博物館の少女 騒がしい幽霊

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784038145209

作品紹介・あらすじ

明治16年秋、博物館の怪異研究所で働くイカルは、突然の指名で、陸軍卿、大山巌とその婚約者、山川捨松の博物館観覧に同伴することになる。11歳で渡米し、大学卒業後に帰国した捨松の身の上を聞き、その聡明さと温かい人柄にひかれたイカルは、巌と捨松の結婚について、それぞれが仇敵である薩摩と会津の出身であることを根拠に、あらぬうわさが立てられていることに憤慨する。そんなある日、捨松の兄、山川健次郎が怪異研究所にやってくる。捨松と巌の結婚後、大山邸で続いている怪異現象について調査してほしいというのだ。所長のトノサマは、巌と亡くなった先妻との子どもの教育係として、イカルを大山邸に送りこむことを思いつく。

感想・レビュー・書評

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  • 祝トーハク創立150年! 富安陽子さん最新作『博物館の少女』の舞台について | Kaisei web | 偕成社のウェブマガジン
    https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/s/editor/edt210126/

    富安 陽子(著者詳細情報) | 絵本ナビ | 作品一覧・プロフィール
    https://www.ehonnavi.net/author.asp?n=473

    禅之助|note
    https://note.com/zennosuke/

    日々のラクガキ
    https://rakugakineko.tumblr.com/

    博物館の少女 騒がしい幽霊 | 偕成社 | 児童書出版社
    https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784038145209

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ベスト 『博物館の少女 騒がしい幽霊』 | 教文館ナルニア国
      https://onl.sc/q43wHh2
      ベスト 『博物館の少女 騒がしい幽霊』 | 教文館ナルニア国
      https://onl.sc/q43wHh2
      2023/10/11
  • 博物館怪異研究所、謎解き物語シリーズ2の一冊。

    副題通り、騒がしい怪異をポイントに繰り広げられる謎解き物語は期待以上に満足な読み応えがうれしい。

    深みが増した人物像はもちろん、謎解き部分は伏線もしっかり味わえる楽しさ。

    実在人物、大山巌、山川捨松夫妻の大山邸へ出張怪異調査。
    出会いとイカルが目に耳にするものに心ワクワクし、捨松の一人の女性、そして母である描き方にも魅了された。

    一つの謎は謎のままで…そこもきちんとツボを押してくるのも心ニクい。

    読後はぐんと微笑ましく見える表紙。

    良き人との出会いが今後も続きますように。

    • しずくさん
      くるたんさんへ

      >一つの謎は謎のままで…そこもきちんとツボを押してくるのも心ニクい。
      なるほど、そういう見方もありますね! 
      参考になりま...
      くるたんさんへ

      >一つの謎は謎のままで…そこもきちんとツボを押してくるのも心ニクい。
      なるほど、そういう見方もありますね! 
      参考になりました、ありがとうございます。
      2024/03/17
    • くるたんさん
      しずくさん♪
      こんにちは、コメントありがとうございます♪

      あれって…?と、読み手にいろいろ想像させるのも好きなんで、こういうのもいいかな〜...
      しずくさん♪
      こんにちは、コメントありがとうございます♪

      あれって…?と、読み手にいろいろ想像させるのも好きなんで、こういうのもいいかな〜なんて思いました✩⡱

      時代背景も知れるシリーズですね¨̮♡
      2024/03/17
  • 博物館の少女シリーズ第2弾。
    面白くって読み終わりたくなかったわい。
    ってくらい面白い(⁠^⁠^⁠)
    イカルちゃんの安定の可愛らしさにラブ♡

    今回は、実在の人物・山川捨松という女性が登場。
    幕末の戦争で宿敵であった人物と結婚。
    この物語の中で、捨松のことをあれこれ悪く書く新聞記事が出てくるけど、
    実際にも世間から相当叩かれたんだろうな。
    一方では女性教育に情熱を注いだ生涯を送る。

    信念が強くて賢い、素晴らしい女性が明治の時代にいたことに感動☆

    そして捨松の困りごとを、イカルちゃんの活躍により解決。
    結構後半は怖くてぞわっとする場面も。

    そしてアキラくんとのほんのり恋の予感も続行中♡

    いい物語でした!

