- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022611796
感想・レビュー・書評
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冒頭の、名古屋の中村の遊郭については知らなかったが、、中国風こそが別世界の象徴として求められたということや、文化サロン的性格をもっていたという遊郭のことが面白かった。
刑務所建築について、「利用者(住む人)を喜ばせる」ことは難しい(無理)という指摘は印象的。でもそれでも、やわらかく、やさしくというのがよい。中野の刑務所は、少し、カタヤノッカみたいだ。
それから東京駅の保存と復原について、街の顔としての位置づけ、通りとの関係でのランドマークのことは考えさせられた。もともとのバルツァーの計画から、辰野が洋館寄りにしたということ、入口・出口のこと、塔と三階により高さをもたせることでまとまり感を生み出すといったことも印象的。
その他、宗教施設の流派のことや(函館や豊橋のロシア正教、築地本願寺はインド風、、)、地域の記憶の柱としての幼稚園のことなども面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
建築史家で建築家の藤森照信氏が自身の活動である「建築探偵」で発見した建物について、来歴や造形を推測(推理?)を交えながらユーモアたっぷりに紹介しているシリーズの二作目にあたる。
西からカトリック、東からプロテスタント、北から正ロシアと三つのキリスト宗派が日本でぶつかった、という論や、東京駅のプラン変遷の紹介など、興味深い。
往時のドーム屋根が復元された現代となっては驚くけれど、当時の駅舎取り壊しの話って相当ギリギリまで進んでいたんだなと、「壊せ、造れ」の時代だった世相を感じる。
また、近代建築が脚光を浴び始めた現代と違い、藤森さんの活動って本当に光の当たりにくい地味でヘンなものだったんだなと、しみじみ「おつかれさまでした、ありがとうございます!」と言いたくなる内容だった。 -
建築探偵シリーズ2作目。フルカラーで、昭和/明治/大正時代のオモシロ建築が紹介されている。藤森さんの文体が個人的にすごく好きなので、紹介されているどの建築も見に行きたいという衝動に駆られる。東京駅の設計図案の変遷はすごく興味深いし、現在の改修工事でどのように変化するのかも気になる。終わったらすぐに見に行こうと思う。
シリーズ1作目も手に入れたい。 -
通っていた幼稚園が紹介されてて嬉しかった。
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朝日文庫建築探偵シリーズの2。
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今はもう現存していない建物も載っていて、その但し書きを見ると、どこかひりっとしたものを感じます。
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那須の『ハイカラ華族の夢の跡』群には妙に惹かれてやまないのです。
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篠田先生のミステリ「建築探偵」シリーズと並んで、建築に目覚めさせてくれた本。このシリーズはどれもおすすめ。
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大阪の愛珠幼稚園の項では、涙ぐんだ箇所あり。ここは外からのぞいてみました、出張のときに。築地本願寺は、今、勤務先の近くなのでしょっちゅう見ますが、やはりおもしろい建物です。しょっちゅう見られてシアワセです。