なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 338
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022617217

作品紹介・あらすじ

聖書理解も礼拝スタイルも、教派が変わればここまで違う!自他共に認める「キリスト教会オタク」の著者が、カトリック、プロテスタントから「異端」までを徹底分析。キリスト教文化圏の理解が深まること間違いなしの必読書。驚きの情報量でイラスト・索引・用語集も充実。

感想・レビュー・書評

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  • [教えの前に]「神父と牧師ってどう違うの?」、「カトリックと正教会とプロテスタントって具体的にどう違うの?」、「イースターって何の日?」など、キリスト教についての基礎的な情報・知識をわかりやすくまとめてくれた一冊。教えの内容よりは、行事や教派、服装などの外形的な点に焦点を当てた内容となっています。著者は、英国貴族の称号ルールについての興味が尽きないというフリーライター、八木谷涼子。


    信仰や救いということではなく、まずは知識としてキリスト教を知りたいという方にオススメ。なんとなく知っているつもりではあっても、具体的には知らないという諸点について、Q&A形式も絡めながらわかりやすく解説してくれています。著者自身もクリスチャンではないとのことで、特定の派に偏って記述がなされていない点も、非クリスチャンの方にとっては非常に読みやすくなっているのではないでしょうか。


    特に各教派についての解説は、それぞれについて歴史や運営制度など分野ごとに解説されており、何がどう違うのかをはっきりと示してくれています。参考文献や関連サイトについてももちろん充実していますので、キリスト教についての学習を深めたい方は、まずこの作品を手に取ってみるというのも良いのではないでしょうか。

    〜あくまで平易な「ガイド本」として、冒頭にあげたような素朴な疑問を解きほぐし、キリスト教圏の文化の理解に役に立つ基礎情報を提供すること、それが本書の目標だ。〜

    ありそうでなかなかない良い作品☆5つ

  • 新潮OH!文庫『知って役立つキリスト教大研究』の、お引っ越し+増量+改題版なので、主な感想は旧版に。

    カトリック・東方教会・プロテスタントと、その中の各宗派の流れが丁寧にまとめられていると思う。それぞれの教義や学説の細部を知りたいかたには向かないと思うので、そこはあくまで概観として。それにしても、相変わらず詳しい。

    カトリックはヨーロッパ文化の必須事項なので、美術などから知識を得られることも多いから、そこに興味のある人は、読むのはこの本じゃなくてもいいと思う。でも、プロテスタントは、簡素を旨とするためか、意外とソースが少ないから、そこにはものすごく効いてくる。アメリカの政治(特に911以降の福音派がらみ)や文学の流れをみるときには、予想以上に役に立つ(と思う)ので、そこに注目されているかたは、お持ちになっていたほうがいいように思う。

    • Pipo@ひねもす縁側さん
      私もギリシア・ローマ神話、シェイクスピア・・・と、レファレンス長者ですよ。キリスト教に関しても、一般書で足りる私は、これと何冊かで十分です。...
      私もギリシア・ローマ神話、シェイクスピア・・・と、レファレンス長者ですよ。キリスト教に関しても、一般書で足りる私は、これと何冊かで十分です。内容的には、もう少し突っ込んだことを知るために、佐藤優さんの著書もいいと思いますが、パラ見レベルで撃沈したままです。

      それとは別に、神学論争はディベート技術の基本なので、欧米の大学では、神学をそういったスキル養成科目のひとつとして選択する学生が多いというのも聞いたことがあります。
      2012/04/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「神学論争はディベート技術の基本」
      ナルホド!読み方の道筋が判り易くなった気がします。
      「レファレンス長者ですよ」
      知りたがりの宿命みたいな...
      「神学論争はディベート技術の基本」
      ナルホド!読み方の道筋が判り易くなった気がします。
      「レファレンス長者ですよ」
      知りたがりの宿命みたいなものですね。
      2012/04/19
    • Pipo@ひねもす縁側さん
      神学論争=己の存在意義をかけた戦いなので(と思う)、まったくアウェイの人間が、「ディベート術」として、ちょこちょこっとかじっただけでは勝てま...
      神学論争=己の存在意義をかけた戦いなので(と思う)、まったくアウェイの人間が、「ディベート術」として、ちょこちょこっとかじっただけでは勝てませんね~。

      レファレンスに限らず、興味のある本があれば、その周辺本に興味がまたわき、つながりを楽しむ日々です。今日は何にしようかしら。
      2012/04/19
  • キリスト教って何なのか?知っているようでいまいちよくわからない。ちょっと勉強してみたい。そんな方は結構いるのではないでしょうか。
    私の場合、興味の始まりはユダヤ陰謀論(笑)。そして世界史で十字軍やビザンチン、そして米国史を学ぶうちにキリスト教についても興味がわき、さらに文学作品を渉猟するにあたり、どうもキリスト教内部でもいろいろあるらしい、と気づきはじめました。
    キリスト教を包括的に学ぶのに何かいい本はないかとネットで調べていたら、とあるサイトでお勧めにあったのがこちらの作品。

