Another(上) (角川スニーカー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.78
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本棚登録 : 356
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001424

作品紹介・あらすじ

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎は深まるばかり。そんな中、クラスメイトが凄惨な死を遂げた。この"世界"でいったい何が起きているのか!?名手・綾辻行人の新たな代表作となった本格ホラー。TVアニメ版のキャラクター原案を手がける、いとうのいぢのイラストで登場。

感想・レビュー・書評

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  • アニメ版は未読。お薦めしてくれた人は登場人物多いからという事でしたが登場人物がイラスト入りで紹介されているので分かりやすかったです。
    所謂呪いの話でミステリーホラーといった趣。

  • ホラーは怖いので綾辻行人のミステリーは読んでもホラーは読んで来なかった。
    けれど、「深泥丘奇譚」が面白かったので解説に載っていたこちらを読んでみることに。
    上下巻で分厚いので長くてかったるいかと思いきやさらっと読めたのでよかった。

    主人公が病院に行くシーンや擬音語を見るとどうしても「深泥丘奇譚」を想像してしまう。

    今のところ怖い描写はないので安心。
    ホラーといよりグロとかスプラッタが駄目なんだな、きっと。

    呪いが始まることが決まっていたなら仕方ないけれど、主人公が鳴をいないものとしなかったせいで、始まってしまったのなら主人公が悪い気が。
    普通周りの空気読んで途中で接さなくなる気がするのだけれど。
    主人公が中学になってからもこの町に来たことがある、とか下巻が気になる。

    死者は誰なのか。
    ちゃんと伏線があってミステリーらしく回収されるようなので楽しみ。
    下巻も読み終えたら復習の意味も込めてアニメを観てみたい。

  • 総合科学部総理の田川です。

    みなさんはホラーや学校の七不思議に興味はありますか。このAnotherという本は読んでいくと、学校の七不思議の一つじゃないかと考えてしまいますが、実はあるクラスのみに、無条件に起きてしまう理不尽な現象です。
    始めは原因は不明でそれを完全に止める方法も知らない。ただ、決っして有効とは言えないおまじないを実行する。模索していく中で、突然の転校生がやってきてすぐに、おまじないが破られ、クラスの仲間が死に引き寄せられるように月に最低でも一人、次々と亡くなっていく。ある日、解決策"死者を死に還す"という方法を得ることができたが、それはあまりに理不尽で残酷な方法でした。そして夏、見事に止めることが出来たが、主人公にとってあまりに辛い現実でした。こんなホラーな話ですが、ちょっぴりラブコメ的な展開もあります。
    著者は、死者の輪廻についてどう考えるかを、私たちに考えるように教えてくれたと考える。未練が残ると死者はこの世に残る。そのサイクルが続くと決して良いことはないと主張していると、私は考えます。そして、私はこれを読んで、死者をちゃんと黄泉の世界に還さないといけないと考えるように、また、この本を読まないと分からないですが、友達、クラスメイトを大事にしないといけないと考えました。
    最後に、この本はホラーで怖いかも知れませんが、死者について考え、友達についてしっかり考えれる機会になると考えます。

    • tokudaisocialさん
      長尾拓海です。
      大変分かりやすいレビューでした。
      この本はアニメ化もされており、聞いたことはあるものの読んだことはありません。
      ホラー要素も...
      長尾拓海です。
      大変分かりやすいレビューでした。
      この本はアニメ化もされており、聞いたことはあるものの読んだことはありません。
      ホラー要素もあって面白そうなのでこの機会にぜひ読んでみようと思います。
      2013/07/11
  •  初版読了。


     地上波TVのアニメにもなり、実写映画作品にもなって話題となっていたことから、一度原作を読んでみようかと思い読了した次第です。

     ちなみに自分はアニメも映画も未鑑賞なので、この作品はこの原作から内容を把握しました。

     また、この著者の作品自体もこの作品が初読みでしたので、それも含めての「コワイ作品」という第一印象を持ちつつ(コワイ作品は苦手だったのでw)、ドキドキしながら読み始めたのですが…。


     正直にいうと自分にはあっていなかった作品でした。


     文体は非常に読みやすかったものの、反面、心理描写に対して叙情的な深みのようなモノはなく、ミステリー特有(?)の疑問に感じる状況を含めた解説的な一人称が淡々とつむがれてゆく感じでした。

     そして分厚い文庫本のほぼ半分あたりまで続いた、状況の説明と謎に包まれたままの展開に飽き飽きしていた頃、ようやく犠牲者展開に変化していったのですが…最初の犠牲者の死因(あるいは事故原因)が、(描写はそのひどさを表現していたものの)コワがるにコワがれないはじまりで…それが自分には興ざめとなってしまいました。

     (状況としては仕方ないですが…)急いでるときだからこそ、もうちょっと(いろいろと)気をつければ良かった…と、最初の犠牲者は思ったんじゃないかなあ、とか。


     あとは「呪い」っぽい謎が後半から急ピッチで解き明かされて、その部分だけは読書ペースが早くなったものの…どうやらキモとなりそうな「呪い」っぽいブラックファンタジー的な恐怖感はあまり感じませんでした。


     おそらく本来の作品の醍醐味であろう「謎」「恐怖感」「不安感」「今後の気になる展開への興味」としての魅力(あるいは文章表現)が、自分にはあっていなかったんだろう、と。

