この世を生き切る醍醐味 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 334
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022950376

感想・レビュー・書評

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  • 樹木希林のエッセイ?対談?
    インタビュー形式で樹木希林の人生を振り返っている。

    正直樹木希林という人について映画等に詳しくないためすごい人という印象しか抱いていなかった。

    内容は樹木希林のことについてが主だが、娘から見た像も書かれており、自分の価値観、考え方に繋がった。

  • 2018年春、新聞連載のために行われたロングインタビューを書籍化した1冊。
    後半には、娘・也哉子さんからみた樹木希林さんについても語られている。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「この本も、樹木希林さんの“いい部分”“いい言葉”だけを切り取った本なのかな?」と思いながら、手に取りました。

    裏面には樹木希林さんのプロフィールしかなかったものの、カバー見返しには「世を去る半年前、7時間に及ぶ最後のロングインタビューを全収録。」とありました。
    実際読んでみると、樹木希林さんご自身の言葉で、流れを持ちながら語られるお話は、とても読みやすく、起こったことをストンと受けとめて、そこからどうしようかと考えるスタンスは、こうした経験から生まれていったのかと納得できました。

    「『ああ、そうなっちゃった。さいですか』って。『じゃあ、そこからこうしていくか』っていうような感じね。」(153ページ)

    また樹木さんの目線は、人間の世界よりももっと大きな世界があることを、感じさせてくれます。

    「私はね、自分の身体は自分のものだと考えていたんですよ。とんでもない。これ、借りものなんだっていうふうに思えるようになりました。」(195ページ)

    「家や土地っていうのもさ、なんか自分で買ったんだから、自分のものだと思っちゃうじゃない?でも、これって、地球から借りてるものなんだよね。」(198ページ)

    地球からの借りもの…
    そんな風に考えること、なかなかないですよね。
    もちろん樹木さんも、最初からこうした人生観を持っていたわけではなく、それは病気の経験や今までの人生が混ざり合って、こうした考えになったことが、インタビューからよくわかります。

    そう思うと、人生観は変わっていくものだし、今このわたしの考えもまたいろんな経験を経て、そのときの自分にしっくり合うものに変わっていくのかもな、と思いました。
    人生観には何が間違いとか、どれが正解というものはないけれど、しいて言えば自然に生きていられているな、と感じられる価値観ならば、自分にはその人生観が合っていると言えるのかもしれませんね。

    後半には、娘・也哉子さんからみた樹木希林さんについて載っています。
    これがまたインタビューで読んだ樹木さんと「本当におなじ人かな?」と思うくらい、ギャップがある箇所がいくつもあり、娘、目線・自分で自分を見る目線は、こんなにも違いがあるものなのか、と思いました。

    名言集だけでは見えなかった、違った側面からみた樹木希林さんを見られる1冊です。

  • 樹木希林さんへのロングインタビュー。樹木さんは既に自分の余命を知っていて、その上でのインタビュー。樹木さんは勿論のこと、インタビューをした方も強い人だと思いました。

    個性派で存在感のある女優さんだった樹木さんの子供時代、女優時代、そして内田裕也さんとの夫婦関係や娘の也哉子さんやお孫さんたちのことまでたくさんお話しされています。内田裕也さんとは生涯夫婦でしたが、一緒に暮らしたのは3ヶ月くらいなのだそう。今頃は天国で仲良くお話しされているのではないかな。

  • 亡くなる半年ほど前、取材記者に余命が少ないことを告げた上で行われたインタビュー。
    生い立ちや仕事、家族のことなど、語られるエピソードの面白いこと、そして、揺るがない心の強さと冷静な観察眼に感服させられる。生き方の軸をしっかりと持って一生を送った人の、その考えや行動に迷いがないのが凄すぎて、絶対に普通の人ではないはずの内田裕也のダメさ・弱さがあまりにも普通に見えてそちらに安心、共感したりもした。
    巻末の内田也哉子から見ての家族の姿も興味深いし、人は死んでも何かが残り引き継がれていくのはいいなあと思った。

  • 樹木希林さん、格好良い人だ。「人を観察する」ことは、私も好きだったりする。到底足元にも及ばないが。価値観で同じように感じるところが、ちょっとあった。嬉しい。それで良い。

  • この世を生き切る醍醐味(朝日新書)
    著作者:樹木希林
    朝日新聞出版
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 1番最後の内田也哉子さんが希林さんを語るシーンが好き。

  • 「さいですか」 いい言葉でした。
    抗えない事実に対してはこれからもこの言葉で対処していこうと思う。

  • あんを見てファンになった。
    言葉も素敵だった。
    なんだこの人、素晴らしい。

  • すごい人ですね・・・

    「今日までの人生上出来でございました。これにておいとまします」って自分も言ってみたい・・・・

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著者プロフィール

樹木希林(きき・きりん/役者)
本名:内田啓子(旧姓:中谷)。1943年生まれ、東京都出身。61年に文学座附属演劇研究所に入所、芸名「悠木千帆」とし、女優活動をスタート(77年、「樹木希林」に改名)。64年、森繁久彌主演のテレビドラマ『七人の孫』にレギュラー出演、一躍人気を博す。66年、津野海太郎らと六月劇場を旗揚げ。また、同年、テレビドラマ『とし子さん』に主演。以後、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』『夢千代日記』『はね駒』『向田邦子の恋文』などのテレビドラマに出演。また、富士フィルム、ピップフジモト「ピップエレキバン」、味の素「ほんだし」などのテレビコマーシャルに出演。00年代以後、映画出演が増え、「歩いても 歩いても」( 08)、「わが母の記」(12)、「そして父になる」(13)、「神宮希林わたしの神様」(14)「あん」(15)「モリのいる場所」「万引き家族」「日日是好日」(18)などに出演。「人生フルーツ」(17)『転がる魂 内田裕也』などドキュメンタリー作品のナレーターも務めた。企画・出演をした映画「エリカ38」(19)が遺作となった。夫はロックンローラーの内田裕也、長女に作家の内田也哉子、娘婿に俳優の本木雅弘。2018年9月15日に逝去、享年75。

「2019年 『いつも心に樹木希林~ひとりの役者の咲きざま、死にざま~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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