だれでも書ける最高の読書感想文 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 568
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041003244

作品紹介・あらすじ

宿題、試験、レポートなどで、読書感想文に頭を悩ませている人は少なくない。本選びで迷ってしまう、そもそも読書がきらい、文章を書くのが苦手-理由はさまざま。でも、感想文はコツさえつかめば、どんな人でもスイスイ書けてしまうのである!身近な話題の活用法から、「もしも」ではじめる発想法、NGワード、タイプ別お薦めの本までやさしく丁寧にレクチャー。「読む」「書く」前に必読の指南書。

感想・レビュー・書評

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  •  僕は読書する時にいつも思うことがある。それは、なんか得るものが一つでもあればいいと思ってそれを探しながら読んでいる。たった一行でもいいと思っている。
     そこでこの本ですが、有りました。

    「人間は、予想を超えた意外性のある内容の方を、より面白いと思う。」

     本の感想文を優等生みたいな逸脱しない模範的なことを書くよりも、ひと味変わったものを、意識しながら僕は書くようにしている。反省文になっても面白くないし、ってとこです。

     「思いというものは、文章にすることでより深められ整理されていくものだ。」

     その通りだと思います。今までの読書のスタイルは気になった所を6Bの鉛筆で線を引く。その箇所のページに付箋を貼る。わりと多く線を引く方です。そして、読み終えたら、今一度再生する為に付箋のページを読んでみる。アウトプットのためにそうするんですが、それよりも感想文を書くことが、より十全に脳に心に入ってくるのが分かった。

    「好きな本がいつでもいつでも近くにあるということは心を落ち着かせてくれる」

     この言葉には勇気づけられました。読んだ本をどうするか悩んでいたんです。家内には邪魔になるから買ってこないでと言われているところだったんです。

     感想文ですけど、僕は人に読んでもらわなくてもいいと考えてます。自分が満足にかければいいんです。だから上手にうまく書けなくても構わないと考えています。ハードルが高くならないようにってことです。本に書いてあること全体の感想文ってなかなか書けないです。時間がかかり過ぎるし、そんな必要もない。ある部分だけでも僕はいいと思っている。
     それと、他の斎藤孝氏が書いた本かも知れなかったんですが、感想文を書く目的で読書していると読む速度が速くなることがわかったってことです。これは眼から鱗です。

  • この本は子供の読書感想文の参考になれば、と思い購入しました。
    いま改めてこの本を再読してみました。

    感想文が書きたくなる本です。
    まず、やらされている感を捨てる、というのは良いと思います。ミッションと思うのもいいと思います。
    心構えはそのようにして。
    あらすじについては、印象的な部分をクローズアップするといいみたいです。また、実際の行動につなげたり、違った見方をするのも、一つの方法みたいです。

    あとは、自分が疑問におもったこと、ぐっときたセリフ、主人公との対比、自分の話から始める、など、昔私も使った手法がたくさん書かれています。
    主観、客観についても触れており、客観的にはそうだけど、主観的にはどうか、など、自分が思う事と人が思う事を区別するのも良い方法だと思います。

    最後の本えらびが良くて、すべて読んでみたくなりました。

    学生の方は、この本を読んで、良い読書感想文が書けると良いですね。

  • 3年ぶりの再読。
    ブクログに感想を書いたつもりでいたが、なぜか、登録すらしていなかった。

    私は本を一冊読み終えると、早く次の本に行きたい。
    だからつい気が急いて、読後の感想を書くのが雑になってしまいがちだった。
    でもまぁ自分の読書の備忘録として書いているだけだからこれでいい、と思っていた。

    とは言いつつも、他の人たちの上手に書かれた感想を目にするにつけ、自分もこんなふうに書けたらな、と思うのだ。
    それでふと本書のことを思い出し、もう一度斎藤先生の話を聞いてみようと、本書を開いたのだった。

    今回は、初めて読んだときよりも、ひとことひとことがすうっと染み込んできた。
    〈感想文というのは、日記と違って人に読まれることが大前提〉とか、〈冷静に、冷めたことばかり書くことが知的なことではない〉とか、〈「フツウじゃなさ」を楽しみ味わうのが読書〉とか。

