夢の彼方への旅

  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037446703

作品紹介・あらすじ

ロンドンの寄宿学校でくらすマイアは、列車事故で両親を亡くし、家庭教師のミントン先生とともに、ブラジルに住む親戚のもとにひきとられることになった。長い船旅のすえ、ふたりがたどりついたのは、ゴムの栽培によって富を手にした入植者たちがジャングルのなかに建設した美しい町だった。ヨーロッパの文明と圧倒的な自然が混在する世界で、マイアはしだいにアマゾンでの生活に魅せられていく。物語の名手イボットソンが、エキゾチックな世界を舞台にそのストーリーテラーぶりを遺憾なく発揮した会心の傑作。スマーティーズ賞金賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 20世紀初頭のイギリスとブラジルが舞台。
    両親を事故で亡くしてしまった少女マイアが、ブラジルにいる遠縁の親族を頼りに寄宿学校をはなれて移住することになる。心がひろく、冒険好きのマイアは、アマゾンの奥にあるマナウス近くの土地での生活を夢見るが、待ち受けていたのは、アマゾンでもイギリスにいたときと同じ暮らしをしようと、消毒薬をまき、扉をぴたっと閉ざして暮らす、心貧しい人たちだった……。

    なじみ深い設定で、善悪が比較的はっきりと描かれ、全体としては古風なつくり。家庭教師のミントン先生なんて、『小公女』のミンチン先生を思い出す。(でもミントン先生はいい人。)
    そうはいっても、物語の起伏や紆余曲折は、「お話好き」のわたしのような読者を引っ張り込むには充分で、もうあとはイボットソンの語りに身をゆだねるだけ。『小公子』クロヴィスのてんまつをはじめ、ご都合主義万歳なところもあるけど、とにかくおもしろい。三辺律子さんの翻訳もすばらしく、満足して読みおえた。

  • 自然と共に生きる世界・人間のごたごたした欲望のない世界

    自然を理解し自然と共に生きる世界

    都会での生活に嫌気のさしている私達には、マイアのアマゾンでの生活は、本当に夢の世界のような生活です。

    アマゾンの現地に実際に暮らすには、色々と大変なこともあるでしょうが、なぜか惹かれます。

    エヴァ・イボットソンさんの語り口がとても気に入っています。

  • 家族を失った少女マイアが、ブラジルの一家に引き取られ、頑張るお話。

  • アマゾンに最近興味があったのでワクワクした。

    うまくいったと思ったら、うまくいかなくて、と思ったら上手くいく、の繰り返し。
    マイアがいい子で素敵だった、

  • 人の幸せって何かと考えさせられるわ…

  • 20世紀初頭が舞台
    両親を事故で亡くしたマイアはイギリスから遠縁のすむアマゾンで暮らすことになった
    遠縁の家族はアマゾンを受け入れず生活しているが、マイアは大自然に惹かれて…
    好奇心と協調があれば、困難にも打ち勝てるんだ と思わせる話でした。

  • 両親を事故でなくしたマイアは、唯一の身内に引き取られることになり、イギリスからアマゾンへ。
    私だったら絶対尻込みするけど、マイアが希望をふくらませてアマゾンへ行く様子が素敵だと思った。
    知り合った少年ふたりとお家騒動に巻き込まれても、引き取られた先の一家が最低でも、マイアと家庭教師のミントン先生はいつでも前向きでたくましい。
    ラスト、あれからみんながどうなったのか、5年後とかを想像するのも楽しかった。

  • 両親を事故で失いロンドンの寄宿学校で暮らす少女が、親戚家族が住むブラジルへ渡ることに。実は少女の財産狙いだった親戚家族の家で、半軟禁生活を送るはめに…。作中にでてくる「お涙ちょうだいだがいい物語」である小公子の物語と主人公の生活がだぶって面白いと思いました。ユーモラスでロマンティックでもある少女小説でした。

  • ロンドンの寄宿学校でくらすマイアは、列車事故で両親を亡くし、家庭教師のミントン先生とともに、ブラジルに住む親戚のもとにひきとられることになった。長い船旅のすえ、ふたりがたどりついたのは、ゴムの栽培によって富を手にした入植者たちがジャングルのなかに建設した美しい町だった。ヨーロッパの文明と圧倒的な自然が混在する世界で、マイアはしだいにアマゾンでの生活に魅せられていく。スマーティーズ賞金賞受賞作。

  • 表紙絵の美しさに惹かれる一冊。
    両親を失い、イギリスで寄宿生活を送るマイアは後見人に名乗り出た親戚に引き取られ、ブラジルへ移り住むことに。
    アマゾンという異郷を拒み、ジャングルの中に作り出された擬似ヨーロッパの中で生活を送るマイアはアマゾンの世界に魅せられていく―――。
    『小公子』と『霧の彼方へ』を合わせた様な一冊。

    お金目当ての後見人、義眼収集家、意地悪な双子、烏を思わせる探偵・・・悪役に回された方々も個性的で面白いです。

    「イギリス的」であることが第一の幸せである、と思い込む人間も居れば新しい世界を楽しめる人間も居る。
    それだけなんでしょうけど、何が幸せかは当人にしかわからないってことなんでしょうね~。
    マイアのように生きたいとも思うけど、カーター夫人のように虫が苦手なあずきには難しい生き方かもしれません。。。

    ミントン先生の生き方が地味にかっこいいです。

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