- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023316027
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学評論随筆その他】週刊朝日に連載されている「パテカトルの万脳薬」の単行本化。『脳はなにげに不公平』の続編で、脳科学者である池谷裕二・東京大学薬学部教授が贈る、柔らかくも鋭い視点満載の内容。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
パテカトルの万能薬、第2弾、こちらも長い間積読してました。下記にあるように自分なりのポイント12点。
1、できない人ほど自分はできると勘違いしている傾向。これをダニング=クルーガー効果という。しかし能力の低い人でも訓練で、スキル不足に気づき成長の余地あり。
2、後世への影響が強い論文は、単に革新性が高かっただけでなく、保守性もまた強かったということ。
3、宗教心は、善行を生む良心よりも、悪行をしない良心を生む。
4、褒める「強化」、叱る「弱化」、褒めるだけが学習成績がよい。叱ってはいけない。
5、我慢(精神的に消耗)すると、忍耐力が下がる。この自我消耗を克服する方法は、ブドウ糖の補給。
6、一般に、記憶は正確であっても、高速であっても不都合。ゆっくりと曖昧に覚える。今回の失敗を過去の失敗経験に照らして上手に認識することで上達。プロとはその道のあらゆる失敗を知っていること。
7、ダ・ヴィンチは、興味がないのに勉強しても記憶にとどまらない、つまり興味をもっているときに勉強せよと主張する。
8、尿酸値の高い人は、記憶力や認知機能が高く、また将来に認知症になりにくい。天才達が痛風に悩まされていたという記録あり。
9、遺伝子で定まる特定の才能に固執するより、未開拓の潜在能力に注目したほうが、はるかに健全ですし、素敵な生き方だと思う。
10、一つ独学で試行錯誤で最適解を探すタイプ、二つ成功者の真似タイプ、三つ周囲の平均的な意見に従うタイプ。柔軟に戦略を変える必要があるが、実際には、思考癖になっていて柔軟性が少ないが、集団社会では多様性となり役立っている。
11、単に好きだからやっているだけという人がよい成果をあげている。好きに理由なし。
12、脳の柔軟性がますます重要。未来を自ら造ること。 -
聞いたことがあるような話もあるけれど、へぇ!と膝を打つような話が盛りだくさんで、誰かに語りたくなる。
定期的に読みたい。 -
脳科学者の池谷裕二先生の著書。できない人、能力が低い人ほど、自信満々で自信過剰。それは脳の癖だそう。「できない脳ほど自信過剰」、脳科学という分野の難しいお話をわかりやすい言葉で説明されています。池谷裕二先生の他の著書も読みたくなった。
-
たっぷりな内容で興味深いものが非常に多かった。近年の問題を脳科学から切り開いたエッセイ集。
-
池谷裕二氏の書籍は以前は新刊が出るたびに読んでいたものだが、最近は足が遠のいていたが、久しぶりに手を取った。
著者が論文などで得た情報を面白く語っているのは変わらずだが、脳科学的な知見についてはその他の書籍でも読んでいることもあり、個人的にはあまり新しい知見はなかった。 -
普段何気なく行動していることを脳科学の視点で分析してくれて、なるほどと頷いてしまうことがたくさん見つかります。最後には、未来について脳科学から考えます。AIに人間が飲み込まれるみたいな想像も時にしてしまいますが、そこへの示唆を与えてくれる一冊です。
-
P145
視点の変換
「お前は後悔しているのか」
「ここにタイムマシンがある」
「すべてをリセットし20年前に戻してやろう」
同じ世界なのに見え方が変わる。
P222
哲学者セネカ
「人生が短いのではない。時間の大半を無駄にしているだけだ」
P230
将来の夢を語ることに意味はあるのか?
P231
人はなぜコンピュータを作ったのか
その原点を忘れてはいけない