ひとしずくの星 (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/富士見書房
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本棚登録 : 134
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040705057

感想・レビュー・書評

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  • 個人的には蔓紋がとてもきれいだと思った。
    ダークファンタジーのようだった。

    どうやっても救いのない物語なのに2人が幸せになることを願ってしまった。

    自分たちの信仰している、当たり前だと思っているものが実は偽りのものだったなんて信じられない。
    最大幸福の最小犠牲だとは分かっていても、あの掟はさすがにひどいと思う。

    ラッカウスとシースティが一緒に幸せになれる未来があったらよかったのに。

    クスターとイーファがその後、どの様な人生を送るのかが気になる。

    ボカロ曲で言うのならsasakure.UKさんの「idと人類模型」のようだし、他のラノベなら古橋秀之さんの「冬の巨人」のようだと思う。

  • いわゆるメリーバッドエンド。
    淡路さんだしなぁと覚悟して読みましたが、やはり切なかったです。

    でもさすがというか、始終美しかった。

    ラストシーンの必要性は賛否両論あるようですが
    個人的にはオチがはっきりして、あってよかったと思います。

  • 少年と無垢な少女の純愛物語。この一言に尽きます。おばちゃんにはちっと甘すぎたかも。しかしさくっとよめました。読後感も悪くなかった。当初の舞台設定は細部まで描かれてたので、続き物?(続編あり?)と思いましたが途中からちゃんと一巻読み切りになってました。主人公のラッカウスとシースティの純愛と柱に、ミルドの過去の巫女への思慕、クスターとイーファのこれからの恋を絡ませた砂糖菓子のような一冊でした。

  • 花守の竜の雰囲気を彷彿とさせる物語だったな。最後にじんわりと来るお話だった。ただ、これをいいと思うか悪いと思うかは、人それぞれだと思う。私はすごく好きだけど。

    個人的に、海を渡ったクスターの冒険譚が読んでみたいと思いました。何気に美味しいところを持っていった彼。

  • 淡路帆希さんの本は初めて読みましたが、これはとても作者さんらしい本なんだろうなあと思いました。
    というのも、この物語は、言い方は悪いかもしれませんが、ファンタジー小説を書くものなら誰でも一度は思いつくような、ありふれているといってもいい物語だとも思うからです。
    でも、そんな物語を、ここまで美しく、切なく、そうしてあたたかく描いているのは、作者である淡路さんが、自分らしさを出して描いた物語だからだと思います。

    「星の災禍」という天災を生き延びた青年ラッカウス。
    彼はやがて神官となり、上位の神官しか入ってはいけない森に禁忌を犯して入り込み、そこで一人の少女と出会う。少女をシースティと名づけ、親交を深めるラッカウス。しかしシースティは隠された世界の鍵を握っている少女だった!

    的なお話。
    単純に言うとボーイミーツガールなお話なのですが、それだけでは終わらない切なさというか、美しさがあります。
    とにかくとても透明な雰囲気の、美しいファンタジーといった印象です。清らかさすら感じられます。
    読後感もなんともいえない温かいものがあり、切ない話なのだけど悪くなかったです。
    でも、これは見方によっては、とてつもなくバッドエンドなのかもしれないと思います。
    ハッピーエンドと取るかバッドエンドと取るかで読後感が変わるかな。

    わたしは主役よりもサブキャラに惹かれるという志向がありまして、主人公のラッカウスやシースティより、クスターとかミルド様が好きでした。特にクスターはとても美味しい立ち位置だったと思います。こういうキャラクター大好きです!
    切ないけれど暖かいファンタジーが読みたい方におすすめの一冊です。

  • ネタとしてはファンタジーあるある展開だけど、ほどよく著者らしさが出ていて良かった。主人公がどうしようもない中で選択を迫られるまでの運びがうまい。ところで、富士見Lだと、こういうラストはありなのか。MFとかスニーカーとかだとちょっと考えられない気がする(個人的主観に基づく推測)。

  • ラッカウスがどうにも子供過ぎる。
    今やりたいことだけを、周りの事も未来の事も考えずにやってしまうので、イライラする。結果誰も幸せになってないし。もうちょっと上手く立ち回って建設的な未来を掴んで欲しかったな。

  • 読んでも読んでも物語が進展する感じがないと思ったらいきなり終わった感じ。終わり方にはいい意味でも悪い意味でも度肝を抜かれた。

  • 1年くらい前に読んで、今日また読んだのですが、2回とも泣かされました笑笑

    ラッカウスとシースティが塔から逃げた時、どこかでは逃げることなど出来ないと分かっていながら、シースティが街に出た時の髪の長さを気にしたり、靴の心配をしたりする所で、本当に悲しい運命だと思いました。

    ラッカウスが、声にならない声で、

    シースティ。ひとつだけ、せめてひとつだけ、約束を守ろう。これからはずっと一緒だ。一緒に夢を見ていよう。世界が終わる、その時まで

    と言うシーンでは涙腺崩壊でした。

    今も、2人が眠り続けるなら、あの時逃げることが出来たら、どっちが幸せだろうと、考えました。

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