- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037500207
作品紹介・あらすじ
女ながら、腕のたつ用心棒である、バルサは、新ヨゴ皇国の皇子チャグムの命をすくうだが、このチャグム皇子は、ふしぎな運命を背負わされていた"精霊の守り人"となったチャグム皇子を追って、ふたつの影が動きはじめバルサの目にみえぬ追手から命がけでチャグムを守る…野間児童文芸新人賞。産経児童出版文化賞。路傍の石文学賞受賞。
感想・レビュー・書評
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もう10年以上前、小学生か中学生の時にお小遣いで買った大好きな作品を再読。
上橋菜穂子さんの作品に出てくる食べ物ってすごく美味しそうで魅力的。独特の甘辛い香辛料で煮付けた魚、タレがしみたご飯、読んでるだけで口の中に唾がたくさんわいてくる。
これは全10巻のシリーズの第1巻目。新ヨゴ王国第二皇子のチャグムが、目には見えないもう一つの世界の水の精霊の卵を身に生み付けられていて、ひょんなことから女主人公の用心棒・バルサがチャグムを守ることになる話。当時2巻目の『闇の守り人』から読み始めた私的に、シリーズものだけど1話完結的な楽しみ方もできると思う。
呪術師のおばあさんトロガイ、その弟子タンダ、宮に仕える若き星読み博士のシュガとか、キャラが濃くて素敵な登場人物が多いのも魅力。
幼かった頃に好きだったお話って、時を経て読み返しても色褪せないどころか、もっと違う良さを感じられる気がする。
夏の終わりに、童心を思い出しつつの読書体験、贅沢な時間だった。 -
(2014年10月2日 再読)
「みをつくし料理帖」、「RDG」シリーズに続いて、「獣の奏者」を読み返そうかなと思っていたのですが、まさかの「守り人」シリーズ実写化!!の話を聞いて、バルサとの再会を優先させました。
綾瀬はるかかぁ~と思って読むと、意外と最初の印象より違和感ないかも?
うんうん、悪くないかも、いけるかも。
タンダやチャグムは誰が演じるのかな。
初めて読んだときは、面白かったけど、そこまではまらなくて、盛り上がったの実は「虚空の旅人」からなんですよね。
何気にチャグム押しなので。
でも2回目、すごくおもしろかった。
2回目の方がすごく面白いってのは、本物だと思う。 -
アジアのファンタジー
チャグムの成長 別れ
男子を育てていた母としては心に染みる
これはアニメにもなってますよね -
「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ。
不幸がいくら、幸福がいくらあった。
金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。」(246 ページ)
自分で望んだわけではない運命。
それでも、自分をいやおうなしに動かしてしまう、
その大きななにか怒りを感じる小さな主人公。
自分をとりまく世界が目まぐるしく変わる中、
後悔や幸せを噛みしめながら、
大人も子供も必死に、たくましく、
もがいて生きぬいていく物語り。 -
ドラマ化したファンタジー物語がこんなルビも沢山ふられた児童向けの一冊だとは思わなかった。
軽装版は漢字を増やしてくれたようでありがたい。
何と言っても、30歳の槍使いの用心棒という、他にない主人公像が魅力。
面白かったです。 -
ずっとずっと気にはなっていたが、なかなか一歩を踏み出せずにいた本の一つ。
なぜなら読み出したら最後、その世界に引きこまれてしまい、現実世界に帰ってこれなくなりそうだったから…。
上橋菜穂子さんのファンタジーはファンタジーであってファンタジーでない。
バルサ、タンダ、チャグムなど登場人物がまるでクラスメイトのように人格が手に取るようにわかり、いきいきとしている。
私たちの住む世界にバルサがいるかのように。
(実際には私たちがバルサの世界に住み込んでしまうのだが)
読み終わってしまうのが惜しくなり、なんども行きつ戻りつしながら読みたくなる本である。 -
上橋さんの《獣の奏者》を読んで上橋作品にハマり、こちらの作品を知りました。
《守り人》シリーズの1作目。
短槍使いのバルサのかっこよさにしびれました。
ファンタジーだけれど、子供から大人まで幅広く楽しめる作品だと思います。