    いくら備忘録のつもりでも、ブクログにアップする以上はやっぱり人に読まれることを前提に書くべきだと思ったし、おもしろい小説を読んだときなどはつい熱く感情的な表現を使ってしまうけれどそれでもいいのだと思えたし、SFやファンタジーは別にして、思いがけず現実から離れた話や登場人物に触れたときには共感できずに楽しめないときもあったなぁ、楽しんじゃえばよかったなぁと思い当たったりした。

    今回この本を改めて再読したら、なんだか感想文を書くのが楽しみになってきた。
    これまでは「本を読むこと」が第一目的だったが、「感想文を書くこと」を目的に本を読みたくなってきた。

    私はただ読書記録として感想を書いているだけで、コンクールなどに応募したりするわけではないので、これまでどおり気楽に、でも少しでもうまく書けるように、本を読むことだけでなく感想を書くことも楽しんでいきたい。

    この本は、2017年のカドフェス(「発見!角川文庫」という夏の文庫まつり)で買ったものなのだが、2020年の今年は残念ながらカドフェスの中に入っていない。
    毎年入れておけばいいのにな。
    ここに書いてあることを心に留めておくだけでも、本の読み方がグッと積極的なものに変わると思うし、ちょっとしたブックガイドにもなっているから、第5章に書かれているような「芋づる式読書術」のいいきっかけになるはずだ。

    本書は、主に学生に向けてやさしく書かれているが、〈自分の思ったことを人に的確に伝える力が必要〉な大人にもぴったり。
    この本は、私の「座右の書」に加わりました。

    ようし、読むぞ! 書くぞ!




  • ★書きたいことメモ(付箋や、蛍光ペンのところ)から、人に伝えたいこと3つを選ぶようにする。
    その方が、記憶に残るし、人に伝えやすい。
    (この本でいうと★をつけた3つ。)

    ★「面白かったことを人に伝えたい」を起点に、「どう言ったら人に伝わるか」「どうすれば相手にも自分と同じように面白がってもらえるか」を考えることが、思考の整理につながる。

    ★本を読むときは、これを人に伝えようと思いながら読む。話していて、相手から質問されれば、「人はそういうことが知りたいんだ」「自分の説明はそこが足りていなかったのか」と気づく!

    メモ
    ・人は比べるとものが言いやすい!
    ・変化を捕まえる
    ・フツウじゃなさ を楽しむのが読書
    ・結びつけ力 これが書けたら嬉しい、これが言いたい、この話をしたい、をストックしておくと、自分特有の結びつけ話ができる。
    ・読書日記 せっかく読んだ本をそのままにしたら勿体無い、書くことで整理され、記憶にも残る
    ・「自分の中に毒を持て」の言葉が印象的で読みたくなった。

  • 子供の頃にこの本に出会っていたら、人生が変わっていたかもしれない。そう思えるくらい、感動した書籍。さすが、齋藤孝先生。分かりやすいし、説得力抜群。
    子供に対して、しっかり教えていきたいと思う。本文中の以下の解説が特にしっくりきた。

    ---
    小学校低学年の感想文だったら、ここがよかった、ここがおもしろかった、ここでびっくりした、ここで泣けてきた・・・そんなことを書き連ねただけでもまあいい。だけど、きみたちくらいの年齢になったら、それだけではダメだ。
     ではどうしたらいいか。
     大事なのは、そこにさらに「自分を関わらせていく」こと。
     例えばその一つが、ベスト3を選出する方法だ。
     自分が拾い出した「ぐっときたところ」から、特にいいと思ったところを3つに絞り込む。つまり、ベスト3を決める。
     そしてその言葉なり文章がなぜぐっと来たかを書いていく。
     そのときに、その3つのうちのどこかに自分自身の体験を交えていく。
     ぐっと来たところは本の中から抜き出したものだから、「引用」です。そればかりを並べたら「引用しているだけじゃないか」と言われかねない。
     けれど、そこがとくにいいと3つに絞り込んだのはきみだ。なぜそこがグッと来るのかも、君自身の考えだ。
     さらに言えば、自分自身の経験と重ね合わせたエピソードには君の個性が出る。自分の感情を軸にした、紛れもなく君にしか書けない感想文になります。
    ---

