杜祖建)は、毒物専門の化学者であり、サリン検出の方法を警察に伝えるなど、オウム事件の捜査に科学知識面で大いに協力した人物である。米国のコロラド州立大学の教授であるが、日本語にも堪能であったことから、それまでどこにも知見がなかった化学兵器を使った未曾有のテロの捜査において非常に重要な役割を果たした。その調査の過程で、著者は、麻原の主治医とも呼ばれた獄中の中川氏と親交を持つこととなった。本書は、著者と中川氏との手紙・メールでのやりとり、面会時の会話を元に、あの事件を振り返ったものである。親族以外でオウムの死刑囚に定期的に面会を行うことができたのは数少なく、本書はその貴重な情報をもとに生まれたものである。

    中川氏は、医者でありながら、化学知識にも造詣が深く、またオウムの組織にも精通していた。中川氏との会話の中には、化学兵器・生物兵器の製造に関する調査のためもあったのだろうが、遠藤、土谷、村井、井上、青山、などの重要な関係者の役割や評価が語られる。その内容はとても興味深く、もう20年以上前のオウムサリン事件の背景で何が起こっていたかがよくわかるのである。

    オウム真理教団は、サリンだけではなく、ボツリヌス菌、炭疽菌、VXガス、ソマン、タブン、マスタードガス、ホスゲン、シアンガス、など使えそうな毒物は何でも作ろうとしていた。しかし、人を殺すための道具である化学兵器を宗教施設内で生産するという行為を悪びれることなく営々と行っていたのは改めて驚く。その判断が宗教組織の中でどのようになされて実行されていたのかが気になる。しかし、本書ではその点については深く掘り下げられることはない。というよりも著者と中川氏との対話の中では、その点については語られることはなかったのかもしれず、それは中川氏自身にもわからないことだったのかもしれない。

    著者が評価するように中川氏は良い人で、聡明である。学生時代の周りの評価も高かった。自分の犯した行為についても反省している。ただ、そこには心の葛藤らしきものがほとんど見られない。それは、彼らが化学兵器を作っていたときもそうだし、それを実際に使うときもそうであった。人は、そして著者も、あんなに良い人がなぜオウム真理教に入信して、あんな事件を起こしてしまったのかと言う。しかし、逆に実直で良い人でなければ、あのような行為には至らなかったであろうと改めて思う。また、著者は高学歴の信者がなぜ高卒の麻原に帰依したのかという疑問を呈しているが、それは高学歴であったからこそ帰依をしたと言うべきなのである。日本の教育システムにおいて高学歴であることは、教師の指示にはその理由を問うことなくまず従うことができる素養があるということを示すものである。そのような思考回路が、いわゆるよい大学に入るために試験でよい点数を取るためには有利に働くのである。もしくは、教育システムがそのような素養をもつ人を育てるのだと言ってもいいかと思う。もちろん、単純化しすぎた論理であり、たとえそれがオウム真理教に多くの高学歴の人物が入信した理由であったとしても一面に過ぎない。しかし、仮に日本人が全体として馴致されやすい集団だとすれば、それは国民的な一様性とともに、教育システムにも一因があると言ってもよいだろう。それは、オウム事件に深い根を下ろした課題にも改めて思える。

    先に書いたように、中川氏にはあるべきであった躊躇いを少なくとも本書の記述の中からは感じ取ることができなかった。そしてオウム真理教が、集団としてサリンを実際に使うにあたってあまりにも躊躇いが見えないことに違和感を覚える。その行為の要請が宗教的な試練であり、結果としての死はその人にとっての救いですらあるという考えに囚われていたのだとは言える。だとしたしても、そのことは理解の範囲を超えてしまっていると言う方が正しい感覚だろう。もし、中川氏をはじめとした信者にその躊躇いと迷いがないことが麻原や教義への心理的依存であったとするならば、麻原には判断における何かの躊躇いがあったはずだ。それは中川氏もそのように感じている。

    「中川氏はたびたび私に言った。
    「麻原氏がちゃんと話してくれたらいいのですが、彼は法廷で十分話す機会がなく、やがては手続きの落ち度で刑が確定してしまった。麻原は今は言動不能で何も言えない状態になってしまった。麻原氏だけが知っていることが多く、彼でなければ真相がわからないことがたくさんあるのです」
    これは事実であろう。麻原の健康状態・心理状態では、真意を聞き出すことは不可能である。多くの謎の答えが麻原の処刑と共に永遠に消滅するであろう」

    この意味で、著者のオウムの裁判に対する評価は、結果についてはよしとするものの、そのプロセスに関して強く批判的である。少なくとも麻原の精神状態が破綻をしていて、裁判に耐えうる状態ではなく、結果としても多くの秘密が彼の死によってわからないままとなってしまった、ということに関しては残念なことだと考えている。その点に関していうと、内部から見たオウム真理教を撮った映画『A』、『A2』の監督であり著述家森達也と同じ考えである。本書の中で森達也の著書に言及している箇所があることから、おそらくはオウム真理教裁判のやり方を強烈に批判した『A3』を含むいくつかの彼の著書を読んでいるものと想像する。一方で、著者は森達也と違い、死刑執行についてはやむを得ないとの立場を取っているように思う。その原因には、被害者や検察への心理的共感もあるだろう。

