池上彰の 世界を知る学校 (朝日新書)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737670

感想・レビュー・書評

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  • この本の内容は池上彰さんの立教大学での「国際情勢を読み解く」という講義がもとになっているそうです。

    一時限目 世界地図から見えてくる世界
    二時限目 アメリカはどのような国か
    三時限目 EUの理想と現実
    四時限目 ソ連からロシアへ
    五時限目 中東問題の本質は「土地問題」

    一時限目では、イギリスの地図がスタンダードであることを、まず学びました。
    世界地図は国によって描かれ方がまるで違い、著者の池上さんは地図の収集をするのが、趣味だそうです。
    ロシアの地図では北方領土は「ロシアの領土」とされていますが、中国の世界地図ではでは北方領土は「日本の領土」だそうです。理屈としては、「敵の敵は味方」で「中ソ対立」があるためにそうなっているそうです。

    二時限目のアメリカでは、アメリカという国を全く知らなかったことを思い知らされました。アメリカは「50の独立国が集まって一つの国を作っている」という基本をまず知りませんでした。(恥ずかしすぎるかもしれないです)そしてアメリカでは「聖書は正しい」と教えられていて「進化論を信じていない」なんて目からうろこでした。「アメリカには国民保険制度がなく医療費は全額負担」これは「アメリカは医療費が高いらしい」というのは聞いたことがありましたが、そういう訳があったのは初耳でした。

    三時限目のEUの理想では「ヨーロッパ統合運動の基本思想」などは今までに読んだ世界を舞台にした文学作品や歴史漫画などを思い出して、とても楽しく読み進みました。

    以上、裏話的なことを中心に書いてしまいましたが、核兵器の保有国がかなり多いのには脅威を感じました。

    中東問題については、解決しないと世界平和はないそうで、一番問題であるようです。
    これについては、新たにもう1冊本を書かれるそうです。

    著者の言葉として「ぜひ、実際に自分の目で世界中を見て実際に世界中の人たちと話をしてみて、世界の生の姿を感じとってみてください。国際理解というものは、そうして少しずつ進んでいくものだと思います」というのが印象に残りました。

  • 国際情勢をとっても分かりやすく説明してある。
    ただ歴史を順番に並べるのでなく、全く関係ない話と思えるものを上手に繋ぐ展開がおもしろい。

    第一時間目に記載されている「世界地図から見えてくる世界」が面白かった。
    北方領土はどこの国のものか、日本とロシアでは違うと思っていたけど他の国はどう捉えているのか。
    イギリスとアルゼンチンが同じ色で塗られている理由など、地図から読み解く国際情勢がおもしろい!

    こんな風に日常の出来事を、歴史と繋げて読めたら面白いなあ〜

  • ●今更聞けない世界情勢を手堅く教えてくれるので助かる。
    ●もう何冊も池上彰の本を読んでいて、聞いたことのある話も出てくるが、何回でも聞いたら覚え易いし丁度いい。

  • 池上彰が解説する世界情勢について。

    2018年出版と若干古いが、当時の世界情勢を網羅してたので勉強になった。

  • 勉強になる

  • 【資料ID】 97180119
    【請求記号】 304/I
    【OPAC URL】https://opac2.lib.oit.ac.jp/webopac/BB50110878

    最近、イギリスのEU離脱や中東問題など大きな国際ニュースに驚かされます。でもその経緯を説明できる方は少ないのではないでしょうか。本書はそれぞれの国がおかれた地理的状況や基本的は歴史について解説しています。これ一冊でヨーロッパ情勢の理解がすすみニュースがわかりやすくなります。

  • 「人から決して奪われることのない財産は教育だ。教育を受けさせることこそが、次世代への相続だ」

  • 現在世界中で使われている世界情勢を表現する言葉は、そのイギリスわを中心として見た世界をもとに作られている。
    ●イラクと言うのは「2つの川ないんだ」と言う意味の言葉。チグリス川とユーフラテス川の間の雲。一方のイランは「アーリア人の国」と言う意味。ペルシア人の国。イランの地図には、イスラエルと言う国が描かれていない。つまりイランはイスラエルと言う国の存在を認めていないのである。ちなみにヨルダンの地図にもイスラエルの国名の記載は無い。なぜならばヨルダンの国民の多くは、もともとパレスチナに住んでいた人たちです。つまりイスラエルができたことによって故郷をわれて夜単に逃げ込まざるを得なかった人たちです。また国際的にはエルサレムはイスラエルの首都とは認められていない。実はトランプ大統領の娘のイヴァンカの夫は正統派ユダヤ教徒でイスラエルと非常に親密な関係にある人物である。
    ●首相と言うのは「行政のトップ」与えられる役職です。一方大統領は「国家元首」に与えられる役職です。首相はあくまでも「その国で政治を実際に行う人間」の中で最も権力を持つ人と言うことになります。国家元首は「国民統合の象徴」となる人です。韓国、ロシア、フランスが大統領と首相の両方がいるのですが、大統領が政治の表舞台に出てくるタイプの国。ドイツやインドイスラエルではまず国民が選挙で国会議員を選び、1番政党の党首が首相になります。これが「議員内閣制」あり日本もこれである。どちらにしても国民から呼ばれた人間が強い権力をつことになります。
    ●ちなみに、国王がいないように見えるカナダ、オーストラリア、ニュージーランドと国家元首も、実はエリザベス女王なのです。
    ●首相がいない大統領だけの国。アメリカやトルコくらいしかない。
    ●日本の天皇は国家元首と同じく「国民統合の象徴」と言う役割を担っていますが、実は明文規定がないので国家元首は誰か?と聞かれたら困る。
    ●キリスト教原理主義 聖書に書かれていることが全て真実だと考えている人たちにとっては、進化論を教えるなんてとんでもないと。そういった理由でホームスクーリングをしている家庭がアメリカには100万世帯もある。
    ●EUの前身は1952年に作られた欧州石炭鉄鋼共同体です。ドイツとフランスの間にアルザスロレーヌ地方と言う場所がある。ここでは石炭が沢山採れそれを原料にした鉄鋼業が非常に盛んであった。ここをめぐってはフランスとドイツはたびたび戦争を繰り返してきた。第二次世界大戦後、ドイツの鉄鋼業が軍事産業に使われないように監視をしよう、と言うことになってできたのが、この共同体でした。西ドイツフランスイタリアベルギールクセンブルクオランダの6カ国。
    ●イギリスは、EU加盟国ではありますが、シェンゲン協定には調印していません。つまり行き来するときにはパスポートチェックが必要です。同じくスロベニアもパスポートが必要。
    ●プーチン政権になって言論の自由、表現の自由が保障されました。ただ批判をしてもいい。そのかわり命の保証はないよと言うことになったのです。
    ●ユダヤ人が何故ヨーロッパで、これほどまでに虐げられたのか?イエスを十字架にかけた。その報いで、土地の所有も認められていなかった。人から決してうばわれることのない財産として教育を受けさせました。中東問題の本質は「土地問題」です。

  • まさに学校で授業を受けているかのようなわかりやすさ。楽しかった。

  • 立教大学での授業をテキスト化したもので、アメリカ・ヨーロッパ(EUとイギリス)・ロシア・中東の現代史を大雑把におさらいする。イイトコの大学の授業が、およそ900円で受けられ、これだけのインテリジェンスが手に入るのだから安いものです。第2弾のアジア編も楽しみ。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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