  • 『博物館の少女 怪異研究事始め』の続編。” 騒がしい幽霊”という副タイトルは、大山巌とその婚約者・山川捨松の婚姻が素材となっていた。2人が仇敵である薩摩と会津の出身であることを根拠に、反対する輩たちがあらぬ噂を立て大山邸では怪異現象が続いている。自身の故郷が鹿児島のために、当時そんな風潮だったと初めて知り今更ながら刺激された。相談を受け、所長は大山邸に巌と亡き先妻との子どもの教育係としてイカルを送り込む。
    『博物館の少女 怪異研究事始め』では、隠れキリシタンゆかりの品である黒手匣の落ち着きどころが気に入ったけれどhttps://booklog.jp/users/lemontea393/archives/1/4038145107、今回は大山邸で夜な夜な現れる幽霊たちや怪奇現象の落とし所が物足りなく尻すぼみに感じられて残念。

  • なかなか面白かった!イカルさんの上品なお話の仕方、真似たい!13歳で本当にしっかりしてる。第一作品目も読みたい

  • 上野の博物館にある怪異研究所でトノサマこと所長の助手として働くイカルの第二話。
    今回は、大山巌邸で起こっている謎の幽霊事件に関わることになる。実在の大山捨松とその子どもたちが重要な登場人物。他にも、実在の人物が登場し、その人たちの業績がストーリーにも影響してくる。謎解きもあるけれど、不思議な出来事も不思議なこととして描かれていて冨安さんらしい。

  • 第2巻。山川捨松や大山巌といった、さらなる実在の人物も登場して、ますますにぎやかに華やかに展開する。
    そんななかで、母を亡くし、義母(捨松)になつかない子どもたちに家庭教師として手習いと算数を教えるいかる。年も近いいかるが、すっかり子どもたちの心をつかむ様子が自然に描かれていて、心が和む。

    大山屋敷で頻発する事件と怪異(ポルターガイスト?)。
    ミステリーとして解きあかされる部分と、ちゃんとした(?)怪異とのバランスがとてもよくて、今回も楽しかった。大好き。

  • 陸軍卿の大山巌と、その新妻捨松の屋敷で起こる怪異について、研究所に相談が持ち込まれた。イカルは卿の娘たちの家庭教師として務めることになり……。

    面白くてまたまた一気読み!!歴史物と、ミステリと、怪異のマリアージュとでもいうべきか。明治という時代だからこそそれがファンタジーではなく、現実にうまくとけこんでいる。
    児童書とはいうものの、子どもには意味がわからないでしょうと言葉を優しくするのではなく、その時代らしい雰囲気をそのままの言葉で表しているところも好きだ。
    日本史選択ではないので、そんなに詳しいわけではないけれど、捨松さんの存在は知っていた(柚木麻子さんの『らんたん』参照)。それ以外にも知っている人物の名前がちょこっと出てくるたびに、うれしくなる。そして、歴史的な事実をうまく物語に取り入れて、読者の知識にしてくれるところが、本当にうまい。例えば会津藩と薩摩藩の関係とか、葛飾北斎の絵の価値とか、指紋の研究とか。
    それでいて、現在にもつながる「女と教育」「偉大な親を持つ苦悩」など、考えさせるテーマについても描かれている。
    表紙ではちょっと意外な姿を見せてくれたイカル。これもちゃんと回収してくれるのがうれしい。アキラとイカルにもこれから進展はあるのだろうか?次巻が楽しみだ!!

  • Net galleryで先行。
    こんなに早く続編を読むことができるなんて、思ってもみなかった。何というしあわせ。少しずつ読もうと思っていたのに、やめられずに読み進めてしまった。
    誰かが誰かを思う物語。

    出版社紹介
    https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784038145209

  • 間違えて2巻目を先に読んでしまったらしい。とくに問題はなかったけれど、やはり順番に読むべきだったと思う。上野の博物館にある怪異研究所で働くイカル。友人が河鍋暁斎の娘だったり、津田梅子と一緒に留学した女性が登場したりと、当時の有名人も登場する。面白いんだけれど、最後がちょっとしっくりこない気がする。

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著者プロフィール

1959年生まれ。1991年『クヌギ林のザワザワ荘』(あかね書房)で第24回日本児童文学者協会賞新人賞、第40回小学館文学賞を受賞、1997年「小さなスズナ姫」シリーズ(偕成社)で第15回新美南吉児童文学賞を受賞、2001年『空へつづく神話』(偕成社)で第48回産経児童出版文化賞を受賞、『盆まねき』(偕成社)により2011年第49回野間児童文芸賞、2012年第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞、2021年『さくらの谷』(絵・松成真理子 偕成社)で第52回講談社絵本賞を受賞。絵本に「やまんばのむすめ まゆのおはなし」シリーズ(絵・降矢なな 福音館書店)、「オニのサラリーマン」シリーズ(絵・大島妙子 福音館書店)などがある。

「2023年 『そらうみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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