- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035509707
感想・レビュー・書評
-
スズメのチュンは、ヒナのとき、死にそうな状態でひろわれて、獣医の竹田津先生のところへ持ちこまれました。すっかり元気に成長して、家族の一員となったチュンは、どうやら、自分を人間だと思っているようです。
、、、野生動物は、「無主物」(誰のものでもないということ)といって、どんな人であろうとも、この日本では、飼ってはいけません。獣医師であっても、治療のための入院も、違法であるという役人もいるそうです。そのうえ、誰も、診療費、入院費を支払ってくれません。そこで、つれられてくる野生動物の患者さんは、困った存在であるのです。
こまったもの、といいながらも、野生動物を治療し、自然の中へ退院させるまで、こまごまと奮闘する、そして、動物の気持ちになって、考えている、竹田津先生に、頭が下がります。
スズメが家族の一員となるということは、法律違反なことであるので、先生は、なんとかチュンを自然を返そうとするのですが、チュンは、外に出ていこうとしません。チュンは、外が、こわいのだ、と、先生はチュンの気持ちを思いやります。
かくして、元気いっぱいの、猛鳥となったチュン。人を襲ったり、先生の奥さんに、求愛行動をとったりと、個性いっぱいのふるまいをします。
手のなかに丸まって、入りたがったり、ふところのなかに入りたがったり、先生の奥さんの濡れた髪が、大好きだったりと、懐いているのが、かわいいところ。
写真もたくさんあって、かわいいイラストもあり、楽しんで読めます。
、、、図書館で、文庫本が無かったので、単行本を借りてきました。皆さんのレビューを読むと、チュンは自然に戻ったようなのですが、単行本のなかでは、チュンはまだ竹田津先生と一緒に暮しているので、気になります。
……小さな小さな声で、妻と話をしている。いつまでもいつまでも話をしている。、、、テーブルの上のポットの上で、先生の奥さんと話をしているチュンの写真が、とても可愛らしかった。
-
やっぱり賢い!の一冊。
瀕死の状態から家族の一員になるまでのスズメのチュンとの物語。
可愛い!そして別の書籍でも感じたけれどスズメってやっぱり賢い!
こんなにも感情表現豊かなチュンとの日々のエピソードは笑いもありで微笑ましい。
暖かい場所を探してもぐりこんでくる姿は想像するだけで顔が緩んじゃう。
数々の写真、自分を人間と思う姿や巣づくりもたまらなくキュートだった。
トラウマ体験からなかなか退院できなかったチュン。
野生に本来の場所に帰るのも、簡単なようで難しくって…。
ご夫婦が気長に成長を見守る愛の眼差しも溢れた記録。 -
小4の国語教材としても採用された作品。
ほとんどすべての漢字にルビが振ってあり、とても読みやすい。
絵本作家さんである竹田津さんは、もとは獣医さん。
その獣医さんだった頃、保護したスズメを何とか自然に帰そうと奮闘する竹田津さんと、何とか竹田津家に住まおうとするスズメとの交流を書いた作品。
時折写真であらわれるチュンの姿がまことに愛らしい。
怪我している野生動物を見ればつい保護したくなるのは誰しも同じだと思うが、その後こんな労苦があるとは想像もつかないことだろう。
野生動物は「無主物」と言って誰のものでもないが、勝手に殺したり食べたり、更に言えば飼うことも出来ない。治療のための入院さえ違法であるという。
「無主物」であるゆえに、診療費・入院費さえ払われないという現実。
つまり竹田津先生は、無報酬で法律違反すれすれのことをせざるを得ないというわけだ。
当然のことだがスズメのチュンは、そんなことはまるで念頭にない。
竹田津夫妻に子どものように懐き、共に食事して家を守り、時に求愛までする。
感心したり笑わせられたり考えさせられたり。
誰もが知っている小さな鳥が、こんなにも個性的で賢いことには驚くばかり。
子どもから大人まで、すべての方にお薦め。
保護した生き物への接し方を学ぶことにもなった、貴重な一冊。-
アセロラさん、お久しぶりです!!
たくさんの「お気に入り」とコメント、ありがとうございます。
「無主物」という単語は、私もこの本で知...アセロラさん、お久しぶりです!!
たくさんの「お気に入り」とコメント、ありがとうございます。
「無主物」という単語は、私もこの本で知ったのです。
「獣医さんなんだから治せるでしょ」と持ち込まれるらしい
のですが、見て見ぬふりも出来ず・・という苦渋の選択らしいですよ。
治療そのものも大変ですが、野生に帰すことの方がどれだけ大変な作業か、
初めて知ることになりました。
手を変え品を変え努力する姿が涙ぐましいほどです。
こちらこそ、こんな本棚を覚えていてくださって感謝でいっぱいです。
はい、少しずつ歩んで参りますので、またどうぞよろしくお願いしますね。2017/03/31 -
nejidonさん、おひさしぶりです!
