- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022737069
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689587詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子育て支援がいかに経済成長につながるか、展開される論が非常に面白かった。なぜ北欧が福祉国家になったのか、歴史から紐解いていくのも非常に勉強になった。
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メモ
前提
「子育て支援の目的は、子供の健全な発達を支援することであり、またそのために、親の健全な子育てを支援することだ」
経済成長や母親の就業率などを目的とした統計分析がすごすぎる。さらに「適応」という概念から宗教までもを分析対象にして、関係性を見つけ出したのは本当にすごい。
1歳児以降の保育サービスを重点的に拡充するのが日本で効果的、そして前例となる国もあるって、エビデンスが揃ってる。政治家にも読んでほしい。 -
1.4兆円の保育拡充で0.64%の経済成長、子供貧困率2.2%改善!いいことばかりじゃないですか。アベノミクスの最優先課題の成長戦略にして取り組むべきだと思う。
自民党の保守的な人々の凝り固まった家族主義から脱却しないと、女性活躍なんて実現できない。移民政策よりもこっちをもっと進めるべきではいか?
財源の議論はちょっと実現性が乏しい。自民党が受け入れられる案を考えないと実現出来ない。 -
新書なのでやむをえないが、ファクトに基づいて統計上からも子育て支援政策が女性の労働生産性を高め、しいては経済成長に貢献できるというロジックを打ち立てることに成功している。
最後の宗教との絡めた話については?もつくが、総じて、女性の社会進出に否定的な方々にも読んでもらいたい。もっとも、こうした本を読むことすら拒否するんだろうが… -
・データ分析に基づく提案。
・国や地域によって社会保障モデルが3つに別れるのは、宗教によって説明できること。
・子育て支援がリベラル、保守の溝を埋めるきっかけになる。
などなど、「新書らしい新書」に出会いました。
つまり、内容が読みやすく、分量はそこそこなのに、得られるものは時宜に適っていて大きい。
・財政余裕を増やすには、労働生産性の向上が一番。
・IMFのラガルド専務理事の発言の根拠は、日本の女性労働力参加率がG7レベルまで上がれば一人当たりのGDPは約4%増え、北欧レベルまで高まるとさらに4%増える、というIMFによる統計的な推計。
・人間の脳は朝起きてから13時間以内しか集中力が続かない。
・1980年代から2000年代にかけて、高齢者の貧困率が大幅に減ったきた一方で、子どもの貧困率がじわじわと増えている。
・デューイ以後の適応概念には、適応の責任が社会の側ではなく個人の側だけに押しつけられている。 -
子育て支援がどのように経済成長と繋がるか、きちんとデータを分析して述べられています。ただ、筆者自身がおっしゃってますが、まだ不確定な要素はたくさんありそうなので、今後もデータの収集と分析を続けてくださることを願っています。
日本の子育て支援への、筆者の熱意と誠意が伝わる内容でした。
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最近、題名の提言をして話題の著者。
内容はとても興味深いのですが、どうしても中身の薄さを感じてしまうのが残念。
結局は、裏付けるためのデータが存在しない、または量が少ない現状に問題がある訳で、日本はこれからもっと子ども達に目を向けるべきだという点は同意。
つまり、現役世代の選挙への関心および投票率が低すぎるのが問題なのであって、我々が声を上げ、手を上げなければ、社会は変わらないのだと思う。 -
子育てしやすい社会にするための支出は結果としてワリに合う(経済成長につながる)のだということを、データを示して論じている。ますます少子高齢化していく日本で重要なのは、労働生産性を高めること。それには労働力女性比率を高めることが近道であり、そのためには保育サービスの拡充が最も効果的であることを「ただ訴える」のではなく「実証する」というところに力点がある。「働きたい女性が、心配せずに働ける」「子供を産んでも大丈夫だと思える」社会をつくるための下支えになる本だと考える。