マルコとパパ ダウン症のあるむすことぼくのスケッチブック

  • 偕成社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (145ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035316503

作品紹介・あらすじ

ダウン症のある息子マルコとの日々を、イラストレーターである父親がユニークな絵とシンプルな言葉で描いた感動作。障がいのある人との暮らしの肌触りを感じさせる。

感想・レビュー・書評

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  • 彼はごく普通の男でした。どっちかというと明るく能天気でちょっと軽めのイラストレーターさん……。
    そうして、ごく普通に次男が生まれるのを楽しみにしていたら、生まれた子はダウン症だった……。
    彼はどうしていいかわからなくなります。
    でも奥さんは違った……。
    奥さんはきっぱりと
    「この子にはこんなふうに生まれる権利があるのよ」
    といいます(この人、すげー!!)。
    長男も、弟がトマトみたいに赤い顔だろうとなんだろうとちっともかまわない、大事な弟にはかわりないじゃないか、といいます。

    これは、次男が生まれたことで、彼が悩み、傷つき、愕然とし、打ちのめされ、そうしてそこから、息子自身に育てられ(だと思うよ(^_^))、この子がいいんだ、ほかのどんな素敵な子がきても、マルコの代わりにはならない、という境地にたどりつくまでのドキュメンタリーです。
    で、絵描きさんなんで、文字より絵のほうが、自分の気持ちを表すのは得意、なので、どのページにも絵が入り、デザインチックで一見絵本のように見えますが、子どもの本じゃない。
    大人のための一冊です。
    子どもに関わる仕事をしている人は(親も含めて)全員読んでおいたほうがいい一冊でしょう。

    2018/03/21 更新

  • 『マルコとパパ』宇野和美さん(翻訳家)×鳥井和昌さん(デザイナー)トークイベント | 偕成社 | 児童書出版社
    https://www.kaiseisha.co.jp/news/24156

    偕成社のPR
    ダウン症のある息子マルコとの関係を、ラテンアメリカ出身のイラストレーター・グスティが、父親の視点から、かざらない言葉と、ユーモアあふれるイラストで誠実に描きだした作品。

    最初は受け入れられず、困惑するだけだった自分のこと、家族や周りの人たちの言葉、ありのままのマルコを愛するようになったこと、マルコのお気に入りの遊びやさりげない日常の一コマ、そしてマルコをはじめ障害のある子ども・人々と共に生きることの意味が、シンプルな言葉と、見るものの心をつかむイラストレーションで綴られる。

    本書は世界的に高い評価を得ており、2016年にボローニャ・ラガッツィ賞障害の本部門最優秀賞受賞するほか、ミュンヘン国際児童図書館推薦図書ホワイト・レイブンや、IBBY選定バリアフリー児童図書などに選ばれている。
    https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784035316503

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/786575

  • 家族全員がマルコくんを大切なことがよく伝わります。

  • ダウン症のむすこマルコとの日常を、イラストエッセイでつづる本。

    人気イラストレーターである著者は、はじめ、障害をもつ息子を受け入れられなかった。「かみさまなぜですか?」という、その正直なせりふに涙がこみあげる。

    でも、ママは「なんの」もんだいもなくうけいれた。
    そしてマルコが生まれたとき8歳だった長男のテオも、はじめから「ぼくのせかいいちのおとうと」といって、マルコをかわいがった。
    「ぼくはテオを見た。そのかおは、こうごうしくかがやいていた。それは、マルコがうまれてから、さいしょにぼくが学んだことだった」
    ――ここでまた涙。

    『家にシロクマがやってきた』では、自閉症のある下の子に両親の気持ちがすべて集中してしまう様子が描かれていたけれど、この本の著者グスティはこう語っている。
    「親がきゅうに、うまれた子におおくのエネルギーをそそぐようになって、上の子のことがおろそかになることはありがちだ。
    それはうちでもあったとおもう。
    だけど、気をつけてバランスをとれば、上の子がほっぽらかされているとかんじないようにすることができる。
    マルコのことで、テオはよくぼくらをたすけてくれる。ぼくらが手いっぱいのときいつもたよりになる。
    おかげでテオはとてもしっかりしたし、責任感がつよくなった」

    エネルギーを子どもたちに公平に分配するのはとても難しくて、わたしも失敗した口だから何も言えないのだけど、物理的に同じだけ時間を割くというようなことよりも、心の向け方とか目のかけかた、感謝やいたわりの言葉なんかがきっと大切なのだろうな。

    イラストやコラージュもたのしく、日本語に訳した文章にも、手書き文字やいろいろな書体の文字がセンスよく混ぜられ、ブックデザインとしてもとてもすぐれた本でした。

  • 絵本
    病気

  • 絵、イラストは面白いわ!

  • ダウン症の息子を待ったアルゼンチンのイラストレーターが描く、息子との日々。
    著者グスティは、息子がダウン症であることに初めは少なからずショックを持っていた。しかし、母親である妻はそれも息子は自分の息子と強い。そして、もっとすごいのは兄のテオ。弟が赤でも緑でもピザでも(!?)弟だから好き」と揺るがない。父親も真剣に向き合う覚悟ができる。
    愛すべきマルコが中心の生活をユーモアたっぷりに描いている。

  • ダウン症の息子とイラストレーターの父の日常。
    最初は、「受け入れられない!」からのスタート。
    それが、「とっても幸せ」になる様子が感動。

    ダウン症の子どもたちは、絶滅危機らしい。
    出生前診断とか進むと、そういうことになるのか…
    うーん…

  • 「ダウン症のある子どもたちは絶滅の危機にひんしている」出生前検査ができる現在…考えさせられるメッセージ。

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著者プロフィール

1963年アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれる。美術学校で学んだのち、テレビのアニメーションや、雑誌のイラストなどを描く。85年からヨーロッパに住むようになり、現在はスペインのバルセロナで暮らす。多くの本の絵を手がけ、作品は約20か国で翻訳されている。本書は2016年ボローニャ・ラガッツィ賞・障害の本部門 最優秀賞を受賞したほか、ミュンヘン国際児童図書館やIBBY選定バリアフリー児童図書に選出されている。ラテンアメリカの最も重要なイラストレーターのひとり。

「2018年 『マルコとパパ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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