     それでも読み始めた手前「どういう結末が待っているのかなあ…?」と、いうのは気になりました。


     先行していたイメージが強かったせいか、実際に読んでみて、ソレが思ったほどではなかったので、自分がいかに自身の中で誇大に「ふくらませすぎた」か、思い知った一冊でした。


     この作品自体が良くなかったんじゃなく、自分がものっすごく妄想しすぎたんだwww 反省。


     とはいえ(それも含めて自分としては)楽しめなかった作品だったのは事実なので辛口評価です(^-^;;

  • 呪われた3年3組。
    綾辻行人先生には珍しい学園のミステリホラーです。

    ホラーと言ってもそこまで怖くはないです。
    しかし、綾辻行人先生らしいおどろおどろしい雰囲気や、不気味な様子が描かれています。

    転校してきた榊原恒一は不思議な少女、ミサキメイに出会い数々の怪現象に遭遇します。
    その怪現象は、始まってしまうと月に1人以上の3年3組の関係者が死ぬというものです。

    その前半となりますので、細やかな設定や情景が語られます。

    アニメ化、漫画化、映画化とメディアミクスもしています。

  • あらすじを全く読まず、色んなところで面白いという話を目にしたので借りてみた。
    文庫本の表紙が裸の女児のイラストだったのでちょっと嫌だなと思ったし、そんな感じの話だっけ?となった。でも確かに単行本の表紙もタッチは違うけど女の子だったか。
    上巻は登場人物が全員のらりくらりと話をはぐらかして、主人公もあまり突っ込まないからほぼストーリーは進まない。終盤でやっと現状の説明はあったけど、下巻でどのように展開するのか。六番目の小夜子を彷彿とさせた。主人公が死者なのかな。
    サスペンスだと思ったけどホラーなのね。

  • 思いの外あっさりしていて読みやすいです。
    設定も複雑な割にはすらすらと入ってきます。
    多少のツッコミどころはありますが、
    純粋に物語を楽しむ分には何の支障もありません。
    読書をあまりしない、という方にはおすすめかも。

    ただ、すこーしだけグロテスクな描写があるので、
    そういうのがものすごく苦手、という方は
    気をつけたほうがいいです。

  • アニメも映画も見て、外伝のAnotherSも読んでいたのだけど、原作は読んでいないというAnother。
    こないだAnother2001を購入したので、読む前の準備にと読み始めました。

    展開と結末は知っているので、読み進めるのが楽ちん。ここの表現が後々どうなってゆくのかとか、これが伏線になってゆくのか、とか。
    全くの初読だった場合、行ったり来たりしながら読んでいたはず。おそらく、鳴の存在にも不安を感じていたでしょう。

    「おまじない」を二人に拡大した一ヶ月ぐらい。その間の二人の蜜月が、ほのかにエロスを感じてしまったのは、物語の「呪い」の結末を知っているからですね。
    直接的な何かがあるわけでないのだけど、誰にも邪魔されない二人だけの時間。
    それは本来、二人だけの秘め事であって、周囲には分からないようにするのだけど、隠しても隠しても溢れてしまうもので。
    それが公然と行われているというところが、背徳感ありました。榊原の心情に寄りすぎかな、とは思うし、自分の感情が入り込みすぎなのかな、とも思うけど。

    アニメで見たときは、ここどう思ったかなぁ。だいぶ、昔なので忘れちゃいました。
    理不尽な要求と、それを受け入れる二人に違和感だったかな。

  • 新刊に合わせて何回目かの再読。
    一見爽やかで微笑ましいボーイ・ミーツ・ガールからの、不可思議な事象の数々。やがて始まった災厄。ひとつの謎が解かれ、しかしさらに高まる恐怖と緊迫感。やはりどこをとっても素敵。
    そして随所に仕込まれた伏線の数々がまた美しいとしか言いようがありません。たしかに違和感を覚えないではない部分もあったけれど、スルーしちゃってたんだよなあ。とはいえ、そこに気づいたからといって真相にたどり着ける自信はまったくなかったのですが。

  • アニメになった時から面白そうだけど、ぜひ本で読みたい!と思ってとっておいたもの。
    十角館の殺人を読んでいたので、作者は綾辻行人だったんだ!と期待度は高し。
    その期待通りに面白かった!

    ホラー小説自体あまり読んだことなく、オカルトで片付くってどんな感じなの?ロジックとかないんでしょう…?と思ってたけど、さすがミステリー作家でもある綾辻先生だからなのかちゃんと結末があり、最後の種明かしでは伏線回収の巧妙さにぞわぞわしました。
    終わってから読み返すとほわー!すごい!確かに…!って感じで、二度読みも楽しそうです。

    またさすがのホラー小説、謎を解き進めていく過程では血の気がさっと引くような、背筋が凍るような箇所も多々あります。夜中にひとりで読むのが怖すぎて、次の日の朝まで待ってしまうほどでした。
    怖いのダメな人は朝の時間帯に読んだ方が良いよ。

    超常現象(作中では、”超自然的自然現象”)の類ではあるので人の死に方に若干の無理やり感というか辻褄合わせ感はあるけれど、ミステリー好きこそ楽しめるホラー小説です!

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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