ようこそ、おまけの時間に (偕成社の創作)

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036350704

感想・レビュー・書評

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  • みんなで茨の木を引き倒す場面が印象に残っている。
    僕もこの世界に行きたくなるようなお話だった。

  • クラスでぼんやりしていると思われている賢は、ある時授業中に、夢の世界に迷い込む。
    夢の中で、賢たちクラスメイトは六年一組の教室で授業を受けていた時と同じ姿勢で座っているのだが、その世界は無数のいばらのつるに覆われ、誰もが身動きができないまま眠っている。
    その中で一人目覚めた賢は、事態を把握するべく行動を開始するのだが…。

    岡田節!
    割と初期の作品なのかな、いろんな作品の原点があるような。
    ふしぎな出来事から、クラスメイトの意外な一面を知っていくところや、ギスギスした人間関係が変わっていくところは『びりっかすの神さま』を彷彿させるし、一つの課題にクラスメイトたちが知恵を出し合って取り掛かっていくところは『ムンジャクンジュ』を彷彿させる。
    なにより、この一貫して流れる「おまけの時間」の少し薄暗くダークで不安な感じは、『ニ分間の冒険』にも『選ばなかった冒険』にも共通して流れていた空気感だと思う。岡田作品で不思議が出現した際に感じる、面白くて最高にときめくのだけれどどこか影があって不安な感じ。
    それは、もしかしたら、ファンタジー世界が主人公たちが行くべき、求めるべき最高の世界ではないということを知らせてくれているのかもしれない。「おまけの時間」はあくまで「おまけ」であって、最高に面白くて刺激的で主人公たちに変化をもたらし、成長させるものであっても、それが彼らが生きるべき実世界ではないということを、そこはかとなく知らしめているのかもしれない。
    そんなことを思いながら読了。
    最後までいばらは不気味だったなぁ。
    あと、圭一の弾け具合がすごい(笑)。
    途中の、食パンかじりながら登校して曲がり角でぶつかる、みたいな賢と明子の邂逅も超ベタで面白かった。意外と早く誤解が解けたのも面白かった。夢の中でカッコつけマン(笑)。

  • 私の学校でもおまけの時間がほしいと思いました!

  • この本と出会ってなかったら、今の自分はない。
    小学生のときに読めて本当によかった。

  •  小学生の話だけど、現実ではいろいろなしがらみに左右される人間関係や行動が「おまけの時間」でどうなるのかが、中学~大人になっても同じでは? と思えてならない。
    (一般担当/たまねぎ)平成28年6月の特集「時間に関する本」

  • 6年1組の松本賢は、ぼんやり賢と呼ばれている。クラスの皆は男子も女子もグループ化していて、賢は特別仲のいい子がいるわけではない。なんとなく過ぎて行く毎日だったが、ある時を境にそれは変わった。4時間目の12時のサイレンがなった瞬間、賢は現実の教室から、全く別世界の同じ教室にいた。

    なんとなく『漂流教室』や『サイレントヒル』を思い出す雰囲気。でも怖さは全然ないです。夢のような別世界をきっかけに知らなかった自分やクラスメートを発見する様がとても丁寧に描かれています。ああこれ、子どもの頃に読みたかったなー。

  • 小学生の頃から忘れられない一冊です。
    小学校高学年で初めてよんで、面白くて何度も何度も読み返しました。
    あれから20数年たちますが、今でも面白く読み返します。
    おまけの時間、経験してみたいですね。

  • 小学校の時、友達に勧められた本です(^-^)
    私でもスラスラ読めてすごく楽しくて
    この本が大好きです!!!

    何回も読みたいです。

  • 図書館の貸出予約ができました。
    小学生の時に、やはり図書館で借りて読みました。
    子供にはとても新鮮で、わくわくするようなお話。
    大人になってから読むと、どう感じるのか…。
    楽しみです。

    2010.5.14 読了

    20年近くたって、再読…。
    初版から29年…30年近く経とうというのに、まったく時代遅れな感じが
    しないことに驚く。シンプルな構成で理屈は抜きの内容は、大人になった私には少し物足りなくなってしまったけれど、主人公と同年代の小学生に是非読んでもらいたい。

    この本を25年も忘れないで大人になった子供がいる…これは事実。

  • 小学生の頃に読んで未だに読み返している作品。小説を書くきっかけになった作品なのでとても愛着がありますし、成長しても尚わくわくさせられるストーリーが大好きです。

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著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。神戸大学教育学部美術科在学中の1966年に「星泥棒」を自費出版。西宮市内で小学校教師をつとめながら1979年に『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)を発表。1981年『放課後の時間割』で「日本児童文学者協会新人賞」を受賞。教壇に立ちながら1年に約1タイトルのペースで作品を発表。数々の賞を受賞する。「こそあどの森」シリーズ(理論社)は国際アンデルセン賞オナーリストとなる。アジア各国では翻訳本も出版されている。岡田淳作品で読書嫌いが治った、本好きになったという人は多い。

「2008年 『人類やりなおし装置』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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