- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022617620
作品紹介・あらすじ
【文学/随筆】上野千鶴子さんが10代~70代から寄せられた恋愛、夫婦、親子関係などの悩みを一刀両断。とりわけ異彩を放つのが「身の下」への回答。前向きになれるアドバイス満載。朝日新聞「be」好評連載「悩みのるつぼ」の文庫オリジナル。
感想・レビュー・書評
-
相談者の甘えや自己陶酔にはバッサリ、ピリッとした回答をされていて興味深かった。
上野女史の定義される結婚=「結婚とは、自分の身体の性的使用権をたったひとりの異性に生涯にわたって排他的に譲渡する契約のこと」に氏の生真面目な一面を見たような気がする(そんな契約を守り続ける自信はないから結婚しなかった、というあたり)。
世の中の人というのは皆自分では真面目で秩序を守っていると思いがちであるが、その実自分に一番甘いものなので、この定義を厳守できなくとも気が向けば結婚しているのではなかろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「人生のお悩みの多くは身の「下」から来ます」
作者の上野千鶴子さんのお言葉です。こちらの本は朝日新聞の『悩みのるつぼ』に掲載されたものをまとめたものです
悩みの相談は、自分が共感できるものから、少しドン引きするようなものまで様々。
でも大体がこじれた恋愛関係や、「下」のことです笑
まず良かった点
上野先生のお言葉が、遠回しではなくぐさっと刺さるようなストレート球で、読んでいて痛快なこと
質問を読んでいて、読者が感じることを明確に言語化してつっこんでいらっしゃって、「そうそう、それがいいたいの!」と心地よく読み進めることができます
ただ、上野先生と私の視点が近すぎるのか、「そういう考え方があるのか」という目新しさはあまりありませんでした
暇つぶしに軽く読むにはもってこいの書籍です -
新聞連載を愛読している。面白さでは岡田斗司夫氏と双璧かな。「天下の朝日新聞でこんな単語(チ○チ○とか)が堂々と使えるとはいい時代になった」というような意味のことが何回か書かれていて、確かにそうだなあと思う。
上野先生と言えば、その鋭い舌鋒であちらを斬り、こちらをバッサリ、というイメージだが(ま、実際そうなんだが)、「こういうことが達成できたことはすばらしい」というようなことも折に触れて発言されている。この人生相談でも、かつての悩みとの違いによく言及されていて、なるほどなあと思うことが多かった。特に女性の生き方について、古い規範を内面化した相談がほぼなくなっているように思う。確実に世の中は変わっている。遅々とした歩みではあるけれど。そしてまた、新たな悩みや苦しみもあるわけだけど。
ウンウンとうなずいてしまう指摘が随所にある。
「親の幸福より自分の幸福が大事。そう、自分のエゴイズムに向きあい、それを肯定するのが生きる覚悟というものです」
老親との葛藤を訴える女性へのことばであるが、ほんと、その通りだと思った。
新聞に載ったとき、何回も読み返し、切り抜いてとってある回がある。自分と同年代の女性が、娘さん(ウチの娘と同年代)の人生について相談したもの。
「親業のゴールは、子どもからある日、『もうあなたは要らない』と言ってもらうこと」
我が家の子どもは二人とも、下宿して大学生活を送り、そのまま遠方で社会人となり一人暮らしをしている。学生時代にはしてやれることがまだあったが、今やなーんにもない。引っ越しの手伝いもいらないと言われ、結構(かなり、とっても、すごく)寂しい気がしたのだが、上野先生にそれで良かったのだと言ってもらっているような気がした。 -
母と娘は仲が悪くていいんです。とはっきり言い切る上野先生。
なにより、悩む必要のないことと、悩む価値があることの腑分けが鮮やか。心の外科医みたい。 -
自分の身に起こってることと
近いことはあんまりなかったけど、
バサッと斬る上野先生の
言葉がかっこいい。
こう読んでいると
自分にはあまり悩みなんてないのか、と
気付かされる。 -
どこから読んでも、面白い。
何にでも彼女の哲学が透けて見える問答集。 -
一番最後の極めて失礼な質問に対して、
しっぺ返しともとれる鮮やかな回答が小気味良い。
ラストに作者のにやりとした顔が見えた。 -
少ない言葉を偏りない視点で分析しているアセスメント能力にひたすら脱帽 楽しい読み物、しかし人の混沌や社会学の慧眼に触れる。恐ろしい
-
女性にここまで スパッと言い切ってもらえて 気持ちいい
爽快なアドバイス!
割り切りどころも
非常にツボを得ている