  • どちらかというと感想文を強要されている学生向けにアドバイスしている本。
    でも、感想文を考える時のポイントやコツを具体的に挙げているので、かいつまんで実践する事で誰もがスキルアップ出来る。
    分かり易い良書。

  • 感想文を書くにのは昔から苦手。。
    なので今更ながら感想文のコツが知りたくなり
    購入した。。
    この本がもっと早く出版されていれば・・
    いや学校でこのようなコツを教えて貰えていればと・・
    三色ボールペンで本に線を引きながら読むと
    読むスピードが遅くなるけど内容は理解できるので
    量より質を重視にするか。。
    本の紹介も中にあり、この中から選ぶのもいいかも。。
    ただ、本の紹介が一覧になっていないので文中から
    探さないと駄目なのはちょっとなぁ。。

  • 【読書感想】「だれでも書ける 最高の読書感想文」 斎藤孝

    http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html?ie=UTF8&a=4041003245&creativeASIN=4041003245&lc=msn&linkCode=msn&tag=fc2blog06-22&uid=NULLGWDOCOMO

    宿題、試験、レポートなどで、読書感想文に頭を悩ませている人は少なくない。本選びで困ってしまう、そもそも読書が嫌い、文章を書くのが苦手ーー 理由はさまざま。でも、感想文はコツさえつかめば、どんな人でもスイスイ書けてしまうのである!身近な活用法から、「もしも」ではじめる発想法、NGワード、タイプ別お薦めの本までやさしく丁寧にレクチャー。「読む」「書く」前に必読の指南書(作品紹介より引用)

    読書感想文の書き方本なんてのがあったので思わず買ってしまいました。とても読みやすく子供でも読めるよう柔らかい文で書かれています。
    読書感想文を書かなければいけない子供たちや、書かせないといけない親御さんにおすすめです。

    夏休みの宿題として定番の読書感想文ですが、日記と共に、もっとも嫌われる宿題なのではないでしょうか。
    私はすごく嫌いでした。

    読書感想文って、とりあえず「なんか書いてこい」と言われるだけで、書き方とかなーんにも説明うけないですよね。(学校によるのかな?私のところはそういうの一切なかったです)
    そもそもどういうものが読書感想文なのか説明もないまま「書け」と言われてもなかなか書けません。授業でも読書感想文の書き方に関する時間とらなかったですもん。

    あと、本のあらすじを感想文にどう組み込んでいけばいいのかわかんなかった、というのも嫌いだった理由のひとつです。巻末のあらすじをそのまま使えば怒られるし、ダラダラあらすじを書いても怒られる。ダメなパターンは言われるけどどう書けばいいのか、どういう書き方ならOKで、どういう書き方ならスマートなのか、その具体例はなかったりする。

    さらに言えば、その感想文は誰にたいして感想を述べるものなのかもよくわからない。先生?友達?先生なら課題図書を読んでるだろうからあらすじの量は少なくていいかもしれないけど、友達ならちょっとは必要ですよね。うまい人はあらすじと感想をうまくミックスできるんだろうけどそれもなかなかハイレベル。

    感想文書く前に少し感想文の書き方みたいな授業が必要と思うんだけど。感想文ってこういうものだよ、っていう例を少し出してあげるとか、書き方のポイントをおさえてあげるとか。今ってどうなんだろ。指導要領に入ってるのかな。なんにもなくて「書け」っていうのって、料理したことない人に材料だけ渡して「これでご飯作って」っていってるのと一緒な気がします。無茶な気がするなぁ。まぁそこを模索させるところもねらいなのかもしれませんけど。

    あと、さらにいうと「課題図書」っていうのが私からするとやる気ダウンの原因のひとつだったりするんですよね。
    先生が用意した「いかにも感動」みたいなのとか「この偉人すごいぞ」的なのとか、中学までは優等生な方だった私でも「けっ」って思います。
    (っていうのを旦那に言ったら「なによんでいいかわかんない人には課題があったほうがいいんじゃない」と言われてしまいましたが。)

