ヒルズ黙示録 検証・ライブドア (朝日文庫 お 58-1)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022615930

感想・レビュー・書評

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  • ライブドアを筆頭とするヒルズ族と言われた人物たちがM&Aを繰り返し、凋落していく姿が本書では描かれています。

    ニッポン放送株を巡るフジテレビとライブドアの争いや堀江氏の総選挙出馬、村上ファンドの阪神電鉄や楽天のTBSを巡る争いなど04年から05年にかけて六本木ヒルズを中心としたヒルズ族が国内外の金融機関も含めて出し抜き、出し抜かれの攻防は読んでいて小説よりも壮絶な物語だと感じました。

    ライブドアを発端として国政捜査によってライブドア関係者を中心に逮捕者も続出し、まさに社会現象化した一連の騒動から本書を通じて金融のあり方について一時代の熱狂と終焉を感じることができました。

    綿密な取材をもとにした一時代を築いた壮絶な人間ドラマと各人物の経歴も書かれており、事件のドラマともに興味深いところでもありました。
    ライブドア関連の書籍も何点か読みましたが、各人によって見解が異なる部分があって、本書では第三者が取材をもとに書いているのでまた違った一面を感じることができました。

  • 文庫版ということで、加筆されているだけに、一連の経過がよくわかりました。

    特に、終章~突破者『パンク小僧』の節、文庫版あとがきは、特に理解を深めることができました。

    ここ近年の企業不祥事含め、責任を取らない専門家や、行政、経営者の姿についてとても勉強になりました。

    歴史は繰り返すといいますが、次は、何が起こるのか。

    また、それに伴う、新たな圧力がどう生まれるのか、気になります。

  • 事実かどうか疑問な部分はなんとも

  • テレビで報道されているだけではない、本当の情報が伝わってくる。この著者もそうだが、ジャーナリストの取材力というのはすごいものだと感じる。一連のテレビの報道にだけ踊らされているのが恥ずかしく思えた。日本社会には、出る杭を打つ風習がある。国家権力が国策調査に乗り出した裏にはきっともっと大きな権力が動いたに違いない。

  • 13054

  • ライブドアとフジテレビの抗争を中心にライブドア事件を振り返るドキュメント。話題先行でホリエモンのなにが罪なのかいまいち分からなかったが、こうして鳥瞰すると理解が深まる。星4つ

  • 小説みたいな実際にあった話。
     ライブドアによるニッポン放送買収劇からホリエモンの逮捕までの事実を追ったルポタージュ。
    「面白い経済小説があるから」と貸してもらっても「ほんと面白かった~」と言えるぐらいの面白さで、市場の最前線を走っている奴はこんなにすごいことをやっているのかと、そりゃ頭のいい人が働きたくなるよとなる。
     信託を利用して株の所有権だけを移してみたり、大口投資家用の時間外取引で「適法」に大量の株を買い占めたり。
     市場のゆがみを見つけ、そのゆがみが正常化する過程で金を稼ぐのが投資ファンドだとどこかで聞いたけれど、ニッポン放送とフジテレビの関係なんてまさにそれ。
     お金には色とか階級とかなんてなくて、どんなにえらいじいちゃんでも、金の前では右往左往する。そんな節操のない姿が見られるところが、虚業のたまらないところなんだと思う。

  • 当時あまり興味がわかなかった断片的なニュースがつながって流れが追えた。
    ----P410----
    堀江たちはコンピュータシステムを超え、この国の社会経済システム全体のハッキングを楽しんでいた 。
    --------

  • ライブドアが行ってきた数々の悪行はともかく、ここでいってる放送と通信の融合って実は何にも実現できていないんだよね。彼らは時代が生んだ徒花に過ぎなかったにせよ、課題はのこったかなと。

  • 堀江、村上、三木谷の六本木族の起こした事件の深い部分を知ることができる内容でおもしろい

    事件を知らないと難解な部分もある

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著者プロフィール

ジャーナリスト・ノンフィクション作家。1965年、東京生まれ。早稲田大政治経済学部卒。88年、朝日新聞社入社。アエラ編集部などを経て現在、経済部記者。著書に第34回講談社ノンフィクション賞を受賞した『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』(講談社)をはじめ、『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』、『ヒルズ黙示録・最終章』(以上朝日新聞社)、『ジャーナリズムの現場から』(編著、講談社現代新書)、『東芝の悲劇』(幻冬舎)、近著に取材班の一員として取り組んだ『ゴーンショック 日産カルロス・ゴーン事件の真相』(幻冬舎)がある。

「2021年 『金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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