    で、読んでみましたが、非常にわかりやすかった。この人は一体何者か?とむしろ筆者の素性が気になるくらいよくご存じで。

    一番の特徴は宗派についての概要を具体的かつ簡潔かつ網羅的にまとめている部分。具体的に書きますと、東方正教会、ローマ・カトリック、ルター派、聖公会(アングリカン)、改革派・長老派、改宗派・組合派、バブテスト、メソジスト、ペンテコステ派、メノナイト系、クエーカー、ユニテリアン・ユニバーサリスト、救世軍、福音派、その他いわゆる新宗教に分類されるような宗派も。筆致も柔らかく、詳しい友達に教えてもらっているかのようなフランクな語りで、直観的なわかりやすさがあります。いろいろ違いがあり、また色々互いにいがみ合ったりもしてるらしく、そういうこともきちんと教えてもらえます。

    そのほか、典礼の服装のイラスト(どうやらご自身が書いていらっしゃる様子)やキリスト教の習慣についてとか、シスターや牧師さんとのインタビューとか、なかなかお目にかかれない方々の経験談も非常に興味深いものでした。

    読んでいてへー、と感じたのはオートミールの話。よくある”Quaker Oats”は別にクエーカーが創始者であったわけではなく、「純正品にふさわしい」として、いわばイメージとして採用されたとのこと。つまりクエーカーって、誠実・純正・嘘偽りのないとか、そういうイメージなのでしょうね。

    また東方正教会の記述にこんなのがありました。
    「地域や民族全体、あるいは家族の宗教という側面があるため、自然体の信者が多い。信仰とは頭だけのものではなく、生活そのものともとらえ、完成を駆使して神に向き合う。(P.49)」
    わたしはこれを読んでいて、なんだかアイヌのことを思い出しました。あまねく自然を調和的に司る神。神がリズムを刻むことで人間も生かされている、というようなホーリスティックなテイストがキリスト教にもあるのかもしれないとふと感じた次第です。

    ・・・
    以前世界史の講義で、世界人口の約3割がキリスト教徒という話を聞きました。世の中グローバル化だとかコミュニケーションとか色々言う割に、世界の人々のバックグラウンドについての理解が足りないんじゃないかと自省しております。
    実質的無宗教の方が太宗である日本にあっては宗教の理解はそこまで必要ではないかもしれません。しかし、私たちもひとたび日本国外へ踏み出せば、文学作品でも多くの宗教的バックグラウンドをもとに書かれた作品、また実際に多くの宗教者・宗教家に出会うことになります。
    そうした自分とは異なるものの理解への一歩として本書は非常なる有用さを持っていると断言できる本でありました。

  • 学校に所蔵あり

    カトリックとプロテスタントの違いから、「異端」とされる宗派まで、各教派の歴史や特徴を丁寧にまとめた事典。
    イラストや図解も豊富で初心者にも読みやすい一冊。

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2017年度第7回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第3弾!

    本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。

    山田庄太郎講師(哲学科)からのおすすめ図書を展示しています。
        
    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2018年1月9日(火) ~ 2018年2月28日(水)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

    仏教に天台宗や臨済宗などの宗派(教派)があるように、キリスト教にも様々な教派があります。カトリックやルター派、聖公会などは有名ですが、たとえば正教会の名前を聞いたことはあるでしょうか。各教派の歴史から、日常生活における細かな習慣まで、本書はキリスト教に関する素朴な疑問を、イラストをまじえながら分かりやすく解説したガイドブックです。キリスト教に関心がある人はぜひ手にとってみてください。

  • 色々とわかりやすいです。

  • 新書文庫

  • 15/09/26、ブックオフで購入。

  • キリスト教MAP。
    各教派の特徴を掴むのに最適。

  • http://www32.atwiki.jp/fushiginakirisutokyo/pages/16.html
    ここでこの本について知りました。

    読み物というよりは文字通り「事典」的な書籍です。
    キリスト教のさまざまな教派についての説明がなされています。
    ローマ・カトリックは勿論のこと、世界史で出てくるルター派、東方正教会、ニュースなどで時折話題となる福音派、エホバの証人などまで網羅されており、全体像を掴むのに適しているのではないかと思います。

    それに加えて、各教派に関連した作品、参考図書、膨大な文献リストがあるのが優れている点だと思います。キリスト教について深く掘り下げて理解していく際の足がかりとしても有用ではないでしょうか。

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