短歌ください そのニ (ダ・ヴィンチブックス)

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  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040663685

作品紹介・あらすじ

読者の短歌を歌人・穂村弘が講評。実践的短歌入門。

感想・レビュー・書評

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  • ダ・ヴィンチ の読者から寄せられた短歌から、穂村弘氏が傑作を選出。氏の鮮やかな講評が、それぞれの短歌の魅力を引き立てる。
     …さすがの傑作選。好きな作品に、付箋をつけていたら、とてもの数に、なってしまった。どうしよう。図書館から借りた本だけど、この本欲しいな。でも、好きな短歌、絞り込みました。


    心臓で封をしたので心臓がなくなってくるしいです、よんで

    「まだそんな幼いことをやってるの」言いつつ涙溢れるばかり

    コンタクト?裸眼?待ってて当てるからあとすこし
    君のまっくろな目

    「元気をもらいました!もっと元気をください!」と迫り来る少女たち

    月の裏だけを見ないで大丈夫あなた唾液で妊娠できる

    わたしの声が君の髪がた縛ってる(忘れていいよ、
    忘れていいよ、)

    「そのコート素敵な闇の色ですね」君に心を持って行かれる

    しゃぼんだまつくって笑い転げてる殺すと書いたTシャツを着て

    切り落としたカイワレの根に水をやる母さん僕は生きるようです

    きっともう神様だって忘れてるわたしを電子レンジが呼んでる

    動物は何も言わずに死んでゆく人間だけが、とてもうるさい
    、、、愛猫ミィが、亡くなるまえ、死にたくないよ、というように、ガォゥ、と、3度、鳴きました。そのことを思い出しました。、、、


    ほんとうの事を言っておののかせ靴も履かずに自転車を漕ぐ
     
    一生をかけてもわたしにつくれない電子レンジを
    100円で売る

    どうしようもなくとくべつなあなた 指差されたら死んでしまうわ

    読みかたのわからぬ名前のバス停で死んだ犬など思い出してる

    きみの手の甲にほくろがあるでしょうそれは私が飛び込んだ痕


    、、、ここまで読んで頂いた皆様、ありがとうございました。


    りまの



  • 正しく、は覚えていないが
        (覚えられないが。が、正解)

    あの日、穂村さんは
    海がめの背に乗って手榴弾のピンを抜き、
    明けたばかりの空を吹っ飛ばした。

    この目で見たワケじゃないのに、
    しっかり記憶に焼き付けられている
    この光景って一体…

    言葉は不思議で面白い。
    ( )と( )の組み合わせ次第で
    時に核爆発を起こすことだって有りうる。

    穂村さんの元へと集まった
    短歌は私の胸のなかで、
    ぼんっ、ぼんっとおもしろいくらいに
    連続爆破し続けた。

    歌に寄せた穂村さんの評価も楽しい歌集。

  • その1が面白かったので読んだ。
    他の本の合間に読めてよい。
    だんだん短歌の間合いが分かってきた気がする。


    「てっぺんに0120つけたよな君の愛ってすげぇ気楽ね」
    という短歌がよかった。
    自分が損することはないという保証された安全圏でしか動かない人のこと。こう表現するのか…!と感動した。0120…そうだな…

  • 『ダ・ヴィンチ』連載コーナーをまとめた本の第2弾。
    投稿されている方々のレベルの高さに舌を巻いてしまいました。
    世の中をこんな風に捉えられる人が、こんなにたくさんいるのか…!

    やはり意外な言葉の組み合わせにドキドキさせられることが多かったです。
    それから、こわい歌。
    「こわい歌はいい歌」とほむらさんも仰っていますが、甘い歌よりもほんわかした歌よりも、強烈なイメージを残していくのが印象的でした。

    ほむらさんのコメントがいいなぁ。
    読者への短歌募集の呼びかけも、「何首までって上限はありません」とか「もっとください」…なんて、なんだかちょっと頼りない感じが可愛らしくて、くいっと胸のどこかに引っかかるのです。

    第3弾も期待。

  • 第二弾。読み終えて既に第三弾が楽しみ。
    最後の「もっとください」が何か可愛い。

  • ダ・ヴィンチ掲載の短歌コーナーをまとめた一冊。
    前回同様に各回のお題と自由テーマの構成で、投稿作品にコメントを加える。
    どれも味わい深いしほむほむのコメントもよい。
    不幸な体験や記憶、境遇を詠んだ作品について、それを言葉に落としこむことに価値を置くところが素敵だと思う。
    ”「弱さ」の松葉杖として言葉というものが必要になる”というのはほむほむの歌でも感じられる内容。

    でもそろそろエッセイの新作が読みたいです。

    =======
    エスカルゴ用の食器があるのだし私のための法で裁いて
    行ったのか待てば来るのかバス停で本当のことはわからずにいる
    図書館の駐輪場にあるチャリに札がついてる「僧侶専用」
    家がもしお菓子で出来てたとしてもやっぱり床は食べないと思う
    屋上に行きたいねって話してるどうしてなんて誰も聞かずに
    死ぬときにこの手握ってくれる人募集中 すこし急いでいます
    旅行だしちょっといいメシ食べようとコンビニでいくらのおにぎり買った
    戦場に行くバスに乗る ポケットに酔い止めの薬だけを入れて
    一人閉じ それを見てまた一人閉じ 最初に傘を閉じたのは誰

  • ダ・ヴィンチの読者投稿による短歌集。
    分かり易くセンス溢れる作品が多くてとても面白い。
    色々な人の短歌を読めるのも嬉しい。

  • 詩とか短歌とかって素敵だな。
    人生にあるとないのとじゃ
    ぜんぜん違ってくるだろうな。
    今回もざわざわさせていただいたし、
    きれいだなあと思った。
    本の中輝いてるなと。やっぱ言葉だなぁ。
    見慣れたものが見たことないものに見えてくる感覚って大事だな。

  • 雑誌ダ・ヴィンチで募集した短歌を紹介する『短歌ください』第二弾。

    今回もしっかりじっくり味わってページをめくった。
    自分では感じられないもの、見えないものを切り取った言葉たちが、こんなにも心をふるわせる。短歌ってすごい。

    <テーマ>
    罪/同性/数字/自然/体/味/エロ/距離/声/欲望/恐怖/年齢/植物/パニック/遊び/仕事/服/料理/幸福/インターネット/風邪/風呂/年齢/地元/日常/言葉/性格/電化製品/旅/戦争

  • おもしろかったです。
    昔『ダヴィンチ』は毎月買ってたんだけどやめてしまったので、
    このコーナーがあるのならまた購読しようかなと思うぐらいおもしろかったです。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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