オブジェクタム/如何様 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 169
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022650528

作品紹介・あらすじ

小学生のころ、祖父はいつも秘密基地で壁新聞を作っていた。(「オブジェクタム」)、第2回林芙美子文学賞受賞作(「太陽の側の島」)、敗戦後に戦地から復員した夫は、出征前と同じ人物なのか。(「如何様」)など、芥川賞作家が描く短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 常にあたまのなかで、謎が浮かぶ、不思議な作品
    でした。芥川賞を受賞した、著者の初期の作品の
    「オブジェクタム」「如何様」を、合本して、エッセイを加えた本作は、まさに高山羽根子を知る上で、是非読んで欲しい作品です。「オブジェクタム」は、ある広場の壁にかけられている壁新聞の謎に迫るお話で、壁新聞の内容がとてもシュールでして、「スーパー山室と八百永青果店、ナスと柿に於ける傷みの率の比較」など、とてもユニークです。
    この新聞を描いたのは誰なのか、そして、クライマックスの謎をぜひ読んで欲しいです。
    「首里の馬」のイメージと違う、どちらかと言えば
    SF色の濃い作品集だと思います。

  • 日常から少し浮かんだところに、曖昧な謎が産まれて、いつまでも解かれずに、物語は終る。この感覚は心地よい。ただ、提示されるだけで解かれない謎というのは、純文学界隈では一般的、というか、もはやクリシェだからね。そうしなければいけないという強迫観念さえ感じる。だから、きちんと伏線をはった上で、落とすことに、案外作者さんがこだわってるところを評価したい。そういう意味でも「オブジェクタム」や、オチがきれいな「太陽の側の島」あたりが愉しい。

  • 正直読む期間が途中で空いてしまい、表題作の「オブジェクタム」の印象はない。
    私が好きだなと思ったのは、
    「太陽の側の島」
    「如何様」
    どちらもハッとさせられる内容で、楽しく読めた。

  • なにかを懸命に探しているけど、探しているものの正体を分かっていない掴みどころのない感じ。高山さんの書く、戦争の裏で必死に生きていた女性が好きだなと思った。

  • SFを読みたくて買ったのだが、ちと違った。でも不思議な世界に連れていかれる感じは好き。

  • 如何様が一番気に入りました。

    そもそも本物ってなんだろう?

  • 不思議だけどどの短編も「かわいい」と感じた。  

  • おもろ!!!!ここにいない人や普段いる場所にいない人たちの話。
    「如何様」が特に好き。本物を本物たらしめるものとは?本物と贋作のちがいは?境目にある坂。駅伝(?)の「ラピード・レチェ」も好き。

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著者プロフィール

1975年富山県生まれ。2010年「うどん キツネつきの」で第1回創元SF短編賞佳作を受賞し、デビュー。2015年、短編集『うどん キツネつきの』が第36回日本SF大賞最終候補に選出。2016年「太陽の側の島」で第2回林芙美子文学賞を受賞。2019年「居た場所」で第160回芥川龍之介賞候補。「カム・ギャザー・ラウンド・ピープル」で第161回芥川龍之介賞候補。2020年「首里の馬」第163回芥川龍之介賞受賞。その他、『オブジェクタム/如何様』『パレードのシステム』などがある。

「2023年 『ドライブイン・真夜中』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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