- Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035165101
作品紹介・あらすじ
わたしは、ヒエロニュムス・カール・フリードリッヒ・フォン・ミュンヒハウゼン男爵だ。世の中には、わたしのことを"ほらふき男爵"などとよぶ、ぶれいなやつがいるが、まあ、それは、わたしの冒険のかずかずがあまりにふしぎで、あまりにおもしろいから、なかなかしんじられないということなのだろう。なに?どんな冒険をしたのか、聞かせてほしいだって?小学校中学年から。
感想・レビュー・書評
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文を書いたのは「ルドルフとイッパイアッテナ」の斉藤洋さん。
絵を書いたのは「なつのいちにち」の、はたこうしろうさん。
これっていわゆる“黄金タッグ”じゃない?
「ほらふき男爵の冒険」は、実在したというドイツのおしゃべり好きなミュンヒハウゼン男爵が話す“あること”“ないこと”の数多くのエピソードをまとめた人がいて、それが原作になっている。
でも「著者:斉藤洋」と書かれているように、けっこう斉藤さんが自由に話を“盛っている”ようだ。
例えば狩りの話のなかで、銃弾1発だけで16羽の水鳥を同時にしとめた“ほら話”のあとに「それくらいで驚いてはいけない」と書き、むかしの中国では弓を使わない弓の名人がいて、その弓の名人は弓も矢ももたないで空に向かって構えるかっこうをして、見えない弓をはなったかと思うと、1羽のトビが空から落ちてきたというエピソードを続け、1発でも弾を使わなければ獲物をとれない自分はまだそこまでには達していないと書いている。
これは中島敦「名人伝」からの引用で“不射之射”のことだ思う。このように斉藤さんが原作にかなり自分の創作をはさみ込んでいるみたい。
ほかに斉藤さんも筆の勢いが余ったのか、「ほらふき男爵」だったはずなのに、いつの間にか「だじゃれ男爵」になっているし(笑い)。
この本を読んで、この本を好きになった子どもならば、人を傷つける「うそ」と、人を傷つけない「ほら」の違いが、大人からいちいち言われなくても何となく理解できているにちがいない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
はたこうしろうさんの表紙イラストに惹かれて手にとると、なんと著者は斉藤洋さん!とても面白かった!軽快なほら吹きトークがどんどん展開されていって、ページをめくる手がとまらなかった。ほんとに目の前で楽しくトークされているかのような感じだった。一番のお気に入りは、連なったカモに引っ張られて飛ぶお話。。
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人はわたしを「ほらふき男爵」とよぶ。ホラではないぞ、ほんとうのことだ。わたしが36羽のカモにつかまって空を飛んだときの話をしてやろう。
(『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より)
・男爵の口で語られる、愉快な冒険物語。数々の冒険物語はすぐにホラだとわかるのだが、男爵の話は全くの空想ではなく実際に起こりそうで、想像すると愉快。
日本では落語や狂言などの笑い話があるように、海外の笑い話といえる。
この版の訳が読みやすくておすすめ、はたこうしろうさんの絵も雰囲気に合っている。 -
「ミュンヒハウゼン症候群」なんて言葉を使うなら,ちゃんと原典に,いや,原点に立ち返ろう.
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アニメにしたら面白そう。
漫画みたいな、笑える本だった。