- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022618191
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学評論随筆その他】還暦間近の俺は、若い頃、絶対に相容れないと思っていた父親のため、仕事帰りにとんかつを買い、「さっぱりしたなあ」の言葉を聞きたくて体をふく──。介護をする毎日、止めようもなく過ぎてゆく時間とその中でふいに訪れる僥倖のような瞬間が静かに響くエッセイ。
感想・レビュー・書評
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著者が、一年半にわたる実父の介護体験をつづった書。
昨年たった三ヶ月ながら、夫とともに義母の介護(と死)を経験した自分にとって、他人事ではない実感をともなったものとして胸に迫るものあり。
老親を介護する家族の心を、少しく軽くする言葉もあり、
夫にもぜひ読んでもらいたいと勧めてみたものの、「まだ(つらくて)読めない」と拒絶されてしまった。いつか、あの日々が”思い出”になったら、手に取って欲しいものです。
(私自身も、もう一度時間をおいて再読したい)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分が30代になり親となり、今年で親が還暦を迎えるにあたり、親の老いについて考えさせられた。親が85歳になるまであと25年しかないのかと思う。世代は移り変わっていく。
老いて、病んで、なお生きるということの意味
あぁ、風呂はいいなぁと言ったお父さん
何も起きないことが何よりも貴重であるという思い
どんなことがあっても自然は人間とは無関係に春が来れば芽吹くこと
1人では生きていけない困惑、それを救うせん妄と死
何か心に残す一冊でした。
また歳を重ねて、再読したい。 -
読了。一気に読んだ。途中、辛くなった。読み終えてスッキリした気分になった。まだ、介護の経験はない。経験しなければわからないことが書かれていたと思う。人が生きるのは大変なんだと思った