短歌ください 双子でも片方は泣く夜もある篇

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 298
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040654423

作品紹介・あらすじ

双子でも片方は泣く夜もあるラッキーアイテムハンカチだった(こんこん・女・34歳)……歌人・穂村弘が、読者から届いた短歌を選び、講評する『ダ・ヴィンチ』の人気連載30回分が1冊に。読めばおもわず短歌を詠んでみたくなる実践的短歌入門であると同時に、短歌の魅力を際立たせる講評が、言葉のワンダーに触れるエッセイとしても味わえる。

感想・レビュー・書評

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  • 雑誌『ダ・ヴィンチ』の好評連載、『短歌ください』書籍化第4弾。
    投稿されてきた短歌から、歌人穂村弘さんが選び、講評する。

    表紙がウクライナカラーっぽい。(偶然だけど)
    毎回鋭い切り口の歌に唸らさせてる。
    日常の切り取り方によって、世界はこんなにも違って見える。
    一首読む毎に、ふだん見慣れた世界が、俄然輝きはじめるのだ。
    眩くも、ダークにも。

    ひとは、というか、生き物は、みな違う世界を生きている、とよく言われる。
    見えているものも、聴こえているものも、もちろん、考えていることも違う。
    そんな皆さんの短歌を読んで、それぞれの「わたくしの感じる世界」の、一部を共有できることが嬉しい。


    • 地球っこさん
      5552さん

      NHK短歌、佳作おめでとうございます!!
      5552さん

      NHK短歌、佳作おめでとうございます!!
      2023/08/29
    • 5552さん
      地球っこさん

      ありがとうございます!
      お祝いの言葉、嬉しいです♡
      地球っこさん

      ありがとうございます!
      お祝いの言葉、嬉しいです♡
      2023/08/29
  • ダ・ヴィンチの読者から寄せられた短歌から、穂村弘氏が傑作を選出。「短歌ください」の単行本第四弾。連載開始から10年。投稿者の中から歌集を出版して、プロの歌人への道を歩み出した人も数多く現れました。さらに投稿数が増え、全体のレベルが高くなっています。でも、そのハードルを越えて、新しい才能が次々に登場しています。息を飲むような傑作に出会う喜び。
    、、、図書館から借りた本なのに、貸し出し期限が過ぎてしまった。読んでいくと、本当に傑作だらけ。好きな歌、紹介します。


    ご一緒にポテトはどうでしょうかよりポテト買えならMサイズ買う

    猫を抱き少女が歩く本当は抱いてないんだ生えているんだ

    動物と話ができて平気なの先生はもう気がふれてるの
    、、、「ドリトル先生です」との作者コメントあり。


    そこにいた。夏休み中そこにいた。きみがみてなくてもそこにいた。

    この髪にしてくださいと見せたのは兵を率いる
    ジャンヌ・ダルク

    今なにをしてますか 私 私はね すべてが不思議でならないのです

    愛猫が殺された〜って三時間君が泣いたから俺は
    ムショにいる
    、、、「全員に子猫の死体に向かって土下座させた罪です」という作者のコメントあり。


    しろが殺されているのにめでたしで結ばれているお話でした。
    、、、はなさかじいさんのお話。


    無防備なまま汚されていく雪はなにも言わない
    わたしは痛い

    怖いのでしょう私のことが占いの良いことだけを信じる女が

    生命線ないと言うから相性を知るより先にきみに恋した

    風邪ひきの私を見てから別れなよ 戦闘モードの女の凄さを

    壁ドンをしてくる男子を払いのけ狼を撃つために帰った

    いつまでも お前を好きだと思うなよ 縄文時代の話をすんな

    こんなにもきみを検索してしまうわたしを誰も罰してくれない

    ゴミ箱のあり達今すぐ出て行きなさい君達はゴミじゃないから

    白いサンダルはあの子のものだった絶対敵うはずがなかった

    あのときにちょうど手紙を書いていたひともいただろうそして閃光

    男の子みたいに髪を切ったから月の匂いもはっきりわかる

    ふと見ると彼は私を見つめてた 日本語にしてカフェを出る朝
    、、、「素敵な例文が多すぎる英語教材」という作者のコメントあり。


    さされたと嘘つきましたごめんなさいくらげのことは何も知らない

    君が溺れたら私は泳げないけど美しい絵として観るね

    いま、いま、と蝶が車にぶつかってとぎれとぎれの時間になった

    火と雪がおなじ匂いであることのたしかさ
     きみを迎えにいくよ

    「美味しい?」ときかれたりするときなどに、死ねと思います。長生きしてね。

    父さんは好きに生きろと言うけれど母さんもういないのよ無理よ

    やめときな痛い目見るよこれ以上なんてねうそだよ痛い目見よう


    物騒な花言葉見てこみ上げる笑いは主にあなたのせいだ

    こんなにもハッキリ聞こえるこの音を幻聴というあなた、本物?



