中世的世界とは何だろうか (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022618092

作品紹介・あらすじ

【歴史地理/日本歴史】「日本は島国」といった、日本の成り立ちに関する常識や通説に向けて問題を提起し、柔軟な発想と深い学識で新たな列島像を展開する一冊。「源氏と平氏」「名前と系図をさかのぼる」などのテーマで、網野史学の世界を一望する。

感想・レビュー・書評

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  • Ⅲの南北朝を境に『聖』に属していた職能の人々が『賤』に貶められる非農業民の変遷の考察が特に興味深かったです。
    軍記物が好きなのでⅡの内容も当時を深く知り考えるために読めて良かったです。
    著者の歴史観には当然批判等もありますが天皇や公家、武家と言った力を持つ人々の視点以外の中世世界を捉えるためには読んで良かったと思います。

  • 源平から後醍醐の建武新政まで、荘園制から封建制度への移行時の納税はどう考えられていたのか、農民は作物を納めるが、非農民=遍歴民は土地(領主)に縛られず自由な租税免除・自由交通権を得て交易を担った職能人達がいて、社会には欠かせない遍歴民をみることで歴史を捉えようとしている本です。

  • 農民土地史観をひっくり返した、網野先生の中世考察をまとめた本。
    網野史観も今の視点から見れば古びた感があるが、登場して論争になっていた最中のインパクトはホントすごかったんだろうな。

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著者プロフィール

1928年、山梨県生まれ。1950年、東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授を経て、神奈川大学経済学部特任教授。専攻、日本中世史、日本海民史。2004年、死去。主な著書:『中世荘園の様相』(塙書房、1966)、『蒙古襲来』(小学館、1974)、『無縁・公界・楽』(平凡社、1978)、『中世東寺と東寺領荘園』(東京大学出版会、1978)、『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980)、『東と西の語る日本の歴史』(そしえて、1982)、『日本中世の非農業民と天皇』(岩波書店、1984)、『中世再考』(日本エディタースクール出版部、1986)、『異形の王権』(平凡社、1986)、『日本論の視座』(小学館、1990)、『日本中世土地制度史の研究』(塙書房、1991)、『日本社会再考』(小学館、1994)、『中世の非人と遊女』(明石書店、1994)。

「2013年 『悪党と海賊 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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