- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022734303
作品紹介・あらすじ
宇宙や心のふしぎからダーウィンの進化論の裏側まで「もっと知りたい」を刺激してくれる本がここに100冊とちょっと、あります。
感想・レビュー・書評
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科学的な書籍の書評集。
読んだことがある本はあまりなかったから、読んでみたいと思うものがたくさん。
是非とも中高生にみてほしい本。
私もこの頃にもっと科学的な本を読みたかったけど「何を読んだらいいかわからない」ということがよくあった。特にお金もないし、はずれを読む余裕がない(入試などで)。
だからこそ、こういう本をベースにして次の本へとコマを進めてほしいと思う。
今の私としては、チェックした本をぽつぽつと読んでいくかな。
そして息子たちにそっとすすめる、そういう流れになればなぁと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
簡潔なのに分かりやすく、しかも興味やら好奇心やらそそられまくる。
誰かに本をオススメするのに、大げさな賞賛も誇張された美辞麗句も小難しい評価も必要ないのだ、ということがよくわかる。
読みたい本に付箋を付けながら読んでいたけど、すべてに付箋を付けることになって呆然。 -
サイエンス
本の本 -
科学本中心のブックガイド。読んだことがある本が3冊。読みたくなった本が3冊…といったところ。日経新聞夕刊の書評は、いつもいま一つだと思っていたけれど、氏の書評のうち、日経新聞夕刊分はあまり面白くなかった。これは日経新聞の本のチョイスの問題なのかな。
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◆本書の魅力
前書きの文章に切れがある。
「本書に登場する科学書の多くは、むしろ読むとあなたに新たな疑問や謎を残すでしょう。本のページを閉じた後、世界は元に戻るのではなく、むしろ変化して見えるでしょう。」・・・なるほど。
「実際のところ、インパクトにこだわり全速力で走って売り上げを競うような昨今の新書のパッケージにふさわしくないので、タイトルもごく穏やかなものにしました。」・・・好感持てる奥ゆかしさ
「3人の読者を想定している」
・・・これやってくれると読むべきかどうか判断できるからすべての本でやってほしい。
◆本から得た雑学
『時速250kmのシャトルが見える』
・時速250㎞のシャトルが相手コートに到達するまでの時間は0.3秒。
・ボート選手は約7分間の競技のあいだに238回漕ぐ。
「匂いの人類学」
・におい付き映画」への挑戦と挫折
『サブリミナル・インパクト』
コカ・コーラはあらかじめブランド名を知らされて飲むと、脳のある部分が活性化、ペプシはしない。ペプシは脳科学的にもブランド戦略に失敗しているという新しい理論
『リスクにあなたは騙される』
・「リスクセンス」を磨け。9.11により自動車に移動手段を切り替えたことによる死者1595人。9.11フライトの乗車数の6倍。
『ダーウィンのミミズ研究』
・白亜の破片を庭に撒き、29年後に掘り返す。
その結果、ミミズは1年で約6ミリの肥沃土を作ることが分かった。
・・・29年後!?
『迷惑な進化』
体内に鉄分がたまる病気は遺伝的。
今はいらないけど、ペストのときは免疫細胞に鉄を取り込ませない性質で逆に有利。そのため、西ヨーロッパでは割合高いのか?
