太平洋戦争 最後の証言 第一部 零戦・特攻編 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041027004

作品紹介・あらすじ

終戦時、19歳から33歳だった大正生まれの若者は、「7人に1人」が太平洋戦争で戦死した。九死に一生を得て生還した兵士たちは、あの戦争をどう受け止め、自分の運命をどう捉えていたのか。

感想・レビュー・書評

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  • 本の中に、人間を人間として扱っている国と、人間を人間として扱っていない国の戦いですという記述がある。
    以前に比べて日本の戦いは自衛であるとか、仕方がなかったという論調が増えており、一理あると思うところもある。が、特攻という人を人と思わない戦術を起用した愚かな国だったという事実があったのは確かだと思う。

    正しい判断が出来ない国が、結果を出せる道理もなし。

    今を生きる私たちは教訓にしなければならない。

  • 特攻隊の事は、いろんな本やテレビ番組などで知る機会はあったけど、真の声だったのだろうか。決して綺麗事や美談ばかりではない。元兵士の体験、さまざまな思いを呑み込んで死んでいった戦友たちになり変わって証言した老兵たちの真実に、読み知る価値大だと思う。

  • 巻末、元海軍航空部隊の隊員の言葉は重い。この過去を過ちとして認め謝罪しない限り、我が国の軍隊の最高指揮官(政治家)がどんな綺麗事を述べようが信頼はゼロ

  • 証言を元に構成。
    淡々と事実淡々と事実を書いているように思える。
    生き残った人達の話なので、どこかに申し訳ないという気持ちがあるのように感じる。
    一般兵士から見た特攻、戦争、両面から知るのは大事だわ。

  • 取材に基づく美化されすぎていない戦争の現実が描かれている。

  • 歴史書、ドキュメント番組などでは語られる事がないお話ばかりだと思いました。
    大正生まれで当時若者の母を思う気持ち、特攻前夜の様子は想像出来ないほど鬼気迫るものがあります。

    軍が悪い、国が悪い、送り出して戦果が良ければ祝盃をあげる、怒りと寂しさと憎悪が沸き起こります。

    この部分は現代の左翼や反日と通ずるものがあると気づいた時、我に返りました。それでも今の自衛隊や国家に同じ思いは抱きません。

    当時から現在までの事柄を知り、さらに現在では自分の目で見て行って肌身で感じることで、過去の姿は過去と捉えることが出来るからです。

    戦中、終戦から6, 70年も過ぎ、当時からみると御代が2つも変わる直前、近現代史を疎かにすると現在を簡単に見誤ると痛感した一冊でした。

  • 2018/4/18 Amazonより届く。
    2020/2/20〜2/22

     門田隆将氏が太平洋戦争を生き抜いた元兵士達に聴き集めた貴重な証言集三部のうちの第一部。零戦・特攻編では、零戦で戦った人たち、また零戦や桜花などで特攻した人たちなどの生々しい証言からなる。戦争は、亡くなった兵士達は勿論、生き残った兵士達、家族にも大きな傷跡を残す。先日、沖縄のひめゆりの塔記念館で、ひめゆり隊の生存者の方が語り部として居られて、貴重な話を聴いた。ただ、生存者の高齢化が進み、お元気に活動できる方の数も年々減少しているそうだ。戦争を二度と起こさないようにするために、このような形で語り継いでいかないといけない。第2部、第3部も近いうちに読もう。

  • 戦後70年となった今、太平洋戦争の戦場に赴いた人達の年齢も90歳を超えつつあり、その実体験を後世に伝える事が困難になって来ています。当時、最前線に配属され生き残った人々が自らの体験を通じて、「戦争の実態とはどういうものか」を語って下さいます。
    第一巻は神風特別攻撃隊に配属され、奇跡的に生き残った人達の証言です。「若者が生命をかけて国に身を挺するのは当たり前だが、国には、その国民の死を求めるのに節度があります。特攻を命ずるなどの国の行動は、狂気の沙汰であり、国の行動としての節度を越えます。」、「鹿屋の特攻記念館で特攻隊の遺書を全部爽やかに、国のために笑って行きます、と言うような感じで受け止め、素晴らしい人達だって感激するけれど、それで終わろうとしているのは耐えられない。立派に死んでくれたと褒めるばかりでいいのか。」等の証言は特攻を安易に美化しがちな捉え方を戒めるに説得力があります。特攻出撃前夜のパイロット達の異常な雰囲気、出撃命令を日々待ち続ける特攻隊で生活、部下に特攻を命じる時の心境など、その修羅場に身を置いた人々だけが語りうる貴重な証言が詰まった一冊です。

  •  特攻から奇跡の生還を果たした老兵達が明かす凄まじい戦争の真実が語られる。

     戦後70年を迎えるこの年にこの本を手にすることができたことは、自分にとって意味のあるものになりました。

     どんな思いで零戦に乗り、特攻に向かったのか、今では考えられない状況の中で、それでも命をかけて戦った人たちの一途な想いが強烈に伝わってきました。

     家族や愛する人を守るために命をかけて戦ってくれた人たちの想いがあったからこそ、今の平和な日本があるのだと改めて心に刻まれました。

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著者プロフィール

作家、ジャーナリスト。1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒業後、新潮社入社。『週刊新潮』編集部記者、デスク、次長、副部長を経て2008年独立。『この命、義に捧ぐ─台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、後に角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『死の淵を見た男─吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫)、『日本、遥かなり─エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』(PHP研究所)、『なぜ君は絶望と闘えたのか─本村洋の3300日』(新潮文庫)、『甲子園への遺言』(講談社文庫)、『汝、ふたつの故国に殉ず』(KADOKAWA)、『疫病2020』『新聞という病』(ともに産経新聞出版)、『新・階級闘争論』(ワック)など。

「2022年 『“安倍後”を襲う日本という病 マスコミと警察の劣化、極まれり!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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