颶風の王

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 354
感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041029619

作品紹介・あらすじ

馬も人も、生き続けている――。東北と北海道を舞台に、馬とかかわる数奇な運命を持つ家族の、明治から平成まで6世代の歩みを描いた感動巨編。酪農家でもある新人がおくる北の大地の物語。三浦綾子文学賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 馬、好きなんだよね〜

    「前々から読んでみたかった本は予約本が一気にきてたいへんな瞬間に手を出す病」に冒されているので今読みました

    馬好きなんだよね〜(2回目)

    女性の作家さんなんだよね
    凄い武骨な文章を書く作家さんだな〜と思いました
    もちろん自然の荒々しさと対峙し、時にどうしようもない力を前に諦めることしか出来なかった人と馬を繋ぐこの物語にぴったりな文体で非常に良かったです
    女性だからで括りたくはないんだけど、やっぱり女性が書いたと思って読むとインパクトが増すよね

    馬括りで色々探してみようかな〜

    「予約本が一気にきてたいへんな瞬間にいろいろ思いつく病」

    • ひまわりめろんさん
      うまいこと言うなー!(# ゚Д゚)ガルル
      うまいこと言うなー!(# ゚Д゚)ガルル
      2022/11/28
    • 土瓶さん
      少年……ではない。▼⁠・⁠ᴥ⁠・⁠▼
      少年……ではない。▼⁠・⁠ᴥ⁠・⁠▼
      2022/11/28
    • ひまわりめろんさん
      心は少年じゃー!(# ゚Д゚)ガルルルル

      奥さんにもしょっちゅう「子供かっ!」って怒られるわ!…(´・ω・`)ショボーン
      心は少年じゃー!(# ゚Д゚)ガルルルル

      奥さんにもしょっちゅう「子供かっ!」って怒られるわ!…(´・ω・`)ショボーン
      2022/11/28
  • いやはや凄い物語でした。
    馬と共に生き、馬に生かされた一族の物語…

    北海道開拓の過酷な描写、馬との繊細で美しい描写。
    素晴らしく悲しかったです。゚(゚´Д`゚)゚。

    花島について調べたらユルリ島に生息する馬の写真があり、写真家・岡田氏の幻想的な画像に感動しました。
    ぜひこの作品と合わせて観ていただきたいです。

  • 馬と共に命をつないだ6世代の家族の物語。人工の光や鉄の機械でもオヨバヌトコロ。北海道のスケールの大きさ、雄大な自然の厳しさを感じた。

  • 明治から平成に至るまでの、馬と運命を共に生きた、家族の歴史物語といえば、いいのだろうか。

    舞台は、一章が東北地方、二章と三章が北海道で、章を追う毎に、未来の世代へと受け継がれていく構成になっており、話の色合いも変わってくるので、飽きずに早いペースで読むことが出来た。

    作者が酪農家でもあったということで、馬の描写が事細かくて臨場感があり、頭の中で想像するのが、すごく楽しかった。馬に全く興味が無い私が、そう思えたので、これはすごいと思う。

    また、雄大だけではない、厳寒な北海道、根室の落石地方の自然描写に加え(ネットで画面検索すると、本当に綺麗な手放しの自然が見られる)、野生動物や植物の、本来持っている存在感の表現が素晴らしく、つい、人間だけで生きているように感じてしまうことの愚かさに気付かせてくれた。和子が体験したフクロウの描写が正にそれだと思うし、最後には、人間の都合で解釈するのでなく、人間と馬が対等に向き合って、真の意思を汲み取れる、そんな夢のような想いも感じられたが、あながち、出来るかもしれないと思えたくらい、文章に説得力があった。

    あと、細かいところだと、文字のフォントがよく見るものと違っており、こだわりを感じた。少し和風?

