真夜中のペンギン・バー (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 392
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040737751

作品紹介・あらすじ

●○● 5人の悩みがほどけたとき、全てが繋がる感動のラストが訪れる! ●○●

 風間佐和は落ち込んでいた。高校時代から仲が良く、片想いしていた青年と、急に連絡がつかなくなったのだ。体調が悪いの? 会いに行こうか。でも迷惑……?
 悩む彼女は初めてバーを訪れる。この店のマスターはなんとしゃべるダンディなペンギン!? 佐和は驚きつつも、チョコムースのような甘いカクテルと絶品おつまみに感動。さらにマスターからの特別な一杯とその由来に励まされ――。
 佐和と4人の思いが温かく解けるとき、全てが繋がる感動が訪れる。さぁ、小さな奇跡とかわいいペンギンが待つバーにようこそ。

感想・レビュー・書評

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  • 《本音と向き合う場、提供します》┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    動物は多かれ少なかれ本能に従って生きるもの。
    「人間」という動物である私たちも、ペンギンがマスターを務め、様々な動物が集まる不思議なバーで動物的な視点から自分の本音と向き合ってみませんか──?

    ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
    人間関係や仕事の悩みを、ペンギンをはじめとした野生動物の状況に置き換えて考える、という発想が斬新で面白いと思いました。

    どのお話も元気が出る温かいお話だったのですが、特に印象に残っているのは第2話、後輩を気にかける仙崎さんのお話です。
    困っているのを助けてあげたいけれど、自分が何かすれば却ってその人の負担になってしまうのでは、と悩む気持ちは自分にも心当たりがあったので、マスターの「気にかけていることを示すだけでも相手の助けになる」という内容のメッセージには私も気持ちが軽くなりました。
    また今回の仙崎さんのように集団の中で自分の思うように行動出来ずに悩むこともよくあるかと思いますが、時には体裁を気にせず、野生動物のように「本当に自分がしたいこと」に従って行動することも大切だなと感じました。勇気を出して後輩のためにパワハラを告発した仙崎さんの行動に、胸が熱くなりました。

    色や匂いまで詳しく想像出来そうな、種類豊富なお酒・カクテルの描写に、美味しそうなチャームの数々、そしてマスターのヒゲペンギンのチャーミングでありながら俊敏で面白い動きと心が満たされる要素が満載でした。
    そして何より、見習いさんの秘密に勘づくほどに見えてくる温かい気持ちと繋がりに、熱いものが込み上げてきました。4・5話は切なく少しハラハラしましたが、最後はハッピーエンドを予感させる終わり方で良かったなと思います。

    若者言葉や最近使われるようになった言葉がところどころ出てくるので気になってしまう方もいるかなと思いますが、それを加味しても星5では足りないくらい、心が満たされ温まる素敵なお話でした。

  • 普段小説を読んでる人にとったら凄く分かりやすい伏線がありますwけれどその伏線回収が「無理がない」と思う。1話完結の短編集的ストーリー展開なんですが、1話1話の問題に対して答え自体を掲示するのではなくてあくまでも主人公が「どうしたいのか?」を選ばせているのが良いなと思った。
    問題解決の糸口となる出来事自体は同じなんですが本当に糸口だけ掲示してBARからは離れるのでマスターが背中をちょっと押してくれるそんなお店です♪
    カクテルについてあんまり知らなかった自分でも、何か飲んでみたくなる…wマスターはちょっとうんちくを言いたいのでは?wあとシェイクしてるところをアニメ化があれば見てみたい。

  • 「軽い気持ちで読めるような文庫本を…」と言う気持ちで図書館で借りました。
    何故かペンギンがマスターのBAR。悩みを持った人が訪れ、ペンギンマスターの作る美味しいカクテルとマスターや他の客(やはり動物)とのやり取りの中で背中を押されて頑張る短編集。なのですがそれぞれ独立したほっこりしたお話と思いきや最後に繋がるのが嬉しい驚きでした。カクテルにも意味があるのですね。BARなんて行ったことのない人生ですので本の中で素敵な体験をした気分です。

  • 悩める人が訪れるバー、そこはなんとペンギンがマスターだった。その人に合うカクテルを出し悩みを聞き出し解決に向き合ってくれる。
    各四人の登場人物が出て来てマスターが相談に応じていく。
    正直裏のあらすじで展開が読めてしまった。
    最後で登場人物全員関係者なのではと思ったらホントにそうで少し残念。

    ただペンギン好きなのでそんなバーあればいってみたいものである

  • 表紙と題名を見て、可愛いと思い買いました!店員だけでなく、お客さんまで動物でほっこりしました。変えようと思っても一度では変えられず、もう一度背中を押されてから変わっていく姿はリアルだと感じました。お酒も細かく紹介されていて、バーに行きたくなりました!最後は驚きだったため、読み返したいです!

  • オシャレなバーにいってお酒を飲みたくなった
    マスターがお酒を作ってる姿がありありと想像できる
    人間関係に悩めることはあっても、視点を変えることで解決したり、視野を広げていきたいと思えるような作品
    ラストではびっくりして声出た

  • 短編が最後一つの話になる構成。
    途中で気づく人も多そうだけど、わかっていても泣けた。
    心温まるストーリー。
    残りのシリーズも読みたいと思った。

  • 『昼下がりのペンギン・ビストロ』を読んでファンになり、シリーズの作品読んでみたいなと手に取らせて頂きました。

    佐和さんのお話にとても勇気をもらいました!
    私も佐和さんに似た境遇だったため、どうなるんだろう…とドキドキしながら読ませて頂きましたが、今この作品に出会えて良かったです!
    次は『朝焼けのペンギン・カフェ』を読ませて頂こうと思います。

  • 最後の伏線回収がお見事だった!
    ペンギンの可愛い情景が目に浮かんで楽しく読めました。

  • ふと入ったバーのマスターはペンギン?!

    短編になっていて、バーの従業員も客も
    実は違う? な状態。
    話は中途半端な感じで終了していて
    本人のやる気を出させるだけの模様。
    と思っていたら…な最後の話。
    繋がった瞬間、どこに軸があるのか分かり
    なるほど! な驚きが。
    展開として、面白かったです。

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著者プロフィール

ヒト科ヒト属メガネペンギン。アデリーペンギン属愛好家。著作に「そこまで塩分いりません」シリーズ(スカイハイ文庫)、『見習い園長のもふもふ日誌 ペンギンとはじめる動物園経営』『都電の神さまはカピバラでした』(双葉文庫)がある。

「2022年 『朝焼けのペンギン・カフェ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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