超訳百人一首 うた恋い。3

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  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040666952

感想・レビュー・書評

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  • 今回は全編が清少納言のお話でした・・・。
    ほんま、ひつこいけど百人一首の裏側にここまでのストーリーがあるとは・・・。
    こうやって小話ばっかりで大河にすればいいのに・・・(すでに「大」河ではない)。

    枕草子はもちろん古典の授業でやったので、このまんがの清少納言はイメージピッタリ。笑
    若いころの
    「初心な感じ」@藤原実方
    は、ちょっとびっくりしたけど、才女であるとか、感性が豊かとか、定子をとても好きだったこととか、そういうのは全部、私ごときにも伝わってるな! すごいな、清少納言!! 笑

    (平家物語とか、あっちのほうがようわかってへんで。笑)

    (ちなみに一番「面白いなー」と思ったのは「大鏡」やったなァ・・・)


    しかし・・・・・!!!

    これまで、1でも2でもすっごい素敵~ィなラブストーリーを見てきたけど、清少納言と行成のあの雪の中のチューは、

    すっごい、よかったよね・・・!!!


    なんでやろう、おしなべて、
    不遇な幼少期からの、ときめく青年期で、人生の最後はひっそりと・・・
    ちゅう流れになりがちのような気がするんやけど(物語にしようと思ったらやっぱりそうなるのか)、1冊を通して清少納言という女性を見て、実方にだけ認められればいいと思っていたころが幸せやったのかなと思う。

    しかも実方なんて、イケメンやろ!! 笑
    優しいわイケメンやわ甲斐性あるわ、そんな(年上の)人に認められて、その人のためだけに生きていくのも幸せやったんかなあ。

    そこを逃した清少納言は次に行成と出会うわけやけど、そのころにはすっかり世慣れちゃって、6つも年下の行成には踏み切れない。

    そうこうしているうちに、自分を取り巻く環境がどんどん変わって、定子が崩御したあとは摂津に下ってひっそりと生きることになったわけよ。

    彼女の人生の転換期には、「そっちじゃない」方を選べば「それなりの」幸せが待っていたはずやのになあ、と、思わずにいられない。

    でも、「そっちじゃない」方を選ばなかった彼女が選んだものはなにかっちゅうったら、

    自分

    やったのねえ。

    自分の才覚だけを選んで、最後まできた。
    せやから、いろいろなものが去っていっても、最後まで自分だけは残ったのか・・・。

    そう思うと、

    「ええやんか・・・!」

    って思っちゃうのよ。

    2巻でも似たような女性を読んだよな! 小野小町!!
    彼女は、清少納言とは逆に(まあ、身分も全然違うけど・・・)、妻にしてくれる男性を袖にして自分の道を選んだわけやけど、やっぱり最終的には自分だけが残ってた。

    小野小町も、この清少納言も、
    「楽しかった思い出にすがるのではなくて、これから生きていく糧にしよう」
    と、結論づけてる。

    強いわ。カッコいいわ。

    好きになるのも素敵なこと。我を忘れて没頭するのもいい。
    でも、自分に最後まで寄り添うのは他でもない自分だということは、忘れないでいこう。

    ・・・とか、思った。
    だから、行成とのキスシーンがなんともこう、うわーっ!! って思ったの。
    慰め合うでもない、縛り付けるわけでもない、寄り添うようなこのキスが、すっごい、よかった。


    しかしこのまんがは「いい男」ばっかり登場するな! さすが少女まんが。
    ここに一番、ほだされそうやけど(笑)現実の多くは、ここまで女性のことを思いやれる人はすくないやろうねェ・・・(小声)(笑)。

    (2016.06.11)