    「日本の国民は皆麻原は悪い奴だ、早く死刑にしろというが、弁護士達の意見は必ずしもそうではなかった。
    彼らの意見をまとめてみるとこうなる。「政府は早く死刑判決にしたいので一審で技術的な点を利用してさっさと死刑判決にしてしまった。麻原に十分な弁護の機会を与えていない。オウムの被告はみな自分の刑を軽くしてもらいたいので、全ては麻原や村井の命令でしたと言っている。村井は殺されてしまったので、死人に口なしで多くの被告はみな村井の責任にしている」」

    と著者が書くとき、あくまでそういう意見を持つ人がいるとするのみで、そこにおいて自分の意見を表明することを差し控えている。しかし、この文章を置くことで、暗黙に自らの微妙な立場において意見を表現しているとも言える。

    この本を読むと、松本サリン事件の後に警察がもっと積極的に動いていれば、地下鉄サリン事件は防ぐことができた可能性があったことがわかる。一方で、彼らがもっと「うまく」やることができたなら、被害はさらに甚大になっていた可能性もあった。上九一色村の土壌からサリンの分解成分が検出されたことが読売新聞で報道されたことで、オウムはそれまでに製造していたサリンの大部分を廃棄したが、もしそうならずに、より多くのそしてより純度が高く危険なサリンが保存されていたら、死者や被害範囲はあの程度ではすまなかったはずだ。
    可能性はあくまで過去の可能性であり、過去はすでに変えることはできず、そして、中川氏を含めて13人の声を聞くことももうできない。
    著者はおそらくはその死刑判決を妥当であると考えながらも最後にこう書く。

    「彼の死刑執行という事実で中川という個体がこの世から消されてしまったことに対し、私は一抹の哀悼を感ずる」

    ---
    本来はここまでで、書評は終えるべきかもしれない。
    改めて内容はよかった。しかし、あまりにも同じエピソードが複数の場所で重複して使われていることが多く、本としての完成度はひどいものだというしかない。編集者・校正者はいったい何をやってるんだと言いたい。その点は非常に残念。

    例えば、VXガスの製造について、著者が「現代化学」に寄稿した記事を参考にして土谷が製造したこと、さらに中川氏が手紙でその記事がなくても最終的に自分で作ることができたであろうと伝えたこと。

    例えば、中川氏が逃亡する菊池、髙橋、平田に対して、「忠実な信者を殺すようなことをしない」と言ったことに驚いたこと。

    例えば、中川氏にサリン残留物の検出を助言したのが著者だったことを伝えて驚かれたこと。

    こういった重要なエピソードが、二度目以降に出てくるときにも、いずれもあたかもこの本の中で新しい情報として書かれているかのように書かれている。もともと本の構成として、時間軸に沿って書かれているものではないので、そういったエピソードの置き方は前後関係含めて注意をする必要があるはずだ。著者は専門の物書きではないのだから、編集者はプロフェッショナルとして校正を通した完成度の向上に責任を持って自ら自信のある本として世に出していかなくてはならない。この本の編集者からは、この本をできるだけよいものにしようとする熱意、つまりは愛、を感じることができない。ここに書かれている情報はとても貴重で、素材として面白く、広く読まれるべきものなのに。とても残念だ。

    要するに読まれるべき本のひとつ、ということ。文庫本にしたり改版する機会があれば、思い切って大幅に改版してほしい...。

  • 著者であるアンソニー・トゥー氏と中川智正元死刑囚との面会及びメールでのやり取りの記録と、そこから見えるオウム真理教幹部の役割や、サリンやVXなどの化学兵器、ボツリヌス菌や炭疽菌などの生物兵器開発の過程をまとめたもの。

    死刑囚との対話の過程(手続き的なものを含めて)や確定死刑囚の処遇等々からして初めて知ることが多かった。また、中川氏の人となりについても、初めて触れる部分が多かった。ここまで情報交換をし、その上で一連の事件の考察ができたのは、著者が中川氏を一人の人間、もしくは科学者として敬意を払い、関係を丁寧に構築したこと、その信頼に中川氏が応えてきたことが大きいように思う。

    最終章「中川氏最後のアクティビティ」では、昨年の金正男氏暗殺事件に関する論文執筆や発表について述べられている。25人の殺害に関与した(確定判決による)彼の罪は到底許されるものではないが、最後に論文という形で残したのは、一人の科学者として大きな意味を持つのではないかと思う。中川氏が願ったように、化学の知見を悪用して大きな過ちを犯す人が出ないよう、後世に語り継いでいきたい。

