がろあむし

著者 :
  • 偕成社
4.00
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本棚登録 : 121
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034370803

作品紹介・あらすじ

川と町のあいだの森。くずれた崖の奥底で、黒いたまごから、がろあむしの赤ちゃんが生まれた。がろあむしは、まっくらな世界をかけまわり、小さな生き物たちを食べて大きくなる。ときに襲われてボロボロになりながらも、生きるために走りつづける。
やがて大きくなると、オスと出会い、たまごを産む。しかしある日、がろあむしは燃えるように赤い体とともに、その一生を終える。だれも知らない地下の暗黒世界で、ひとつのドラマが終わったとき、町は――

地下の暗黒世界に広がる宇宙と、そこに生きる小さな虫の大きな一生。そして、おなじ地平で変わりゆく人間たちの社会を濃密に描き出した怪作。『つちはんみょう』で小学館児童出版文化賞を受賞した著者が、取材に約10年を費やした渾身の絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 地下に住まう生物の生き様をリアルに伝えてくれる絵本です。目に見えていることだけが全てじゃない。その背後や足元にある世界も等しく貴重であると改めて思わせてくれる絵本です。

  • がろあむし、って何???

    しでむし、ぎふちょう、つちはんみょうに続く偕成社地味な虫シリーズ第4弾

    荒俣宏さんによる帯の言葉「虫が生まれて死ぬあいだに、ひとは野山をまちへと変えてしまう。ものすこいスケール感。目が回りそうです。」

    1914年、日光中禅寺湖でフランス人外交官ガロアさんによって発見されたがろあむし。
    特徴とは関係のない名前。
    黒い卵で生まれ、1年かかって幼虫が生まれ
    8回脱皮して成虫になる。
    寿命は5〜8年と思われている。
    小さい時は、透き通るような白、成虫になると赤くなる。成虫は2センチメートル。

    交尾の後、共喰い
    昔のがろあむしにははねがあって飛べた
    化石から〜今はとべない。




  • ガロアムシ、名前すら知らなかった。
    写真ではこういう絵本は作れない。
    絵本の利点が最大限に生かされている。

  • 「川と町のあいだの森。くずれた崖の奥底で、黒いたまごから、がろあむしの赤ちゃんが生まれた。がろあむしは、まっくらな世界をかけまわり、小さな生き物たちを食べて大きくなる。ときに襲われてボロボロになりながらも、生きるために走りつづける。
    やがて大きくなると、オスと出会い、たまごを産む。しかしある日、がろあむしは燃えるように赤い体とともに、その一生を終える。だれも知らない地下の暗黒世界で、ひとつのドラマが終わったとき、町は――

    地下の暗黒世界に広がる宇宙と、そこに生きる小さな虫の大きな一生。そして、おなじ地平で変わりゆく人間たちの社会を濃密に描き出した怪作。『つちはんみょう』で小学館児童出版文化賞を受賞した著者が、取材に約10年を費やした渾身の絵本。」

  • いつも私たちが見ない地下で、こんなに生き物がいて、たくましく生きていることが伝わった本でした。

  • 地中に住むがろあむしの生態と地上の開発事業を並行して描いた絵本。

  • 良かった

  • 息子8歳1か月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読みます。作品によってはボリュームたっぷりでも読む。母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯◯

    〈子〉
    読んだ◯
    何度も読む(お気に入り) ◯
    その他

    精巧な絵本図鑑。
    がろあむしの一生とあわせて、8年の間の環境の変化も静かに表現している。
    小さな虫の壮大な物語。

  • 森に積もるガレキの下の暗闇に住む昆虫・ガロアムシの生涯と、同じページに描かれることはないけれど、森を削り確かに進んでいる開発事業とを同時に、淡々とした筆致で、しかし鮮やかに描き出す絵本。
    ガロアムシという実在の昆虫のことは、この本で初めて知ったけれど、写真で見ると地味な虫なのに、産毛まで精緻に描かれた姿は神々しさまで感じさせる。特に表示、裏表紙、折り返しにまで及ぶガロアムシの絵は(おそらく卵を抱えている姿と思われる)生命力に満ちていて目を奪われる。

  • ガロアムシはいっぱい食べるのに、逃げ足が遅いなと思った。

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著者プロフィール

舘野 鴻(タテノ ヒロシ):1968年、神奈川県生まれ。札幌学院大学中退。幼少より熊田千佳慕に師事。学生時代は北海道で、昆虫を中心に生物の観察を続ける。1996年、神奈川県にて生物調査とともに生物画の仕事を本格的に始める。絵本など著書多数。

「2023年 『世界の美しき鳥の羽根 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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