お帰りなさ~い!
体調はいかがですか?
実は私も年末から少し体調を崩してしまって、昨日久しぶり...nejidonさん、おひさしぶりです!
お帰りなさ~い!
体調はいかがですか?
実は私も年末から少し体調を崩してしまって、昨日久しぶりにお邪魔したら更新されていてとても嬉しかったです。
夏の終わりごろからでしたよね。
どいかやさんの本を読んだときも、 nejidonさんとまたお話できたらなと思っていました。
愛しい猫ちゃんたちも、さぞかし心配してましたね。きっと…。
変な話なんですが、わが家に3にゃんがいた頃、ひ弱ですぐ悲観的になってしまう私は、この子達を遺してはいかないぞ!なんて誓ったりしてたんですよ~(笑)
ただ、体調が落ちるとつい心も弱ってしまうから、その時期に本を読もうとしても、どうも今一つ感動しきれなかったり…。
情けないです。
この寒暖の差もつらいですが、お互いぼちぼち、のんびりとですね~。
またよろしくお願いします(#^^#)2017/04/01 -
追伸。
たびたびすいません。
本の感想を書き忘れました~(笑)。
この本、読んでみたいです。
「無主物」私も知りませんでした。
...追伸。
たびたびすいません。
本の感想を書き忘れました~(笑)。
この本、読んでみたいです。
「無主物」私も知りませんでした。
どこか厳しい響きですね。
情に流されるばかりがいいことではないのでしょうし、
それも仕方のないことなのかもしれませんが、
この地球は人間たちだけのものではないのに、常々心が痛むことが多いです。2017/04/01
-
-
-
今月の鳥「スズメ」: ひなこのお散歩日記 | 日本野鳥の会普及室普及教育グループ
http://wildbirdfkg.seesaa.ne...今月の鳥「スズメ」: ひなこのお散歩日記 | 日本野鳥の会普及室普及教育グループ
http://wildbirdfkg.seesaa.net/article/482769381.html2021/08/06
-
-
先日は、英国女性クレア・キップスの「ある小さなスズメの記録」を読みました。クレランスというスズメと老ピアニストの12年にわたる感動の実話でした。今回「家族になったスズメのチュン」(1997刊行、2006.9文庫化)を読みました。生まれてまもなく死にそうな状態で少年に拾われ獣医の著者のところに持ち込まれたスズメのチュンの話です。野生の動物を飼うことは禁じられてますが、緊急避難的に入院という形で治療し、長くて3ヶ月ぐらいで退院(自然に帰る)だそうです。ところがチュンは家の中がいいのか、外が怖いのかいつまでもw
-
北海道の獣医さんの体験記。こども向けの本なのですぐ読めます。
野性動物保護の難しさと、自分を人間と思っている雀のチュンの可愛らしさが書かれています。
愛鳥がかわいくて、鳥の本を読んでみました。 -
野生動物なので大きな声では言えませんが、実は我が家もかつてスズメの雛を保護?する機会があり、その後家の中で家族として暮らしました。実に13年。阪神淡路大震災の前後を共に過ごしました。似たようなことがたくさん書かれていたので、かつてのぴーちゃんを偲びながら読みました。
-
獣医である竹田津先生のもとに、瀕死の状態で持ち込まれた雛鳥。それがスズメのチュンでした。北海道で獣医を営む先生のところには、家畜だけでなく、いろんな野生動物が連れてこられます。もちろん、野生は野に戻すのが原則ですが、チュンはちょっとばかり変わったスズメでした。人の手で育てられたチュンは、自分を人間と思いこんでしまったようです。チュンを中心に繰り広げられるドタバタ騒ぎ。これは先生の治療によって命を取り戻した、スズメの成長物語です。
以前、竹田津先生の著書〝子ぎつねヘレンがのこしたもの〟も読ませていただきましたが、獣医という仕事のたいへんさと、その優しいお人柄が、いずれの本からも伝わってきました。
動物や小鳥が愛しく思えるのは、彼らが感情を素直に表現できるからなのかもしれませんネッ。 -
読みやすかった。小学生向け。
チュンは最後はあっけなく旅立った。
コメントありがとうございます!
このチュンは、ヒナの頃、はじめて見たのが、先生と奥さんだったので、自分を人間だと思っているよ...
コメントありがとうございます!
このチュンは、ヒナの頃、はじめて見たのが、先生と奥さんだったので、自分を人間だと思っているようで、竹田津家の人たちに、とても懐いています。雄のスズメのようで、奥さんには求愛したり、攻撃しなかったり、ですが、竹田津家の中で、自分の巣を何ヶ所も作り、縄張りに入ろうとすると、攻撃してきます。先生の家の玄関には、「猛鳥注意!!」という張り紙が貼ってあるそうです。
野生動物とのかかわりを、考えさせてくれる、面白く読める本でした。 (*^^*)