  • こういうものを、もっと読みたい。
    切ないけれど、読んで良かった。

  • アメリカの化学者、杜祖健(Anthony Tu/台湾出身)が元オウム真理教幹部・元死刑囚中川智正との交流を記した手記のようなもの。既知の内容も多々あり、また既述の内容が複数回述べられるなど、書籍としてはいかがなものかと思うところもあったが、興味深く、考えさせられることも多々ある本で、一気に読了してしまった。
    Tu氏は毒物の化学的な側面からオウムとその関連事件に迫り、中川智正との交流を通じて元信者たち、死刑囚の心理にまでにじり寄ろうとしている。科学者らしい、あまり情緒的な表現を使わない文体ではあるが、中川、Tu両氏の敬愛と、死別への寂寥感が伝わってくる。
    しかし、常人以上に心を通わせることができる人間が、なぜあんな殺戮に加担したのか、という疑念は大きくなる。これはたぶん、明快に説明することはたぶんできないのだろう。
    もともと死刑制度には批判的な気持ちがあるので、そのことをもう一度考え直してみる契機にもなった。

  • サリン事件に関わった医師の1人、中川死刑囚。執行されたこともあり、ようやくこの人のことを知ることができた。京都府立医大に入れたのだから秀才なのは間違いない。その人がどうして、というのは、もうひとりの医師林郁夫と並んで興味を持っていた。ただ、林郁夫は積極的な捜査協力もあって、無期懲役に減刑され、手記もまた出ているからある程度は知ることが出来てたが、中川に関しては余り知らなかった。結局麻原に帰依した部分などはよくわからなかったが、言葉の端々からは承認欲求が強かったのかなとは思ったりする。
    著者は幾度も重ねた面会の中で中川の誠実な回答に満足していたようだ。実際彼の証言はサリン製造に関係して大変興味深いし、その中で警察機構が証拠の捏造をしている(オウムがやっていたことは確実だが、証拠として掴むのは難しいためだからだろうが)ことも示唆していて、彼らが死刑になったのは致し方ないにしても、解明されるべきことは残ったままになったなとは思う。著者の最後の一文に気持ち的には救われる。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/718486

  • サリン事件確定囚にアメリカの毒物研究者である著者が、本人インタビューを通して、事件を掘り下げています。特に化学的な部分は、化学に造形がないと理解しにくいですが、確定囚の人柄がよく分かる著作です。化学者と医師で分野は異なりますが、日本語でのインタビューにより、高い学識者同士の意見交換による事件背景がよくわかる内容でした。何かが狂い、優秀な人物が犯罪に手を染めてしまった事は、とても残念に思います。

  • ふとオウム真理教のことが気になり読んでみた。化学兵器を作り出す経緯など読めて面白かった。
    優秀な人達が悪の組織で働かされ、こんな結果になり悲しいなぁ。

  • ☆3.5

    最近オウム真理教の事件や死刑囚について関心が出てきたので読みました。
    こちらは中川智正元死刑囚と毒物に関する専門家の著者の15回に渡る面会とメール等による文通によって明らかにされたオウム真理教の生物兵器や化学兵器の全貌、中川氏から見たオウム真理教幹部の印象、事件についての彼側の意見や見方等が紹介されています。
    著者は中川氏に対しては科学者としての関心が接見の理由だったこともあり、一個人として接し事件に対する心情などを詳しく問いただしたわけではありません。
    そういう意味ではこの本では彼の考えていたこと、内省や犯行時の気持ち、入信に至るまで等が詳しく分かるわけではないのですが
    医者ながら化学に関心を持ち教団内部や実際の事件にも詳しい中川氏の貴重な証言の記録ではあります。

    個人的には死刑を受け入れていた中川氏が死刑執行時にも再審請求中だったことを知り何故なのかと疑問に思っていたのですが、本書に判決文の3つの誤りを正したいと不満を持っていたとの記述からそれが理由だったのかなと腑に落ちました。

    不満は死刑執行後すぐの出版で話題性に乗りたかった為か文中にあまりにも何度も同じような内容の繰り返しが見られることです。

    2018.7.6 死刑執行
    2018.7.26 初版

全25件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

台湾名:杜祖健(と そけん)。1930年、台湾生まれ。コロラド州立大学名誉教授、元千葉科学大学教授。台湾大学を卒業後、ノートルダム大学、スタンフォード大学、エール大学で化学と生化学を学ぶ。毒性学および生物兵器・化学兵器の専門家として知られ、松本サリン事件・東京地下鉄サリン事件では日本の警察に協力し、事件解明のきっかけを作った。2009年、旭日中綬章受章。

「2020年 『毒 サリン、VX、生物兵器』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アンソニー・トゥーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
濱野 ちひろ
中村 文則
横山 秀夫
高梨 ゆき子
アンデシュ・ハン...
凪良 ゆう
スティーブン・ピ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×