    、、、ここまで読んで頂いた皆様、ありがとうございました。

    りまの

  • 面白かった。題名の一部になっている歌は「占い」がテーマの歌。ここから歌集をだすような人も生まれているとのこと。穂村さんの解説と本人のコメントで、自分の中にわかる感覚が芽生える瞬間がたまらない。

  • 短歌。
    自由で、瑞々しくて驚きました。
    すぐそばにある風景や言葉に
    グッときたり
    クスッとしたり。

    解説が入っているので
    私のような初心者に最適。
    ハマりそうな予感しかない。

  • 短歌集は読んだことも、読もうと思ったこともなかったが、高橋源一郎さんのラジオにゲストで出た穂村さんの話がとてもおもしろくて、興味を持った。
    応募してきた短歌と穂村さんの解説がセットになったいておもしろい。
    短歌って自由なんだ。
    最終章のテーマ「父」のディスり具合が衝撃的。

  • ダ・ヴィンチでも好きなコーナー。読書時間は短いが、はっとした歌は余韻で頭が酔った感じになる。

  • 穂村さんが好きなので読んでみた。様々なテーマに沿った短歌、みんなよく思いつくなぁと感心しながら。穂村さんの解説もやさしくて良い。特に気に入ったものは『いつまでも お前を好きだと思うなよ 縄文時代の話をすんな』。装丁もすてき!

  • 2020.11.08

    もうドキドキする作品がいっぱい!
    短歌はもっと自由でいい

  • 図書館で借りたもの。
    『ダ・ヴィンチ』の読者投稿コーナーに寄せられた短歌から、人気歌人・穂村弘がテーマごとに傑作を選出。それぞれの短歌に鮮やかな講評を付す。

    最近、短歌っていいなって思ってて読んでみた。
    面白いのばっかりだったし、こんなに自由でいいんだって目からウロコ!
    この本は第4弾らしいので、前のも読んでみよう~。

    以下、印象に残った短歌とそのテーマ

    先生
    体育祭もだるそうにしゃがむ先生は人間だったから好きだった

    床屋
    24年前から床屋の本棚の漫画が変わっていないようだが

    自由題
    たましいのジャンルが違う人といていつもは食べない部分も食べる

    自由題
    目覚めたら君が住んでる街にいる夜行バスって瞬きみたい

    自由題
    地震です あなたもどこかでゆれている あっとか言って別の誰かと

    男子
    小1に上がった甥がオレというオにアクセントは初心者マーク

    女子
    「あたし」って打つ子に「私」で打ち返す今の私は嫌な顔してる

    夏休み
    「夏休み おばあちゃんちに行きました」そこにはおじいちゃんもいたのに

    昼寝
    カーテンが夜を創ってくれるからわたしがそれを本物にする

    スポーツ
    試合前緊張しすぎて無意識にボトル空にし次は吐きそう

    引越し
    10センチ足りないカーテンの下しらじらと見慣れない朝





    自分で詠んでみたやつ
    前髪を 切られすぎて 笑う君 もう少しだけ ママに切らせて
    悲鳴あげ よく見たらそれは くわがたの おもちゃだった 誰が置いたの

  • 相変わらず良いなあ!わたしは少ない言葉からいろんな意味を汲み取れるような文を書くのも読むのも苦手で(読むのは嫌いではなくただ苦手)、短歌や俳句なんて本当にただすごいなあと感嘆するしかないんですが、これ、プロの人のものを読むよりそういう特集だから穂村さんの解説と一緒に読めるのが、あと同じテーマに集まるいろんな価値観をいっぺんに読めるのが、いいなあ。フレーズのところに好きな歌厳選のみっつ。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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