- Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037500801
作品紹介・あらすじ
タルシュ帝国がせまり、不安がたかまる新ヨゴ皇国。皇太子チャグムは罠と知りながら、隣国の救援にむかう。海を越え、チャグムのはるかな旅がはじまる。
感想・レビュー・書評
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(2015年1月25日 再読)
シリーズ通して、この話がいちばん好きかも!やっぱり!
チャグムがとても聡明で勇敢で清廉で、なのに弱くて危うくて青い。
その強かさとナイーブさがたまらないです。
実写ドラマ化という話を聞いてから、チャグムは神木隆之介くんのイメージしかないんだけど、どうにか実現しないかな。
精霊の守り人からは無理としても、この蒼路の旅人は15歳...なんとかいけんじゃない?
最初からチャグムが好きなので、むしろ旅人シリーズが好きなので、彼のこの成長と活躍はすごい痺れます。
今回出番は少ないけど、シュガも好き!
天と地の守り人も一気に読むぞー! -
チャグムの捨身の計画が動き始める。
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いよいよクライマックスに近づいてきた感じがしてワクワクする。
バルサが登場してなくても、しっかりバルサの存在がある不思議。
次は長編なので、一気読みだろうけど、終わっちゃう寂しさもあり、なかなか手を出せずにいる -
このシリーズの中で、私は今のところこの本が一番好き。
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なぜか人を引きつけるチャグム。バルサがどうしてここまで惚れ込むのか今までわからないところがあったが、今作ではなんとなくそのあたりを読者に理解させる描写が多い。ヒュウゴもそうだが、一緒にいた呪術師弟ソドクも「なんだか不思議なやつだ。肩入れしたくなる」みたいなことを言うのだけど、そのあたりが好きだ。p.250
チャグムだけでなく、登場人物それぞれの立場からの正論、筋の通し方がとても面白い。リアルさとでもいうのか。
旧ヨゴ皇国ってやつは地理的にもっと遠い存在で簡単には行けないところかと思っていたが、船で簡単?にたどりつけてちょっと想定外だった。
それにしても新ヨゴは閉鎖的すぎる。外部の状況を知らなさすぎ。帝の志向が思いっきり反映されているのかもしれないけど。
タルシュは強大すぎ。それなら、前作に出てきた「タルハマヤ」をタルシュにぶつければいいのに、とか思った。 -
チャグムは新ヨゴ皇国の皇太子という立場にありながら、父に疎まれ、宮廷では孤立しがち。
頼りのシュガは星読み博士で教育係ですが、国のために働くには、チャグムだけに荷担するようなそぶりを見せるわけにはいかなくなっていきます。
南方の大国・タルシュ帝国の脅威が迫り、サンガル王国から救援の依頼が。
罠と知りつつも、かって訪問した縁もあって、救援に行きたいと望んだチャグム。
捕虜になり、タルシュ帝国の圧倒的な力を見せつけられます。
チャグムを護送するタルシュの密偵・ヒュウゴはタルシュに征服されて衰退したヨゴ皇国の出身。チャグムには見所があると感じるヒュウゴ。
舟の上で、次第に心通わせる二人ですが…
バルサに鍛えられてきびきびと働くことが出来て、ぞうきんを絞るのが上手だったりするチャグム。
生き抜く道はあるのか?
絶望的な状況の中でも、まわりの人を惹きつける素直な若さが光ります。
背はだいぶ伸びてきたけどまだほっそりした体格という。清新な10代の少年が成長していく様子が、いきいきとみずみずしく描かれています。
ええ?という所で終わりますが…
さあ、次はバルサも出てくるのかな…?! -
ああ面白かった。こんなに本に没頭したのは久しぶりです!
この本を手に入れた当初は、国の行く末が中心の話であることと、バルサが出てこないことが理由で三分の一ほど読んだ所で放置していました。
ところがもう一度最初から読み返してみたら、もう止まりません。一晩で読破しました。
今回のお話は国と国との駆け引きという重厚で複雑な物語なので、守人シリーズのような幻想的で不思議な世界観は、あまり前面へ出ていません。
しかし、だからこそ、このシリーズの綿密に組まれた勢力図や国の特色などの設定が、蒼路の旅人で十分力を発揮していると思います。
しかも、相変わらず丁寧で優しさを感じる文章で心地よいです。もちろん食べ物もおいしそう!
チャグムは大人になった私が過去に捨ててきたいろんな物を持ったまま、大人になろうとしています。捨てた物から目を背けた私には、大いに怒り、悩むチャグムがまぶしく映り、時には心をえぐられる気分になります…。
帝に疎まれ命を狙われようとも、それでも父を死なせたくないと願うチャグムは、本当は父の愛を欲しているのでしょうか。心優しき皇太子に、ツアラ・カシーナの加護がありますように。
あー、完結してから読んで良かった!続きが気になる!