チェルノブイリ・フクシマ なさけないけどあきらめない

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023309661

感想・レビュー・書評

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  • 鎌田さんは、けっきょくどっち派なのか
    最後までわからなかった。

    だけど、沢山の情報を知ることができて
    読んでよかったと思う。

    対談もなかなか良かった。

  •  「がんばらない」「あきらめない」などの著書がある、医師の鎌田實さんが福島の原発事故とその後の活動について書かれた本。ベラルーシで、チェルノブイリ原発事故の後、小児がんなどの医療ボランティアをしてきた方が、福島第一原発事故について書かれています。

     地震と津波のあと、対応が全て後手後手になってしまったこと、東電のトップ等、原子力発電を推進してきた立場の者が責任を全く果たさないこと、それらの対応に対する怒りと、避難をしなければならない人々への思いなど、実際に南相馬市を始め福島県各地を見て回った方ならではの視点で書かれています。
     原発事故当時のブログの記事で、原子力行政に対する怒りが分かります。住民たちは何も悪くない、けど実際に苦痛を感じているのは、弱者である普通の人々。責任を取るべき人が何も果たしていない。

     子供たちのために、できる限り放射線量は少ないほうがいい、けれども、お年寄りにとっては避難してコミュニティが壊れるリスクの方が大きいときもある、問題なしのマルでも、問題だらけのバツでもなくて、マルを目指しつつもどこかで妥協する三角も必要なのではないか。それが「なさけない」けどあきらめないというタイトルにでているのではないかと個人的に感じました。

  • 鎌田さんの他の著作を読んで、その裏に書かれた作品紹介で気になっていた本。チェルノブイリ現地に何度も行かれていた方の福島の見方を知りたくて借りた。
    読んだ感想は、読んで良かったということ。
    原発について考えたこともなかった私がTVからの「大丈夫、安全」の言葉を鵜呑みにしていた当初、すでに著者は今までの経験から、それが大事であることをわかっていた。事細かく書かれたあの時期に感じた事柄のことを読んで、あの当時、情報がどれだけ隠蔽されていたのか。が、わかった。
    そして、非常事態の中で本当に頼れたのは、国ではなく、地域行政の繋がり、個人の繋がりだったというのがわかった。
    NEWSでは決して報道されなかった南相馬の戦いもはじめて知った。
    線量をどうやって考えるのか?もわかりやすくわかった。
    本当に初めてわかったことだらけ。
    著者が言っている「○や×ではなくて、限りなく○に近い△を考える」これが今は必要。本当にそう思う。
    確かに怖いものは怖い。目に見えないだけに余計に。でも、ただ、闇雲に怖がっていては生きていけなくなってしまった今の日本なら、怖いだけじゃなく、考えなきゃいけないものが沢山ある。だって、これから先、長い戦いになるのは明白なのだから。。
    改めて、今も現場で戦ってくださっている方々に感謝。

  • 読了。引き続きあと一冊読む。

  • 20年間チェルノブイリを見、足を何度も運んできた。同じ悲劇を起こしてはならないのに、起きてしまった。
    もっと豊かに生きたいと思った自分たちの欲望が、美しい村を汚してしまった。
    そんな自分が情けないと、著者の鎌田氏は何度も繰り返します。
    なさけないけど、でもあきらめない。打ちのめされても、何度でも立ち上がり、もう一度、きれいな海と大地を取り戻すしかない、と訴える鎌田氏の言葉響きます。

    原発事故発生から5月31日まで著者が記した「カマタ・フクシマノート」が本の大部分を占めます。ここまで詳細によくつけていたなと思います。医師ということもあるのかもしれませんが、本当にフクシマのことを考えているのだと伝わってきます。

  • この人がなさけないと思いつつも、実際に動いてくれるから助かる命がある。
    読んでいてこちらも一緒になさけなくなってしまうが、そう思わないのがきっと政治家なのだろう。

  • 津市久居ふるさと文学館----津市芸濃図書館。

  • 本日、注文しました。

  • 古くからチェルノブイリ事故治療の支援や、自分の病院から医療チームを福島に送ったり、原発の20キロ内に立ち入ったりしている当事者だからこそいえるリアリティがあります。マルかバツかの二択ではなく、マルに近いサンカクを、という考え方には非常に共感できます。
    しかしどうしても気になる点が。半減期30年のセシウムについて、「地球上からは30年経たないと消えない」という記述がありました。半減期がすぎても半分になるだけで、消えないのでは? そこがひっかかってしまい、モヤモヤとしながら読みました。もっともそれは本書の論旨に大きな影響を与えるものではなく、つらい話ながらも温かみを忘れない、市民的感覚の代弁です。

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著者プロフィール

諏訪中央病院(長野県)名誉院長。「住民とともにつくる医療」を一貫して提案、実践。チェルノブイリの救護活動、イラクの小児病院への医療支援なども行う。

「2006年 『どうして勉強するの?お母さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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