ナンシー関の耳大全77 ザ・ベスト・オブ「小耳にはさもう」1993-2002 (朝日文庫)

著者 :
制作 : 武田砂鉄 
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 203
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022619419

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学評論随筆その他】2002年、39歳で急逝した消しゴム版画家・ナンシー関。その言葉は今なお、テレビの中に漂う違和感に答え続けてくれる。彼女の大ファンで、日常の違和感を小気味よい筆致であぶり出す武田砂鉄氏による、「週刊朝日」の伝説的コラム「小耳にはさもう」傑作77選。

感想・レビュー・書評

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  • どの時代も、毒舌家は一目置かれたり賛美されたりする。
    誰もが思っているが口には出さないことを代弁してくれて気分がスッキリするからだ。

    「毒舌」とは下から上に突き上げる言質である。
    上から下だと、管理し制圧する言葉になり、単に力関係の行使(パワハラ)になってしまう。

    ・武田鉄矢が人気者であると思うたび、私は日本という国が嫌になる。武田鉄矢は暑苦しい。すべてにおいてなんか過剰だ。自分の語りに自己陶酔している。…
    ・泉ピン子がバラエティー番組などドラマ以外のところに出てくると、もういきなり辟易する。…

    歯に衣着せぬ毒舌の気持ち良さに、20~25年程昔の懐かしさが重なって、そんな時代だったなー、と感慨に浸れる。

    有吉弘行、マツコデラックス、梅沢富美雄、坂上忍らの「毒舌家」と違うのは、ナンシー関は個人を相手に語っていることだ。
    「毒舌」で地位を築いた北野武にしても社会の空気や一般論・全体の思想に批判をしているが、個人をターゲットにはしていない。

    本書はまず最初に有名人の名前が出てきて、この人をナンシー関はどのように見ているのかが語られている。
    嫌いな所や残念な所だけでなく、その人について考えたことを正直に発言している。

    ・高嶋ちさ子。「おもしろい人」でなくて「意外におもしろい人」。バイオリニストというジャンルが「意外」度を増幅させている。
    ・松岡修造。修造は計算していたのである。みんな天然だと思っているのだろうけど、実は相当考えてやっている。

    有名人のどこを見て何を思っているのか。
    神田うの、長嶋一茂、島崎和歌子、中山秀征、川島なお美、野村沙知代、ヒロミ、浅香光代、織田裕二、沢田亜矢子、
    萩本欣一、藤原紀香、石橋貴明、飯島愛、神田正輝、華原朋美、深田恭子、梅宮アンナ、広末涼子、など…
    亡くなった方やあまり見かけなくなった方も多いが皆知っている人で面白く読めた。

  • 今、読んでも全然色あせない。さすがナンシー関。
    1993-2002だからさすがに故人になった人たち(大橋巨泉、飯島愛、野村沙知代)もいたけど。
    とにかくその洞察力と分析力と文章力には舌を巻く。
    ほとんど名文。
    最後のふざけたオチのつけ方も秀逸。
    何度か声に出して笑った。

  • ナンシー関による皮膚感覚の違和感が、武田砂鉄を媒介として怒りだけに純化されて伝わる。

  • ふむ

  • 文章が良いと聞いて買ってみたものの、取り上げられてる人名がほぼ知らない人ばかり…芸能界に詳しい人なら抱腹絶倒なのかもしれないけど、部外者には内輪ネタ過ぎた。

  • めちゃめちゃ面白い

  • 文章力の高さが伝わりました。

  • 凝りすぎた評価
    評価内容を理解するのに 疲れてしまう。

  • 社会

  • 話の対象になる芸能人に「さすがに最近見ないな」という人もちらほらいるものの、文章自体は没後16年も経っているとは思えないほど面白い。
    小倉智昭の回の「ボクは先代の社長に
    たいへんかわいがってもらってね」という
    何でもなさそうな一言に対する怒涛の考察は
    この本の1つのクライマックスだと思う。

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著者プロフィール

1962-2002 青森県生まれ。法政大学中退。消しゴム版画家。雑誌のエッセイや対談でも活躍中。著書に『ナンシー関の顔面手帖94夏』『信仰の現場』『小耳にはさもう』ほか多数。

「2014年 『語りあかそう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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