音楽する脳 天才たちの創造性と超絶技巧の科学 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022951632

作品紹介・あらすじ

優れた音楽はどのような作曲家たちの脳によってつくられ、演奏されているのか。ベートーベンからグールドまで、偉人たちの脳を大解剖。深い論理的思考で作られているクラシックの感動をとことん味わうための「音楽と脳の最新研究」を紹介。

感想・レビュー・書評

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  • 前半は音楽と数学、脳の関係。正直よくわからなかった…ここでピタゴラスが出て来るとはね。
    最終章の音楽を聴くと頭がよくなる?は真剣に読んだ。やはり音楽は脳にいいんだ。

  • 図書館の貸し出し期限が迫っていて、かつ予約が入っていて延長もできないので、慌てて1日で読んだ。

    度数とか振動数の話はさっぱり意味が分からなかったが、それ以外はトリビア的な興味深い話が多くて、なかなかおもしろかった。
    音楽の話というより、脳の不思議な働きの話がメインかも。

    ブーバとキキの心理学の話とか、前頭前野と統計学習の話とか特におもしろかった。
    特に、前頭前野と統計学習の話は言語習得にもかかわる話なので、とても興味深い。

    あと、個人的にハッとしたのが、以下のくだり。
    「12平均律の発明によって、1オクターブを12個の音の高さに均等に分け、音楽を扱いやすくすることができました。しかし、ここで忘れてならないのは、1オクターブの音の中には本来、12個だけでなく無限に音が存在しているということです。例えば、ピアノの鍵盤における真ん中のドの下のラは220Hz、その1オクターブ高いラは440Hzですが、この1オクターブの中には、単純計算でも220個(440Hz-220Hz)の音の高さが存在しています。12平均律では、その中のほんの12個しか採用していません。」(P39)

    私は完全に12音しかないと思い込んでいたが、そういえば、そうだわ、とビックリした。
    こういう「思い込み」に気づかされるところが、この手の本を読む楽しみですよね。

  • 何故、「音を音楽と認識するのか?」、「どうして心地よい音楽と居心地の悪い音楽があるのか?」…

    こういった疑問があって本書を手に取った。
    結論から言えば、これらの疑問の答えがあり納得。
    ただ、脳科学の本であると同時に音楽的な解説も多く、楽譜とか和音とか全く知識がないので今一つ消化できなかったのが残念。

    脳科学の角度のみからぐいぐい書いてある本をもう一度読んでみたい。

  • 音楽と脳に関する高度な学術成果をまとめたかなり難解な本だが、脳の統計学習システムの話が面白かった.顕在学習と潜在学習という概念の提示は、具体例が豊富で、よく理解できない部分も多かったが、楽しめた.音楽の効用について触れていた第5章もさわりだけの部分もあったが、興味ある事実の報告だと感じた.

  • なかなか難しい内容ではあったが、脳の疾患と楽曲を作る創造性は必ずしも負の相関があるわけではないことが興味深かった。

  • 音楽と脳に関する内容は非常に興味深かった。
    音痴な私は音楽に本当に興味がなく、鼻歌を歌いながら自分の音痴さにゲンナリするため鼻歌さえ歌いたくないと思うことがある。
    なのでピタゴラスが音響を発見した歴史に関してはあまり興味を持てなかった。

    ただ音楽が脳に与える影響や幼少期からの環境によって脳がどのように変化、成長するかと言う内容は非常に興味深かった。

    音楽に関する事は幼少期からの英才教育が必要であると私は理解している。
    ただ本書を通じ才能があるだけではダメで、才能×環境によって才能が開花することを改めて理解した。まぁ当然であり、そして残酷だと感じる。

    本書で出てきた例えば身長は環境に左右されない。どんな環境に生まれても生まれ持った才能(ポテンシャル)で基本的には決められた身長に落ち着く。
    才能を持っていたらこんな風に大きな努力もせず、普通に生きていたら開花すればいいのにと思うが、音楽に限らず才能ってそういうものではないと思う。
    生まれ持った才能(得意なこと)をきちんと理解し、それを適切に伸ばしていくための教育を受けることでしか才能は発揮されない。

    とすると子供にとっての選択肢は2つなのではないか?
    双方とも親の接し方になるが、
    ・1つがとりあえず何でも子供が興味を持った事はやらせてみる
    ・もう1つが親が子供をしっかり観察して「この子はおそらくこんな才能があるだろう」と仮説を持ち学ばせてみる

    後者の場合難しいのは、才能があっても子供がその行為自体を好きでは無い可能性がある事だ。音楽の才能があってもピアノを弾く行為や、ピアノのレッスンが嫌いだと才能を開花する事は難しい。
    さらにその学ばせ方や教育者も重要で、双方の相性や教育者のレベルでも才能の発揮のされ方は変わってくる。

    そう考えると才能を持って生まれ、それを開花すること自体が奇跡であり、考えると途方に暮れる…
    30代の私は芸術的な才能はないため、それ以外の才能(得意なこと)を自認し、それを伸ばしていけるような対応を自分でするしかない。
    それをするためのベースとなるのは、やっぱり自己理解なんだと思う。

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    ジャンル
    サイエンス リベラルアーツ

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    大黒達也(だいこく たつや)
    1986年、青森県生まれ、医学博士
    東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構特任助教
    東京大学大学院医学系研究科博士課程修了
    オックスフォード大学、ケンブリッジ大学勤務などを経て現職

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    flier要約
    https://www.flierinc.com/summary/3004

  • 音楽と脳の関係が色々と書かれており、両方に興味がある分としてはかなり楽しめました。

    が、副題に書いてある「創造性」や「超絶技巧」は、それを身に着ける考え方という意味では無かったかなと ^^;

  • 個人的になぜ音楽に感動するのかということに大きな興味があり、この筆者はそれを生涯の研究材料にしているのだなと感じて他の著作も、読んでみたいと感じた。

  • 第1章 音楽と数学の不思議な関係(音楽と科学の歴史;音の高さと数学;音の並び方と数学)
    第2章 宇宙の音楽、脳の音楽(宇宙の音楽;脳の音楽)
    第3章 創造的な音楽はいかにして作られるか(脳の記憶と作曲;脳の統計学習から作曲へ;脳に障害がありながらも卓越した曲を生む作曲家)
    第4章 演奏家たちの超絶技巧の秘密(脳と演奏;演奏と脳の予測;演奏から生まれる個性;主観的な「価値」;知識よりも大切なこと)
    第5章 音楽を聴くと頭がよくなる?(音楽と奇才;音楽の脳疾患への効果;音楽は私たちの心の中を「見える化」する

  • まず音楽の知識がないと、あまり内容が入ってこない。
    知らなすぎると読めないなと痛感。

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著者プロフィール

脳神経科学者。1986年生まれ。博士(医学)。東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構特任助教,広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター客員准教授。ケンブリッジ大学CNEセンター客員研究員。オックスフォード大学、マックス・プランク研究所勤務などを経て現職。専門は音楽の脳神経科学と計算論。著書に『芸術的創造は脳のどこから産まれるか?』(光文社新書)、『音楽する脳』(朝日新書)など。

「2023年 『モチベーション脳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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