- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035409304
感想・レビュー・書評
-
代表的な連作短編集。野山に棲むものいう動物たちと人との交流を描く。
安房直子さんのおはなしは、色彩が鮮やかだ。色に惹かれ、色に興味があるのだなと感じる。おはなしが絵画的だ。
安房直子さんは作品を書くときは、一枚の絵を視覚化されたものを思い浮かべ、その後からイメージを言葉を使って描き上げてみたいという焦熱が沸いてくるのだそうだ。なるほど。だから情景が鮮やかに立ち上がってくるのだと分かった。
『きつねの窓』桔梗の青、『空色のいす』白いハンカチの上に集める空の青、紅ばらの赤、『青い花』紫陽花と傘の色。目の前に美しい色の世界が広がる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
きつねの夕食会
最初、読んだ時は、オチは好きだけど、できはどうだろう?
というような感想でした。
けっこう、好きなオチではあるけど、電気屋さんがでてきたところあたりから、もう読めていたし…。
でも、子どもたちの前で声に出して読んでみて、ちょっと、印象がかわりました。
安房直子さんの作品って、どれぐらいの年齢の読者に向けて書かれているのかわからないところがあるのですが、この作品は、かなり明確に、「子ども」を意識して書かれているような気がしました。
子どもはねぇ、すごく楽しく聞いていました。
ねこじゃらしの野原 とうふ屋さんの話
小さい小さいところにも、丁寧な世界があるんだよというそんな感じの連作です。
オチといえるオチはないんだけれども、妙に、ふむふむとうなずいてしまうようなお話です。
山の童話 風のローラースケート
「ねこじゃらしの野原」は、人物を中心に広がっていく連作でしたが、この「山の童話 風のローラースケート」は、世界が広がっていく感じでつながる連作です。
安房直子の作品は、わりと1話完結のものしか読んだことがないので、これは、すごく興味深かったです。
森の優しさ、ふところの深さだけではなくて、森野怖さみたいなものもちゃんと書かれていて、それが、また森の風景を魅力的にしています。
特に「花びらづくし」は、出だしから、思いがけないラストまで、すごいドキドキしました。
陰と陽の両方が、しっかりと入っているファンタジーというのは、素晴らしいものです。 -
動物たちとの、ほのぼのとした接触、かわいい!
-
1,2巻に引き続き安房さんらしい作品でした。動物達がほんわかしている話が多くて好きです。安房さんの作品を読んでいると、いかに色んな食べ物にワクワクしていたり、グルメな方だったか分かる気がします。
-
「小さなつづら」が可愛かった。冬の間、のんびり出来るといいね。生き物の夢だよなあ。あったかいとこで美味しいもの食べて、ぬくぬく過ごすのって。人と他の生き物との間って、ほのぼのしてたりちょっと怖かったり、間合いが難しいわ〜(+_+)「すずめのおくりもの」小さいおいなりさん、もらいたいな〜^_^
-
不思議ばなし満載の本です。
子どものころから動物とお話ができたらどんなにいいだろうって・・・よく思ってました。
登場する人間、お豆腐屋さんも、峠の茶店の人たちもみんないい人ですね。
小学生のころに戻ってもう一回読みたいなあ。 -
●読書録未記入 2009.07
「すずめのおくりもの」稲荷ずし -
安房さんは私の神様です。
-
「風のローラースケート」「きつねの夕食会」「ねこじゃらしの野原」「すずめのおくりもの」など、ものいう動物たちと人との交流を描いた作品15編と、作品理解の助けになる単行本未収録のエッセイを巻末に収録。