選書942 アメリカの排日運動と日米関係 (朝日選書)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630421

作品紹介・あらすじ

【歴史地理/歴史総記】20世紀初頭のカリフォルニア州を舞台に始まった日本人移民の排斥は、長らく2国間関係の懸案事項だった。その歴史を膨大な資料をもとに丹念にたどり、移民問題が日米関係に与えた影響、また日米関係が移民問題に与えた影響を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史
    戦争

  • 1920年代にアメリカで成立した差別的な「排日移民法」がどのような過程で成立したか、その背景には何があったのかを丁寧に追った名著である。事実を積み重ね、時には慎重な推論を織り交ぜた論旨は、説得力がある。何よりも、それによって日米関係がどのように傷を負い、そして戦争へとつながったのかを思うとき、外交の怖さに慄然とするものがある。

  • 明治維新以降、不平等条約を改正し、日清日露と“一等国“を目指してきた日本にとって、“排日移民法”の成立は劣等民族との宣告でした。欧米の仲間入りはできないと知らされた日本はアジアの盟主へと目標を変えることになりますが... 白人社会にある人種差別観は意識の基底にあり、見えない時は潜んでいます。対米衝突の起源となった同法を排日運動から丹念にたどっています。人ベースの角逐を追うあまり基礎知識を持たないと分かりづらい。国別移民数や経済への影響など、数値データも絡めて欲しいところです。ただ、他に良書がなく必読の労作です。

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著者プロフィール

簑原俊洋(みのはら・としひろ) 1971年、カリフォルニア州出身。カリフォルニア大学デイヴィス校卒。神戸大学大学院教授およびインド太平洋問題研究所理事長。日系アメリカ人で大学卒業後は大手金融機関に勤務。のちに神戸大学に留学し、同大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)。専門は日米関係、国際政治、安全保障、アメリカ外交。99年に神戸大学助教授、2007年から現職。02年に『排日移民法と日米関係』(岩波書店)で、アメリカ学会より「清水博賞」を受賞。著書に『アメリカの排日運動と日米関係』『「戦争」で読む日米関係100年 日露戦争から対テロ戦争まで』(朝日新聞出版)など多数。

「2023年 『大統領から読むアメリカ史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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