西ヨーロッパのみ1/3らしい。
『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』
鳥類は人間よりもはるかにエネルギー効率の良いミトコンドリアを持つ
・・・将来はミトコンドリアとかのパーツレベルでかけ合わせたりできるのだろうか。
『ビッグバン宇宙論』
アインシュタインは悩んだ末に宇宙は不変であるとして、そうなるように、自分の数式を書き換えてしまったという
・・・理論に応じて数式を作り変えられるのすごい。
『捨てるな、うまいタネ』
キウイフルーツは植えると芽が出る。
・・・広大な土地を手にしてやってみたい。
◆気づき
『遺伝医療とこころのケア』
発症前遺伝子診断の「知らないでいる不安」と「知ってしまう恐怖」のせめぎ合い・・・これはジレンマだなと感じた。
『自由は進化する』
人間には視点を切り替える能力がある。
神の視点と人間の視点
神の視点で見て決定的でも、人間の目で見れば未来の選択は可能。
・・・視点を変える力があるという発想に脱帽。
『クロスロード・ネクスト』
大震災から1週間。あなたは被災地の食料担当員。3千人の市民に対し、食料は今2千人分しかない。まず2千食配るかどうか。
を司会者が読み上げるといにYesかNoでこたえる。
・・・これ結構、楽しそう。
『いつも上を向いて』
マイケルは病気をギフトだと考え、「神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分に変えられることを変える勇気と、その違いがわかるだけの知恵をお与えください」、と毎日祈った。
・・・病気をギフトだといえるほどの器は見習おうと思った。
『100歳の美しい脳』
修道女678人の脳からアルツハイマーを研究する。
「これは一生に一度しかできない研究なんだ」
・・・一生に一度というフレーズに惹かれた -
ダーリンは71歳を読み終え、次に読んだのが
パラサイトイヴの作者でもある瀬名秀明さんの
『科学の栞 世界とつながる本棚』
雑誌に連載した瀬名さんの書評集。
書評を読んでほしい相手は、、、
*これから進路を決めようとする中学生、高校生のあなた
*社会で働きながら読書の愉しみとともにあるあなた
*長年インフルエンザ研究の第一線を走り、学術活動を続け
今は自分の研究は一段落し、全体をマネージメントする側になる父。
そんな三者に当てた、多方面の科学に関する本の書評集。
中には私が読んで楽しかった本もあって、
ほくそ笑んでしまった。。。
早速メモに残し、これからの読書の一覧の助けになりました。 -
どうしても、自分だけで本を選ぶと、似通ったものを選んでしまいがちだ。
まして、科学の本なんて、何を読んでいいか、わからない。
幅を広げたいと思って、本書を読んでみた。
結構影響を受けやすいらしく、少し前に読んだ柴田元幸さんと高橋源一郎さんの書評本を読んで、阿部重和とか、町田康なんて買ってしまったくらいだ。
初出は朝日中学生ウィークリーや、中央公論、日経新聞などで、2007年ごろの書評。
瀬名さんの文章は、とても爽やかだ。
科学の楽しさ、その本の価値を真摯に伝えようとしているのだけれど、堅苦しくも、暑苦しくもない。
アルツハイマー病研究のために、死後自分の脳を差し出す修道女たちのについての『100歳の美しい脳』。
アメリカの電気産業が起こり、エジソン率いる直流か、ウェスチングハウス(今話題のあの会社!)の交流か、という争いの中で、電気椅子に交流を採用するに至った経緯を描いた『処刑電流』。
その他にも、読んでみたいものがある。
自分の力で読みおおせるか、やや不安だけど。
読んでみたいものはたくさん見つかったけど…
今日書店に行ってみたら、本書に取り上げられた本は、『春の数え方』くらいしかなかった。
なんてことだ。 -
新書文庫
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瀬名さんと最相さんの往復書簡を読んでから、瀬名さん大好きになりました。とにかく文章が優しい。近頃つくづく思うのは、科学の本ってけっこう面白いってこと。でも科学の本って絶版率高いですよね。この本読みたいなぁと思っても絶版・・・って身を持って実感します。科学の書評集と小説の書評集があったとき、5年後に紹介されている本の絶版率は、科学書の方が高いようです。だからと言って、この本は5年後に意味がなくなることはないと瀬名さんは言っておられます。わたしたちにとって、科学の本とはどのようなものであり、それを読むとはどのような愉しみであるのか。読むことでどのような未来がつくられるのか、それが本書の主題のようです。この本が書かれてからちょうど5年が経ってます。この期間に新しい発見や進歩もあったことでしょう。でも、やっぱりこの書評集に紹介されている本が読みたい。これがわたしのはじめの一歩です。