    漫画じゃだめなんですかね。感想文の目的って、もちろん本を読ませることにもあると思うけど、自分の思ったことを文章で表現するアウトプット部分がより大きい目的な気がするわけです。だったら、まずは読ませることよりも、「書いてみようかな」って思わせるところを大事にしてほしい。
    「他の人にもよんでほしい」
    「みんなで読んで盛り上がりたい」
    っていうのは漫画とかなら多くあると思うけど課題図書ではあんまりないんじゃないかなぁ。最初からテンション下がるようなのじゃなく、苦手感をなくすような試みが前段階であってもいいのに。
    イヤイヤ課題図書読むよりも漫画でもいいからとにかく他の人が読みたくなるような感想文に仕上げてこいっていうほうがまだやる気でる気がします。
    斎藤孝さんも「僕としては漫画もあり」っていってるから、試験的に試してみてほしい。ワンピースの感想文なんて感動するところみんな違ってて、聞いてても面白いと思うけど。

    (制約もあるだろうから実際教師がやってみたくても、なかなかできないのかもしれませんけどね。)

    すごい昔は
    「本ばっかり読んでる人はバカになる」
    と言われてて、漫画が普及してきたら
    「漫画ばっかり読んでたらバカになる。もっと本を読め」
    となり、さらに今や漫画とアニメは日本の文化に格上げされ、本も漫画も地位がだんだん上がっていってると思うんですよ。今や漫画も立派な読み物だと思うんだけどね。歴史の教科書なんて漫画にしたほうが面白いよ。

    でもあれか。実際、親の立場で、「読書感想文書くから漫画買ってきます」っていってワンピース全巻揃えられたら結構困りますね(笑)
    うち、ワンピースは揃ってるからいいけど、「こち亀揃える」とかいわれたらギョッとしますもん。
    なんぼかかることか・・。
    あ、だから漫画がダメなのかも(笑)

    この本のなかではコンクールで賞をとった中学生や高校生の作品も何点か紹介されてます。秋田の中学生の作品も載ってたんだけどすごいですよ、受賞するくらいのレベルは。大人でも書けないくらい美しい文章でした。そして、うまいからその子たちが読んでる本を読んでみたくなります。

    私がこの本をどこまで自分のなかにとりこめるかはちょっとわかりません。適当にスマホでポチポチやってるもんで、推敲を重ねてハイクオリティを追及することはなかなか難しいでしょうね。時々は見返して試してみようとは思いますけども。

    自分の子供たちが読書感想文を書くような年齢になったら、少し展開してやろうと思いました。
    だいぶ先の話だけどねー。

  • 子どもたち向けに書かれていることもあり、前半は精神論が多い。ただ、読書感想文を安易に書かされるより、このようなプロセスを踏むことが重要だと思う。じゃないと書けない。
    特に、一冊読み終えて書くのは非常に高度。適切なメモと整理が必要でそこには技術が要る。

    ①読む技術
    ②書く技術


    〈文章上達のプロセス〉
    カンタンに書けるようになる→苦手意識がなくなる→書くことが楽しくなる
    →もっと工夫しようと考える→うまくなる

    グッときたところを書き出す→その中から特にいいと思ったところを3つに絞る


    〈伝えたいことを整理する〉
    ⑴自分が書きたいことを挙げる
    ⑵その中で一番伝えたいことは何かを考える
    ⑶大事だと思うことに優先順位をつける

    〈変化に着目する〉
    ⑴読む前はどういう印象があったか
    ⑵読んでみてどうだったか
    ⑶ターニングポイントになったのはどこ、あるいは何か?

  • 自分自身を重ねながら読む。
    自分の心がどう動いたかを、自分の言葉で残す。
    本を読み終わったら、箇条書きのメモをつくる。
    自分の書きたい事をどんどん挙げる。➡これは下書きよりも大事
    その中でも一番伝えたい事は何か考える。
    大事だと思う事に優先順位をつける
    いちばん伝えたい事から書く
    なぜ、○○したのか
    どうして○○したのか
    という疑問を自分に突きつけて答えていく
    ビフォー、アフター
    読む前はどういう印象だったか
    読んで見てどうだったか
    ターニングポイントになったのはどこ、あるいは何か
    フツウじゃない点を掘り下げる
    本のあらすじを読んでポイントをつかむ
    からだで読み、自分が感じとった身体の感覚を書く➡鳥肌が立つなど

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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