    もしかしたら、描写的に合わなくて、第一章で挫折する方もいらっしゃるかもしれませんが(残酷とも違うし、グロテスクとも違うけど、それに近い感じ。未来の家族の礎を築くという意味では重要な場面なのだが)、これが意外に、三章までくると、爽やかさすら感じられる、明るい未来を臨めるような展開になるので、できれば、最後まで読むことをお薦めしたいです。

    個人的には、世代を越えて繋がり、想いを継承していく家族の絆に、最も感動した。本来、当たり前のことなのかもしれないが。

  • 「肉弾」を先に読んだのですが、そちらは荒唐無稽ながら話として非常に面白いというイメージでありました。賛否両論が多そうでしたが個人的には好きでした。

    この本でデビューしたようですが、デビューでいきなりこの風格というのがすごい。明治の寒村の閉塞感。馬と人との深い関わり。そして厳しい時代から現代に綿々とつながる命の戦い。その戦いを乗り越えたからこそ今の自分があるという感覚の再確認。馬がすっくと荒野に立っているこの表紙が全てを物語っています。何度も表紙を見返しながら読みました。
    くどくど書かずすっきりとした読み口ながら、その行間から感じる風はとても重々しいです。パンチを繰り出さなくとも感じる殺気みたいなものでしょうか。
    結末の味わいもなんとも言えず素晴らしいです。
    これを超える作品を書けるかが試金石ですかね。「肉弾」も悪くなかったけれどちょっと力技だったかも。でも実は「肉弾」の方が好きだったりもします。少年漫画みたいで。

  • 北の大地において、人は自然を「およばぬ」ものとして畏怖してきた。
    普段は穏やかに美しく見える風景も、時に荒々しく豹変する。
    人の努力も願いも自然には及ばない。
    人はただ全てを受け入れるしか術はないのだ。

    明治から平成にかけて、一族の6代に渡る物語。
    北海道を舞台にした人と馬との関わりが生き生きと綴られる。
    容赦のない厳しい自然、それは荒々しく気高い。
    「動物は自らを殺さない。生きることに執着する」
    過酷な運命を受け止める潔さ、包容力と、死ぬまで懸命に生き抜く力強さを感じずにいられない。
    ラストの、人と馬との世代を越えた対面にとても感動した。

    著者の、北海道に生まれ育ち「羊飼い」に従事しているという経歴が文章に説得力を持たせている気がする。

  • 本当に出会えて良かったと思える作品でした。
    間は抜けてはいるが、6代に渡るファミリーヒストリーと切り離すことのできない馬との物語。
    自然と一体化しているとも言える、馬の細かな動きや表情の描写が素晴らしかった。

    第1章のミネの話は読むのは相当辛かった。
    が、いっとき足りとも文章から目が離せない。涙も出ないが息苦しくなる。
    そうして生まれ、母の手紙を読み出自を知って北の大地に渡った捨蔵、海を越える気持ちはどんなだったのだろう。
    そして東の果てに近いところまでどう辿り着いたのか?
    知りたかったが第2章は和子が中心となる。
    そこはもう少し深く読みたかったところ。
    捨蔵の人生、特に馬とも別れ十勝へ移り、最後かわいそうでならない。
    第3章は現代となるので始めは淡々と感じたが、花島で馬と出会ってからの場面はとても力強く、良かった。

    この話には北国の人がオヨバヌ、と言う、たちうちできない厳しい自然がつきまとう。いつもいつも強い風が吹くのを感じる。そこに向かう人と馬、そしてお互いの通い合う愛情。
    読了後深く心に残る素晴らしい作品。

    どなたかも言われましたが、なんというのか知りませんが、この字体読みにくいです。始めから違和感がありましたが、このフォントは作品に効果があるのでしょうか?
    読んでる間ずっと気になりました。

  • 雪崩で遭難して馬の肉を食べ生き延びた女とその子孫の馬と生き抜く物語。

    とてつもなく大きな感動の波の中で浸り中です。
    素晴らしい!

  • どの章においても「自然」と「馬」の描写が生々しく描かれています。

    一族の、数代に渡り描かれる人と馬とのストーリーを心地よく読み進んでいけました。

    読み終わると馬と触れ合いたくなります!

  • 北海道根室を舞台に先祖代々馬を大切にしてきた家の5代に渡る壮大なストーリー。

    壮大なストーリーなんだけれど、そこまで感情移入できず。
    広大な北海道の大地や自然の表現は素晴らしいが、それ以上でもそれ以下でもないかな。

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著者プロフィール

1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞、14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、15年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞。『土に贖う』で新田次郎賞を受賞。

「2020年 『鳩護』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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