  • 漫画は基本ブクログに記録しないけどこれは解説書的な部分もあるから記録。枕草子で有名な清少納言を取り巻く和歌物語が描かれた漫画。清少納言、賢くて感性豊かなイメージだけど女に学は必要ないって時代に男を学で打ち負かしてる姿が描かれていて結構勝気みたい。百人一首は62番『夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ』、この和歌は中国の歴史書『史記』(朝にならないと開かない関所で鶏の鳴き真似をして関守を騙して開けさせた唐士の話。)の故事を取り入れいるらしい、賢すぎる。枕草子、春はあけぼの〜の部分だけ学生時代授業でやったけど、清少納言が仕えていた定子がどう描かれいるのか、宮仕えはどんな感じなのか、結末はどうなっているのか興味があるから2023年に枕草子の現代語訳を学習漫画でもなんでもいいから読むのが目標。

  • 今回の主役は清少納言。(生まれもった家柄は必須だが)博学で弁が立つ彼女が宮仕えを望むのは必然。が、それゆえに一人の男をただ待つような当時の女性として当たり前の幸せは手に出来ず苦しい思いも多々あったのではないだろうか。『枕草子』には当時の宮中の様子が綴られているが、ともに一条中宮定子を案じ慕う思いや、恋を捨て文学に生きた彼女のプライドも感じる。 また一条中宮定子の親である道隆と高内侍の恋物語が良かった!家柄ぬきで惚れた高内侍を口説き、生涯正妻として大切にした道隆が、カッコイイ( ๑˃̶ ॣꇴ ॣ˂̶)♪⁺

  • 超訳百人一首「うた恋。」シリーズ三巻目の主な主軸は「枕草子」で有名な「清少納言」。青い鳥文庫で「枕草子」を読んでから、「もっと清少納言について知りたい!」と思ったとき、パッと頭に浮かんだのがこの漫画です。改めて読むと、杉田圭さんの表現力の高さに感嘆のため息が出る。そこに、超訳された百人一首の和歌が添えられ、物語に深みが増す。何度でも読み返したい、そう思わせる漫画でした。

  • 清少納言巻

    どんな人生にもその人なりの蓄積があるって、良い台詞だ。

  • 名古曽の滝が好き。

  • 一番ぐっと来たのは、清少納言の父である、清原元輔。

    好きだった彼女が別の人と結婚してしまって、彼女を責めることはできないと言う息子に対して、
    「責めるくらいのことはしてやりなさい」
    といって和歌を代筆(史実かどうかは諸説有るそう)。そして、息子に対しては、
    「二年間、よく想い続けた」
    と…。

    若い二人がいちばん必要としていたものを、当人たち以上に理解して、差し出す。こんな風に自分の能力を使える人がいるんだな。お父さん自身もいろんな経験をしてきたんだろうな、と想像してしまう。

    こんなお父さんを持った清少納言が清少納言なわけだ。いい親子だなぁ。

  • 「うた恋い」更に続編です。
    今回主に出てくるのは清少納言です。
    彼女も初めはうぶだったことが伺えます。
    (藤原実方との恋がそうだったらしい)
    どんどん聡明で魅力的な女性になるものの、恋が終わった
    後の伝承が伝わってないのが不思議です。
    私はこれを読んで紫式部よりも清少納言の方が好きに
    なりました(紫式部は1巻に出てくる)。
    最後はまた切なくなりました。どの巻も切なくなる
    話ですが私はどれも満点をつけました。
    清原元輔(清少納言の父)もしぶくていい。

  • 「信じるものがない人生は、死に等しい。」
    いい言葉だと思った。裏切られるかもしれなくとも、結ばれるとは限らなくても、私も力いっぱい恋がしたい。
    ただの歴史パロディ漫画と侮ることなかれ。

  • ネットで購入。
    現代とはまったく異なった、平安時代の恋愛事情を、百人一首の歌を中心に描かれている。
    子供が百人一首に少しでも触れることで、興味を持ってくれれば・・・と思って購入したが、全く興味を持たず、失敗。

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著者プロフィール

鹿児島県出身。静岡大学卒業。

「2023年 『新版 超訳百人一首 うた恋い。 1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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