すみれ荘ファミリア (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 298
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040727882

作品紹介・あらすじ

トイレと風呂と台所は共有、朝食夕食付きの下宿屋すみれ荘。下宿人の美寿々、隼人、青子と管理人代理の一悟は家族のように暮らしていた。しかし芥という新しい入居者により、皆の知らなかった顔が見えてきて――?

感想・レビュー・書評

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  • さまざまな癖のある住人が暮らす下宿の心温まるヒューマンな群像劇だと思いきや。途中からグッと変わるストーリー展開。読みごたえありました。

  • ここのところすっかり凪良さんの作品に引き付けられ、4作目を読了。

    本作は、下宿或いはシェアハウスを舞台にする群像劇。
    後半から、怒涛の仕掛けが明かされ、頁を捲る手が止まらない。

    ああ、そうだったのか…。

    表層的に見えるその人となりと、生い立ちや背景、経歴に由来する普段は滅多に他人に見せない顔の違いに驚かされる。

    ミステリー要素もあり、それぞれの登場人物たちが抱える弱さ、醜さ、脆さが次々と露呈していく。

    今までに読んだ凪良さんの作品に比べて、少し説明が多めで、会話で展開を促そうという印象を受けた。
    「読ませよう」とする意図が感じられて、残念だな。

    また登場人物の設定がきっちりとなされ過ぎてしまい、これまた説明過多の印象。
    個人的には、行間が空いていて(物理的ではなく)、判断や価値を読み手側に委ねてくれる余韻のある作品が好きなので、これに関しては好みとは異なった。

    個人のパーソナリティの良い部分、悪い部分と明確に分け切るよりも、それらがもっと混然一体となった難しさ、儘ならなさを描いた作品を期待したいな。

    私の中での凪良さんナンバー1は、『わたしの美しい庭』でした。

  • すっかり凪良ゆうのふぁんになってしまい、
    「流浪の月」以前の著作も読もうと。
    やはり面白かった!
    ファン度、またUP

    やさしい文体で、深くえぐってくる。
    でもやはりやさしい。

    一つ屋根の下の他人
    遠く離れた家族

    謎めいた展開もおもしろい
    そしてラストは、やはりやさしい

    ≪ 血縁と 他人の線は すみれ色 ≫

  • おんぼろ下宿すみれ荘管理人の一悟と、実は弟であるところの芥、すみれ荘の住人達とのお話。
    本屋大賞 大賞受賞作「流浪の月」が面白かったので、違う作品も読んでみた。この方の作品、好き。
    途中で展開が読めてしまったのだけど、それでもグイグイ引っ張られて一気読み。話の魅せ方が好きなんだと思う。すずらんの毒とか、なかなかエグイ設定を、登場人物のキャラクターの持ち味で中和し、救いのあるラストまでもっていくのはさすがだと思う。

  • 前情報なしで読み始めた。タイトルからしてホームコメディみたいなものかと思っていたら、とんでもないのが隠れていた!後半になるほど、絶句しながら読んでた。
    人の表裏、光と影は怖い。凶器と化す思いほど怖いものはない。人って本当に怖い。

  • 登場人物がそれぞれ個性的で、どんどん物語に引き込まれていきました。特に、母親の葛藤がよく分かりました。「身内といえど、人には相性がある」「我が子であっても、平等に愛することは難しい」という部分には考えさせられました。

  • 少女漫画の様な装丁と可愛いタイトルから想像していた物とは180度異なる、毒を孕んだ作品。

    主人公はおんぼろ下宿・すみれ荘で大家代理兼管理人をしている和久井一悟。
    入居者は古株の青子、TV制作マンの隼人、OLの美寿々の三人。
    そこに、芥一二三と名乗る新しい入居者がやって来た事から物語はスタートする。

    それぞれの人物の裏の顔、和久井の家族の秘密、その1つ1つが表面化するたびに感じる苦みは半端ない。

    誰だって、上手くやりたいのに空回りして、意志とは違う方向に進んで行く事は多々ある。

    人の心の奥に巣食う闇を繊細に描いた秀作。

  • いろんな人生を送る人が暮らすシェアハウス、楽しそうですね!私も仲間入りしてみたい。
    他人への関わり方で自分自身の生き方もかなり変わってきます。失敗しながらも悔いのない人生をポジティブに生きていきたいもんです。
    また、波瀾万丈があってこそ、その経験が自分の成長に繋がる。何を選択するかも含めて自身の人生であり、全てを楽しみましょう!

  • 優しい主人公の周りの一見優しいけど毒を抱えた親族、友人、知人達の告白。
    うまいし、面白いと感心した。

  • シェアハウスすみれ荘に、芥という男が入ったことから、それまで保てていた住人や家族との均衡が崩れ始める。

    読み進めれば進めるほど、謎がふかまり、ページをめくる手を止められなかった。
    すべてのことがわかったとき、驚愕だったし、すっきりしない部分もあったけど、結果的には、とある家族の再生に繋がったのかな…

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著者プロフィール

1973年生まれ、京都市在住。2007年、BLジャンルの初著書が刊行され、デビュー。17年『神さまのビオトープ』を刊行し、高い支持を得る。19年『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で「本屋大賞」を受賞する。同作は、22年に実写映画化された。20年『滅びの前のシャングリラ』で、2年連続「本屋大賞」ノミネート。22年『汝、星のごとく』で、第168回「直木賞」候補、「2022王様のブランチBOOK大賞」「キノベス!2023」第1位に選ばれ、話題を呼ぶ。翌年、同作の続編にあたる『星を編む』を刊行した。

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